
ちいかわが、さつまいもになっている。
頭においもをのせたような、あの何ともいえない姿。しかも、場所は埼玉県川越市。おいものスイーツが並ぶ街に、今度は「おいもなちいかわ」まで登場しています。
かわいい。もちろん、それだけでも十分です。
でも、ちょっと気になります。
どうして、ちいかわがおいもになったのでしょう。そして、なぜ川越なのでしょうか。

実は、この組み合わせには、江戸時代から続く川越の食文化がぴったり重なっています。
まずは、そのかわいい姿の正体から見ていきましょう。
ちいかわもぐもぐ本舗 川越店は、川越の菓子屋横丁にあるグッズショップ。通常営業時間は9:30〜17:30、本川越駅から徒歩約20分です。
2026年10月31日(土)から、土・日・祝日はデジタルチケットの事前取得が必要になると公式発表されています。先着順の入店予約は公式LINEアカウントで受け付ける方式です。週末に行く方は、出発前に必ず最新のお知らせを確認してください。[1][2]
ちいかわが「おいも」に? その正体は川越店の限定デザイン
最初の手掛かりは、お店の名前です。
「ちいかわもぐもぐ本舗」。ちいかわたちのかわいさに、「食べる」というテーマを組み合わせたグッズショップです。
2025年2月20日、京都伏見店に続く2号店として、川越の菓子屋横丁にオープンしました。[3]
お店の世界観は「ちいかわ」と「和」の組み合わせ。
そして、川越店にはもう一つ、この街ならではのテーマが加わりました。
さつまいもです。
川越店では、さつまいもをモチーフにした「おいもなぬいぐるみ」「おいもなマスコット」などが展開されています。おいもの帽子をかぶったような姿は、川越の名物をキャラクターに取り入れたものです。[4]
ちいかわが突然さつまいもに変身した、という物語上の出来事ではありません。
川越の名物を、ちいかわたちの装いにしたご当地デザインなのです。
なるほど。そういうことでしたか。
ただ、ここで一つ疑問が残ります。
どうして川越は、そこまで「おいも」の街なのでしょう。
川越がおいもの街になったのは、江戸の人たちのおかげ?

今では川越観光の定番になっている、さつまいものお菓子。
けれど、川越とさつまいもの関係は、観光客向けのスイーツが生まれるずっと前から続いています。
川越市の資料によると、この地域でさつまいもの栽培が始まったのは1751年。
しかも、その始まりの場所は現在の川越市ではなく、現在の所沢市南永井だったとされています。[5]
まさかの所沢。
実は、江戸時代の「川越イモ」は、現在の川越市だけで作られたものを指していたわけではありません。
川越藩と周辺の武蔵野台地に広がる畑作地帯で生産されたさつまいもが、まとめて川越イモと呼ばれていたのです。
つまり、川越イモの故郷は、今の市境よりもずっと広かったということです。
では、なぜ川越の名前が残った?
大きな理由の一つは、江戸での焼きいも人気です。
江戸時代の終わりに近づくころ、焼きいもは庶民に親しまれる甘い食べ物として広まりました。
現在のように、甘いお菓子がどこにでも売られていた時代ではありません。手頃に甘さを楽しめる焼きいもには、大きな魅力がありました。
その需要に応えた産地の一つが、川越周辺でした。
そして、ここで重要になるのが新河岸川の舟運です。
重くてかさばるさつまいもを江戸へ運ぶのに、船は都合のよい輸送手段でした。川越周辺で作られた大量のさつまいもが、川を通って江戸へ運ばれていったのです。[5]
畑で作れるだけでは、江戸の名物にはなれません。
作る土地があり、買う人がいて、運ぶ道もあった。
川越のさつまいもは、味だけでなく、江戸と結ばれた地理にも支えられていたのです。
江戸の焼きいも屋では、「栗(九里)より(四里)うまい十三里」という宣伝文句が使われました。
「九里」と「四里」を足して「十三里」。栗よりおいしい焼きいもを、数字の語呂合わせで表現した言葉です。
川越と江戸の距離にも重なる宣伝文句として知られています。[5]
江戸時代から、食べ物を売るための言葉遊びはなかなか巧みだったようです。
こうして「川越といえば、さつまいも」という印象が定着していきました。
その街に、食べることをテーマにしたちいかわのお店がやって来る。
おいもなちいかわは、単にかわいいだけではなく、川越らしさがひと目で伝わるデザインでもあるわけです。
それなら、なぜお店は「菓子屋横丁」にあるの?

今度は、お店の場所に注目してみます。
ちいかわもぐもぐ本舗 川越店があるのは、菓子屋横丁。
川越の観光名所として知られ、菓子店や昔ながらのお菓子の文化に触れられる一角です。
ここで気付くのは、「もぐもぐ本舗」という名前と場所の相性のよさ。
お店が掲げているのは「食べる」というテーマ。そこに、菓子屋横丁という食のお土産文化を持つ場所が重なります。
公式発表でも、川越店は「蔵造りの並ぶ川越の菓子屋横丁」に開く店舗として紹介されています。[3]
もちろん、なぜこの物件を選んだのかという詳しい出店判断までは、公表資料だけで断定できません。
ただ、確認できるのは、食をテーマにしたお店が、川越の菓子文化を楽しめる場所にあるということ。
新しいキャラクターショップなのに、昔ながらの街並みの中で違和感なく楽しめる。
そこにも、このお店らしい面白さがあります。
何を探す? おいもなマスコットだけじゃない川越店のお楽しみ
さて、お店の成り立ちが分かったところで、実際に何を楽しめるのかも見ておきましょう。
川越店の魅力は、キャラクターグッズだけでなく、川越にちなんだお菓子や和風のデザインにもあります。
おいもなぬいぐるみ・マスコット
まず注目したいのは、さつまいもをモチーフにしたぬいぐるみとマスコット。
ちいかわたちが、おいもの帽子をかぶったような姿になっています。
キャラクターを知らない人には「かわいいおいものぬいぐるみ」。ちいかわを知っている人には「いつものキャラクターが川越仕様になっている」という楽しみがあります。
ただし、川越店限定として登場した商品でも、販売場所がずっと川越だけとは限りません。
実際に2025年10月には、川越店限定として登場した「おいもなぬいぐるみ」「おいもなマスコット」が、数量限定で京都伏見店でも販売されました。[4]
「川越限定」の言葉だけで、他では絶対に買えないと決めつけないことも大切です。
おいも味のお菓子
グッズだけでなく、お菓子にも川越らしさがあります。
川越店では、おいも味のお菓子が公式に紹介されています。開業時には、おいもクッキーやおいも味を取り入れたカステラまんじゅうなどが登場しました。[1][3]
ここで、おいもなぬいぐるみとは別の楽しみ方が生まれます。
ぬいぐるみは、川越の思い出を形にして持ち帰るもの。お菓子は、その街らしい味を持ち帰るもの。
同じ「おいも」でも、楽しみ方が二つあるのです。
なお、公式案内では食品は店舗販売のみとされています。オンラインストアで同じものが買えるとは限りません。また、商品の在庫や販売状況は変わります。[3]
車夫になったちいかわたちにも注目
川越らしさは、おいもだけではありません。
小江戸川越観光協会では、川越店の見どころとして、おいもや車夫になったちいかわたち、フォトスポットを紹介しています。[6]
車夫とは、人力車を引く人のこと。
おいもは「食べ物としての川越」、車夫は「観光地としての川越」。
一つのお店に、異なる川越の顔が取り入れられているわけです。
おいもをかぶっているだけかと思ったら、街の観光案内まで担当していました。
「もぐもぐ本舗」なら、その場で食べられるの?
最後に、意外と大事なことを確認しておきましょう。
名前に「もぐもぐ」とあるので、ちいかわのカフェやレストランを想像する方もいるかもしれません。
しかし、公式案内でははっきりと飲食店ではなく、グッズや食品を販売するショップと説明されています。[3]
つまり、名前の「もぐもぐ」は、お店のテーマを表したもの。
店内で食事を注文するカフェではありません。
ちいかわたちの食べる姿を楽しみ、気に入った雑貨やお菓子を探す。そんな場所です。
おいものスイーツを食べ歩きしたいなら、菓子屋横丁や周辺の菓子店も組み合わせると、川越らしい散策になります。
本川越駅からどう行く? 営業時間と入店方法
菓子屋横丁は本川越駅から少し離れていますが、川越の街並みを楽しみながら歩けるエリアです。
公式案内では、本川越駅から徒歩約20分。川越駅からはバスで「札の辻」へ向かい、そこから徒歩約2分というアクセス方法も紹介されています。[1]
- 所在地
- 埼玉県川越市元町2丁目7番9
- 最寄駅
- 西武新宿線 本川越駅
- 徒歩
- 本川越駅から約20分
- 営業時間
- 通常 9:30〜17:30
- 入店方法
- 2026年10月31日から土・日・祝日は事前取得のデジタルチケットが必要。最新の運用は公式案内を確認
- 電話番号
- 049-292-1960
- 店舗公式
- 川越店の公式ページ
2026年10月23日に公式から、同年10月31日以降の土・日・祝日についてデジタルチケット制を導入する旨が案内されました。
先着順の予約受付は公式LINEアカウントで行われます。チケットの取得方法や対象時間帯、最新の案内は公式情報に従ってください。
入店できても、希望の商品を購入できるとは限りません。特に限定商品を目的に訪れる場合は、販売情報も確認しておくと安心です。
情報確認日:2026年10月24日。営業時間・入店条件・商品販売状況は変更される場合があります。
おいもなちいかわは、川越の昔と今をつなぐ存在だった
最初は、ちいかわがおいもの帽子をかぶっている、そのかわいさが気になっただけでした。
ところが、たどってみると、江戸時代のさつまいも栽培、江戸の焼きいも人気、新河岸川の舟運、そして今の菓子屋横丁へと話が広がりました。
江戸の人々がおいしいと評判にした川越イモ。その「おいもの街」というイメージが受け継がれ、今ではキャラクターのデザインにもなっています。
もちろん、おいもなちいかわが江戸の歴史を説明するために作られた、とまで断定することはできません。
けれど、川越の名物とちいかわたちが出会ったことは確かです。
今度あの小さなおいもの帽子を見たら、かわいさの向こうに、川越から江戸へ運ばれたさつまいものことも少し思い浮かぶかもしれません。
おいもをかぶったちいかわ。小さな姿に、思いのほか大きな川越の物語が重なっていました。
参考資料・出典
情報確認日:2026年10月24日。施設公式サイト、川越市、小江戸川越観光協会の公開情報を参照しました。営業情報・入店ルール・商品情報は変更される場合があります。
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ちいかわもぐもぐ本舗|川越店 公式店舗情報
発行:ちいかわもぐもぐ本舗
店舗所在地、営業時間、アクセス、おいも味のお菓子・限定グッズの案内。
https://www.chiikawamogumogu.jp/stores/kawagoe/
確認日:2026年10月24日 -
ちいかわもぐもぐ本舗|川越店からのお知らせ
発行:ちいかわもぐもぐ本舗
2026年10月23日発表。10月31日からの土・日・祝日におけるデジタルチケット事前取得について。
https://www.chiikawamogumogu.jp/
確認日:2026年10月24日 -
ちいかわもぐもぐ本舗 川越店が2月20日(木)にOPEN!
発行:ちいかわもぐもぐ本舗
2025年1月20日公開。開業日、コンセプト、店舗形態、限定グッズの案内。
https://www.chiikawamogumogu.jp/2025/01/20/post-703/
確認日:2026年10月24日 -
京都伏見店 ちいかわもぐもぐ本舗 川越店のご紹介
発行:ちいかわもぐもぐ本舗
2025年10月3日公開。川越店限定として登場した「おいもなぬいぐるみ」「おいもなマスコット」の京都伏見店での数量限定販売について。
https://www.chiikawamogumogu.jp/2025/10/03/post-1297/
確認日:2026年10月24日 -
川越とサツマイモ
発行:川越市
2024年11月22日更新。川越イモの栽培開始、所沢市南永井の始作地、江戸での焼きいも人気、新河岸川による輸送、十三里の宣伝文句について。
https://www.city.kawagoe.saitama.jp/kurashi/nogyo/1003193/1003197.html
確認日:2026年10月24日 -
ちいかわもぐもぐ本舗川越店|スポット情報
発行:小江戸川越観光協会
川越店の紹介、限定商品、車夫やおいものデザイン、フォトスポットについて。
https://koedo.or.jp/ちいかわもぐもぐ本舗川越店/
確認日:2026年10月24日