
日本テレビ「DayDay.」2026年10月29日放送で紹介。本川越駅から徒歩約20分、酒店とカフェが同居する「Little Edo Coffee」をたどります。
古い酒屋に入ったら、コーヒーが出てくる。
しかも、フレンチ出身のシェフが作るスイーツがあり、川越ゆかりの抹茶を使ったティラミスまで登場します。
酒屋、コーヒー、フレンチ、抹茶。ひとつのお店にしては、なかなか登場人物が多い。
この少し不思議な組み合わせが、2026年10月29日放送の日本テレビ「DayDay.」で紹介された、川越市志多町のLittle Edo Coffee(リトルエドコーヒー)です。
番組のテーマは、定番の観光地から少し離れた「裏川越」。蔵造りの町並みだけではない、川越の楽しみ方を紹介する企画でした。[1]
それにしても、なぜ老舗酒店がカフェになったのでしょう。
その答えを調べていくと、単なる建物の再利用ではない、親子と兄弟の物語が見えてきました。
なぜ、酒屋の中にコーヒーのお店がある?

まず気になるのは、建物の正体です。
Little Edo Coffeeがあるのは、川越市志多町2-1。もともとこの場所で営業してきたのは、「柳屋酒店」という老舗の酒屋です。
2023年に公開された『散歩の達人』の取材では、創業約70年の酒店を、カフェ店主の鵜野友大さんの父親が現役で営んでいることが紹介されています。
友大さんは、その酒店の一角を使ってコーヒーの店を始めました。[2]
つまり、酒屋が廃業してカフェに生まれ変わった、という単純な話ではありません。
ポイントは、酒店の歴史を残しながら、新しい商売が加わったこと。古い店を丸ごと別の店に置き換えるのではなく、親子それぞれの仕事が同じ場所に重なっているのです。
酒屋のお父さんと、コーヒーを淹れる息子さん。
同じ建物の中で扱う飲み物が変わるだけで、ずいぶん面白い空間になります。
カフェは2020年にオープンし、2023年7月にはカフェとして使うスペースを拡張しました。2026年の川越プリンスホテルの案内でも、老舗酒店をリノベーションしたカフェとして紹介されています。[2][3]
ここまでは、親子二代で建物に新しい役割を与えた話です。
ところが、店内のメニューを調べると、もう一人の家族が関わっていることが分かります。
コーヒー店なのに、なぜフレンチの技術が登場する?

カフェの楽しみは、もちろんコーヒー。
Little Edo Coffeeではスペシャルティコーヒーやエスプレッソドリンクを扱い、コーヒーの味わいを大切にしています。
ところが、コーヒー専門店として調べていたはずなのに、スイーツの話がどんどん本格的になっていきます。
その理由は、フレンチレストラン出身のシェフがスイーツやフードを担当しているからです。
『散歩の達人』の取材によれば、カフェ店主・鵜野友大さんの兄、広大さんがフードとスイーツを手掛けています。
さらに2026年の川越プリンスホテルの店舗紹介では、フレンチレストランで10年以上の経験を積んだシェフが、自家製スイーツを一つひとつ作っていると案内されています。[3][4]
ここで、最初の登場人物がつながりました。
父親の酒店に、弟がコーヒーを持ち込み、兄が料理とスイーツを加える。
家族の仕事を並べてみると、酒屋とフレンチが同じ空間に存在する理由も見えてきます。
しかも、お店では地元・埼玉や川越の食材を積極的に使う方針を掲げています。
では、今回のテレビ放送で紹介された抹茶ティラミスは、その川越らしさとどうつながるのでしょうか。
抹茶ティラミスの「河越抹茶」。普通の抹茶と何が違う?

2026年10月29日の「DayDay.」では、Little Edo Coffeeのメニューとして河越抹茶を使った「抹茶ティラミス」が紹介されました。[1]
ティラミスはイタリア生まれのデザート。そこに日本の抹茶を合わせるのは、今では珍しくありません。
ただし、今回の抹茶には「河越」という地名が付いています。
単に川越で販売されているから、というだけではないようです。
河越抹茶の歴史をたどると、現在の川越周辺は、かつてお茶の産地として知られていたことが分かります。
入間市の狭山茶に関する解説では、南北朝時代から室町時代の史料に、武蔵国の銘茶として「河越茶」と「慈光茶」の名が登場すると説明されています。
当時の河越茶は、現在の川越市にある中院を拠点とした茶の生産と関係していました。[5]
川越といえばサツマイモ、という印象が強いかもしれません。
でも、昔の川越には、お茶の名前でも知られた時代があったのです。
ただし、昔からずっと同じ抹茶が作り続けられていたわけではありません。
いったん途絶えた茶の名が、現代によみがえった
入間市の解説では、その後の戦乱で有力寺院が衰退し、河越茶などの産地も荒廃していったとされています。
一方、現在の「河越抹茶」は、歴史に基づいて新しく地域ブランドとして整えられた抹茶です。
NPO法人河越抹茶の会は、生産者と協力して品質や流通を管理し、2019年4月26日には「河越抹茶」が地域団体商標として登録されました。[6]
地域団体商標とは、地域の名前と商品名を組み合わせたブランドなどを保護する商標制度です。
つまり河越抹茶は、昔の茶文化をそのまま保存したものではなく、途絶えた歴史を手掛かりに、現代の生産者たちが再び育てている地域の名産なのです。
古いものを残しつつ、新しい形に変える。
ここで、酒店を生かしたカフェの話と、ちょっと似てきました。
もっとも、店が河越抹茶を採用した理由について、歴史との関係を意識したという店側の直接の説明までは確認できていません。
それでも、古い酒店から生まれたカフェで、歴史を持つ地域ブランドの抹茶が味わえるという組み合わせ自体は、なかなか川越らしいものです。
では、なぜ観光客が集まる一番街から少し離れている?

Little Edo Coffeeは、西武新宿線・本川越駅から徒歩約20分。
所在地は川越市志多町で、川越氷川神社にも比較的近いエリアです。
「DayDay.」で紹介された特集のテーマは「裏川越」。番組では、有名な一番街商店街から少し離れた場所にも、立ち寄る価値のあるスポットがあることを伝えていました。[1]
ここで少し考えてみます。
もし観光客向けにゼロからカフェを作るなら、最も人が通る場所を選ぶ方法もありそうです。
しかし、このお店の場合、場所を選んだ理由を考えるうえで重要なのは、そこに家族の酒店があったという事実です。
観光の中心へ新しく出店したのではなく、すでにあった商いの場所へ、コーヒーという別の魅力が加わった。
そのため、Little Edo Coffeeを訪ねる楽しさは、観光の中心から少し歩いた先にも日常の商店が続いていることを感じられる点にもありそうです。
有名な観光スポットを巡る川越もいいけれど、ひとつのお店を目的地にして街を歩く川越もある。
「裏川越」という番組の言葉が、少し具体的になってきます。
行く前に知っておきたい店舗情報
- 店名
- Little Edo Coffee(リトルエドコーヒー)
- 所在地
- 埼玉県川越市志多町2-1
- 最寄り駅
- 西武新宿線「本川越駅」から徒歩約20分
- 営業時間
- 11:00〜17:30(ラストオーダー17:00)
- 定休日
- 水曜日を基本に、変更・不定休あり
- 主なメニュー
- スペシャルティコーヒー、カフェラテ、エスプレッソ、自家製スイーツ、ランチなど
- テレビ紹介
- 日本テレビ「DayDay.」2026年10月29日放送
- @lec_coffee
営業時間は2026年10月公開の川越プリンスホテルの店舗紹介を参照しています。別の店舗情報サイトには異なる営業時間・休業日の掲載もあるため、訪問当日は店舗Instagramの営業カレンダーを優先してください。抹茶ティラミスの当日の提供・価格・売り切れ状況は確認できていません。番組で紹介されたメニューが毎日必ず注文できるとは限りません。[3]
結局、このカフェの面白さはどこにある?

最初は、古い酒屋でコーヒーが飲めるという、ちょっと意外なお店でした。
けれど、調べてみると、その姿は少し変わって見えてきます。
父親が営んできた酒店に、息子がコーヒーの仕事を加え、もう一人の息子が料理とスイーツを手掛ける。
そしてテレビで紹介された抹茶ティラミスに使われているのは、川越でかつて知られた茶の歴史を受け継ぎ、現代に再び育てられている河越抹茶でした。
建物も、商売も、地域の味も、昔のものをただ昔のままにしているわけではありません。
受け継いだものに、新しい役割を加えている。
だから、柳屋酒店のある場所でコーヒーを飲むという行為にも、川越の時間が重なって見えてきます。
次にこの店の看板を見たときは、単に「酒屋なのにカフェがある」とは思わないかもしれません。
酒屋だった場所がカフェになったというより、酒屋だったからこそ、こんなカフェになった。
Little Edo Coffeeは、そんな読み方のできるお店です。
参考資料・情報確認元
情報確認日:2026年10月30日。放送記録、店舗紹介、地域の茶文化に関する資料を照合しました。記載内容は公開情報に基づき、店舗への独自取材や現地訪問によるものではありません。
- TVでた蔵|「人気観光地の穴場“裏川越”」 日本テレビ「DayDay.」2026年10月29日9:29〜9:36の放送内容記録。Little Edo Coffeeおよび河越抹茶のティラミスを紹介。 放送内容を確認
- さんたつ by 散歩の達人|Little Edo Coffee 交通新聞社系の街歩きメディア。2023年10月31日更新。柳屋酒店とカフェの関係、店主への取材、2023年の拡張を掲載。 取材記事を読む
- 川越プリンスホテル|秋旅コーヒーチケット利用可能店舗のご紹介 2026年10月の店舗紹介。店主コメント、2020年オープン、シェフ、自家製スイーツ、営業時間などを掲載。 店舗紹介を見る
- さんたつ by 散歩の達人|川越で一息つけるカフェ13選 2024年12月13日更新。店主の兄によるフード・スイーツ担当について掲載。 カフェ特集を読む
- 入間市|狭山茶の基礎知識 入間市公式。河越茶・慈光茶の歴史、南北朝〜室町時代の記録、茶産地の変遷を解説。 狭山茶の歴史を読む
- NPO法人河越抹茶の会|河越抹茶 ブランドを管理する団体の公式情報。河越抹茶の定義、生産、地域団体商標登録などを説明。 河越抹茶の公式情報を見る
- GRUTTO PLUS|川越「Little Edo Coffee」お酒も飲める工場系カフェ 2021年12月6日取材、2024年7月3日最終更新。店舗の成り立ち、店主の考え方、当時のメニューなどを掲載。 店舗取材を読む
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