
猫の雑貨と、見ているだけで心がやわらぎそうな文字。
川越には、この二つを楽しめる小さな工房があります。
その名前は、「いろはにほっ。」。
「いろはにほへと」ではありません。
最後は「ほっ。」。
なんだか、名前だけですでに少し肩の力が抜けます。
でも、気になります。
なぜ文字が雑貨になるのでしょう。しかも、猫雑貨と一緒に並んでいるのはなぜでしょうか。
小江戸川越観光協会は、こちらを癒しの文字と猫雑貨のお店として紹介しています。
ところが、作家の公式サイトをたどってみると、かわいいお土産屋さんという印象の奥に、ある家族の小さな出来事が隠れていました。[1]
「いろはにほっ。」は、本川越駅から徒歩約6分の想形文字工房。文字を使った作品の制作・展示販売を行い、予約制の制作体験も用意されています。
通常の展示販売は金・土曜日の11:00〜18:00。体験は完全予約制です。訪問前に公式カレンダーを確認しましょう。[2]
なぜ文字を見て「ほっ」とする? きっかけは小学1年生の一言

このお店の中心にあるのは、「想形文字(そうけいもじ)」という作品です。
一般的な書道作品と少し違うのは、文字の形だけでなく、そこに込められた気持ちや物語を大切にしていること。
では、どうしてそんな文字作品を作るようになったのでしょう。
答えは、作家の小畑玲子さんが公式サイトで紹介している思い出にありました。
あるとき、少し疲れていた小畑さんに、当時小学1年生だった息子さんが声をかけたそうです。
その言葉は、楽しいことを考えていれば気持ちが楽になる、という内容でした。
小畑さんは、その一言で心が軽くなったと振り返っています。そして、そのときの気持ちを文字として残したいと考えました。
ここから「伝えたい想いをカタチにする」という制作のテーマが生まれ、想形文字へとつながっていったのです。[3]
まさか、文字作品の出発点が小学1年生の言葉だったとは。
難しい漢字の研究や、特別な書道の技法から始まったという話ではありません。
日常の何気ない一言を、大切に残そうとしたことが始まりでした。
そう考えると、「ほっこりする文字」という表現も、単なる商品紹介ではなくなってきます。
文字を美しく見せるだけでなく、誰かの気持ちを少し軽くすることも、作品づくりの大切な目的になっているのです。
最初に生まれた文字は「楽楽」? 二つの漢字に込められたもの
ここで、もう一つ気になることがあります。
その息子さんの一言から、実際にどんな作品が生まれたのでしょうか。
公式サイトで紹介されている最初の想形文字は、「楽楽」という作品です。
小畑玲子さんが公式サイトで紹介する、最初の想形文字作品の名前
「楽」という漢字が二つ。
たったそれだけなのに、作品が生まれた背景を知ると、見え方が少し変わります。
一つは、楽しいことを考える気持ち。
もう一つは、心が楽になるという感覚。
この二つの意味が重なっているようにも受け取れます。ただし、これは制作のきっかけから読み取れる解釈であり、作者が二文字それぞれにその意味を割り当てたと説明しているわけではありません。
小畑さんは、今でもこの作品を見ると心がゆるむと公式サイトにつづっています。[3]
同じ二文字でも、成り立ちを知らなければ、ただの漢字の組み合わせに見えるかもしれません。
けれど背景を知ると、そこに親子のやり取りが見えてきます。
文字そのものは変わっていないのに、受け取る意味が変わる。
これが、想形文字の面白さを知る一つの手掛かりになりそうです。
では、そんな個人的な思い出から始まった作品が、どうして川越のお店へと広がったのでしょう。
実は文字のプロだった! 2002年から始まった独自の作品づくり

想形文字には、家族の温かなエピソードがあります。
ただ、小畑さんの文字づくりは、思い出を形にする活動だけではありません。
公式プロフィールを確認すると、そこには長年にわたる文字デザインの経験が記されていました。
1984年にレタリングやPOPを学び、1985年からPOPライターとして仕事を始めています。
POPとは、お店の商品を紹介する手描きの広告や案内などのこと。文字の形や大きさを工夫して、伝えたい内容を目に留まりやすくする仕事です。
その後、2002年には独立し、筆文字デザインの注文制作とともに、独自の技法による作品制作を始めました。[3]
つまり、文字を扱ってきた専門的な経験と、日常の出来事から生まれた思いが、想形文字の中で出会ったわけです。
ここが、ちょっと面白いところです。
普段は商品の魅力を伝えるために使う文字。
それが、誰かの気持ちを伝える作品にもなっているのです。
看板やラベルにも広がる「伝える文字」
小畑さんは、ロゴマーク、店舗看板、パッケージ、ラベルなどの筆文字デザインも手がけてきました。
東京芸術劇場や埼玉伝統工芸会館など、さまざまな会場で個展を開催してきたことも、公式プロフィールに記されています。
そして2020年、川越に「想形文字工房 いろはにほっ。」をオープンしました。[3]
工房では、誕生額や看板デザイン、ラベルデザインなど、依頼に応じた作品制作も受け付けています。[2]
贈り物として残す文字もあれば、お店の顔になる文字もある。
文字は読むものだと思っていましたが、ここでは飾るもの、贈るもの、そして誰かに気持ちを届けるものにもなっています。
猫雑貨と文字作品が同じ店に? かわいさの先にある共通点
さて、ようやく最初の疑問に戻ってきました。
文字を中心に活動する工房なのに、なぜ猫雑貨もあるのでしょう。
小江戸川越観光協会では、「いろはにほっ。」を癒しの文字と猫雑貨のお店として紹介しています。
工房公式サイトでは、文字作品の展示販売や制作体験が詳しく案内されており、両方の情報を合わせると、お店には文字作品と猫をテーマにした雑貨という二つの楽しみがあることが分かります。[1][2]
ただし、なぜ猫を取り入れたのかという詳しい理由は、確認した公開資料では明らかになっていません。
猫好きだから、と決めつけることもできません。
それでも、この二つを並べると、ある共通点に気づきます。
猫の姿を見て、思わず表情がやわらぐ。
言葉の意味を受け取って、心が少し軽くなる。
きっかけは違いますが、どちらも小さな楽しさを届ける存在として受け止められそうです。
かわいい猫と、気持ちを込めた文字。
「癒し」という共通の印象で、二つがつながって見えてきます。
観光協会には猫雑貨の取り扱いが掲載されていますが、2026年11月2日時点で個々の商品名や在庫までは確認できませんでした。
特定の猫グッズを探している場合は、訪問前に工房へ問い合わせると安心です。
小さな贈り物には何がある? ポチ袋から額作品まで
文字の背景を知ると、今度は実際の作品が気になります。
「いろはにほっ。」では、どのような品物を探せるのでしょうか。
工房公式サイトの展示販売案内には、ポチ袋、ポストカード、額作品などが紹介されています。[2]
ポチ袋|小さな気持ちを添える
お年玉などでおなじみのポチ袋。
小さな封筒ですが、贈る人の気持ちを添えられる道具です。
文字作品を楽しむ工房で探すとなると、袋そのもののデザインにも目が向きそうです。
ポストカード|言葉を届ける楽しさ
メッセージを書いて誰かに送ることも、飾って眺めることもできるポストカード。
文字を中心にした作品と、手紙という道具は相性がよさそうです。
気になる作品を見つけたら、その言葉をどんな相手に届けたいか考えるのも楽しみの一つでしょう。
額作品|文字を部屋に飾る
公式サイトでは、小さく飾れる額作品も紹介されています。
毎日目にする場所に文字を置く。
そう考えると、文字は一度読んで終わるものではなくなります。
仕事机や玄関など、暮らしの中でふと目に入る場所に置けば、その言葉を何度も受け取ることができます。
もちろん、どの作品がどのような言葉や図柄なのか、販売中の品ぞろえや価格は変わります。
ここで紹介した品目は公式サイトに掲載された取扱例であり、すべての作品の常時販売を保証するものではありません。
それでも、気軽に扱える紙ものから飾る作品まで選択肢があることは、贈り物探しにはうれしいポイントです。
見るだけじゃない? 自分でも「想形文字」を描ける
ここまで、文字を見る楽しさをたどってきました。
でも、もう一つの楽しみ方があります。
なんと、自分で文字作品を制作する体験です。
工房公式サイトでは、文字を描いて作品をつくる体験を案内しています。
完成した作品を選んで購入するだけではなく、自分の手で文字と向き合えるのです。[2]
ここで、最初に紹介した「楽楽」の話を思い出してみてください。
ある言葉が、ひとりの気持ちを軽くするきっかけになった。
その気持ちを文字に残したことが、作品づくりの始まりでした。
制作体験も、ただ文字の形を真似する時間とは違った楽しみ方がありそうです。
自分が好きな言葉や、残しておきたい気持ちについて考えるきっかけになるかもしれません。
ただし、体験当日に自由な言葉を選べるか、どのような材料や作品形式を使うかについては、公開情報だけでは断定できません。
工房公式サイトでは、カレンダーで日程を確認し、お問い合わせフォームから参加人数と希望日時を連絡する方式が案内されています。
体験料金、所要時間、対象年齢、制作内容などは、申し込み前に直接ご確認ください。
普通のお土産は、お店にあるものから選びます。
ここでは、自分で何かを描くという選択肢もある。
文字を受け取る側から、文字をつくる側へ。
少しだけ立場が変わる体験です。
本川越駅から徒歩6分! お店の場所と営業日を確認
「いろはにほっ。」は、川越市松江町にあります。
西武新宿線の本川越駅から徒歩約6分。川越の街歩きで立ち寄りやすい場所です。[2]
ただし、毎日開いている雑貨店ではありません。
通常の展示販売は金曜日と土曜日です。日曜日を含むほかの曜日に訪問を考えている方は、特に注意が必要です。
いろはにほっ。|店舗・工房情報
- 名称
- 想形文字工房 いろはにほっ。
- 作家
- 小畑玲子さん
- 住所
- 〒350-0056
埼玉県川越市松江町1-5-1
ルネスプレミール1階 - 最寄駅
- 西武新宿線 本川越駅
- アクセス
- 本川越駅から徒歩約6分
川越市駅から徒歩約12分
川越駅から徒歩約20分 - 展示販売
- 毎週金・土曜日
11:00〜18:00 - 制作体験
- 完全予約制
公式カレンダー確認後、フォームから申し込み - 電話
- 080-3414-9068
- 取扱案内
- 想形文字作品、ポストカード、ポチ袋、額作品、猫雑貨など
※2026年11月2日確認。営業時間・体験日程・臨時休業・販売品目などは変更される場合があります。公式カレンダーで最新情報を確認してください。
川越観光では、蔵造りの町並みや食べ歩きに目が向きがちです。
でも、本川越駅から少し歩いた場所には、文字を眺めたり、言葉の意味を考えたりする時間も待っています。
金曜日や土曜日に川越へ行く予定があるなら、散策の候補に入れてみるのもよさそうです。
「いろはにほっ。」は、文字に気持ちを残す場所だった

最初に気になったのは、「いろはにほっ。」という、少し不思議なお店の名前でした。
そして、猫雑貨と文字作品という組み合わせ。
かわいい雑貨を集めたお店なのかな、と思って調べ始めました。
ところが、見えてきたのは、もっと個人的で温かな物語です。
小学1年生だった息子さんの言葉で、心が軽くなったこと。
その気持ちを残したくて、「楽楽」という作品が生まれたこと。
長年培った文字デザインの経験が、誰かの思いを形にする作品づくりにつながっていったこと。
こうした背景を知った今では、店名の最後にある「ほっ。」にも、少し違った印象を持ちます。
ただのかわいい語感ではなく、作品が目指している心のやわらぎを表しているようにも感じられます。
もちろん、店名がその出来事から直接名付けられたのかどうか、詳しい命名の経緯までは確認できません。
それでも、工房が大切にしている気持ちと、「ほっ。」という短い言葉が響き合っていることは伝わってきます。
猫雑貨を探しに訪れた人が、気になる文字に出会う。
文字作品を眺めに来た人が、小さな贈り物を見つける。
そのとき選ぶのは、単に形のかわいい品物だけではないのかもしれません。
自分や誰かの気持ちに、ちょうどよく重なる一つの言葉。
川越の小さな工房「いろはにほっ。」。
名前の最後の「ほっ。」まで、ゆっくり味わいたくなるお店です。
参考資料・出典
情報確認日:2026年11月2日。工房・作家の公式サイト、小江戸川越観光協会の公開情報を中心に確認しました。営業日、体験条件、取扱商品などは変更される場合があります。
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小江戸川越観光協会|いろはにほっ。
発信:公益社団法人 小江戸川越観光協会
猫雑貨と癒しの文字を扱う店舗の紹介、住所、電話番号、予約制の体験案内。 https://koedo.or.jp/いろはにほっ。 確認日:2026年11月2日 -
想形文字工房 いろはにほっ。|工房について
発信:想形文字工房 いろはにほっ。
展示販売品目、営業日、営業時間、所在地、駅からの徒歩時間、制作体験の予約条件、注文制作の案内。 https://soukeimoji.com/studio/ 確認日:2026年11月2日 -
想形文字工房 いろはにほっ。|小畑玲子 公式サイト
発信:想形文字作家 小畑玲子
想形文字の誕生エピソード、最初の作品「楽楽」、作家プロフィール、2002年からの制作活動、2020年の川越工房開設。 https://soukeimoji.com/ 確認日:2026年11月2日