
東大和市の住宅街に、パステルミント色の扉を持つ、小さな一軒家があります。
扉の向こうに広がるのは、カラフルな食器や人形、レトロポップな雑貨が並ぶ空間。
名前は「おうちカフェちくちく」。
まるで、誰かが大切にしてきたおもちゃ箱を、そのまま一軒の家にしてしまったようなお店です。[1]
でも、ちょっと不思議です。
カフェなのに雑貨が主役のようにも見える。雑貨屋さんなのに、しっかりランチも食べられる。
しかも、営業するのは週に2〜3日ほど。
いったい、どうしてこんなお店が住宅街に生まれたのでしょうか。
その答えをたどると、一人の店主が子どもの頃から好きだったもの、そして2013年に建てた一軒の家につながっていました。
なぜ、普通の住宅街に「おもちゃ箱の家」がある?

場所は東京都東大和市仲原4丁目。
2021年の地域情報サイト「イマタマ」の取材では、周囲にブルーベリー畑や茶畑もある、のどかな住宅街として紹介されています。
その通りに面した一軒家が「おうちカフェちくちく」です。[2]
駅前の商業ビルでも、ショッピングモールの一角でもありません。
西武拝島線の東大和市駅から徒歩約20分。わざわざ歩いて訪れる距離です。
それなのに、この場所にカフェと雑貨店が一緒になった空間がある。
理由を知る手掛かりは、お店の建物そのものにありました。
実はこの家、お店を開くために建てられた家だったのです。
イマタマの2021年の取材によると、店主の有紀さんは、結婚後の2013年にお店を開くための家を建て、雑貨やハンドメイド作品の販売を始めました。[2]
つまり、もともとあった住宅をたまたまカフェにした、という話ではありません。
好きなものを並べる場所をつくりたい。その思いが、まず一軒の家になったのです。
そう考えると、住宅街にあることも、店内が普通の家のようにくつろげることも、少し違って見えてきます。
では、そこまでして集めたかった「かわいいもの」とは、いったい何だったのでしょう。
店主が集めたかったのは、ただの「かわいい」ではなかった
ここで登場するのが、ファンシー雑貨ブランド「SWIMMER(スイマー)」です。
イマタマの取材によれば、有紀さんは幼い頃からかわいい雑貨が好きで、社会人になってからはSWIMMERの販売員として働いていました。
商品の買い付けを手伝った経験もあったそうです。[2]
なるほど。突然、カラフルな雑貨を集め始めたわけではなかったのですね。
子どもの頃の好みが、仕事になり、やがて自分のお店につながった。
しかも、ちくちくが大切にしているのは、誰にでも好まれる無難なかわいさだけではありません。
公式サイトでは、少し変わっていて、好きな人にはたまらないユニークな雑貨も扱っていると紹介されています。[1]
イマタマの取材でも、店主が「ちょっとヘンテコな雑貨」を好むことが語られています。[2]
ちょっとヘンテコ。
この一言で、お店の輪郭がぐっとはっきりします。
色をそろえて整然と見せるだけではなく、個性的な柄や形を楽しむ。
誰かにとっては不思議な組み合わせでも、別の誰かにとっては、ずっと探していたお気に入りかもしれません。
おもちゃ箱らしさの正体
ちくちくの空間は、偶然カラフルになったのではありません。店主が長年好きだったレトロポップな世界と、少し個性的な雑貨への好みが重なって生まれた場所なのです。
でも、そうなると新しい疑問が浮かびます。
店主の好きなものを集めたお店なのに、なぜほかの作家さんの作品まで並んでいるのでしょう。
棚に並ぶのは、店主一人の作品ではない
ちくちくでは、仕入れ雑貨だけでなく、ハンドメイド作家さんによる一点ものの作品も販売しています。
公式サイトで紹介されているのは、カラフルな小物や人形、収納アイテムなど。
工場で同じものを大量につくる商品とは違い、作り手ごとの個性を楽しめるのが特徴です。[1]
2021年のイマタマ取材では、当時、約10人のハンドメイド作家の作品を扱っていると紹介されていました。[2]
一人の「好き」から始まった場所に、別の人たちの「好き」が加わっているわけです。
おもちゃ箱の持ち主が、一人ではなくなりました。
さらに、ここは作品を買うだけの場所でもありません。
雑貨を選ぶだけでなく、自分でつくる日もある
ちくちくでは、年に何度か講師を招き、ワークショップを開催しています。
公式サイトには、アロマテラピー、羊毛を使った制作、キーホルダー、アイシングクッキーなどが紹介されています。[1]
見て楽しむ雑貨から、自分の手でつくる雑貨へ。
少しずつ、この場所の役割が広がっていきます。
2021年の取材では、店主が東大和市とはもともと縁がなかったものの、知人を通して地域の「マママルシェ」に参加したことが、街とのつながりを広げるきっかけになったと紹介されています。[2]
初めから地元の人脈があったわけではなかったのですね。
雑貨という共通の楽しみが、作家さんや地域の人とつながる入り口にもなったようです。
ただし、ワークショップは毎日開催されているわけではありません。参加したい場合は、公式Instagramで実施日や条件を確認してください。
それなら、なぜ雑貨屋さんでランチを出すの?

ここまで読んでいると、すっかり雑貨屋さんの話になってしまいました。
ところが、名前は「おうちカフェ」。
もちろん、食事も大切な楽しみです。
ちくちくの公式サイトによると、ランチはその日に用意される1種類の日替わりメニュー。
オムハヤシライス、グラタン、キーマカレーなどがメニュー例として挙げられています。[1]
何十種類もの料理から選ぶタイプではありません。
今日は何が食べられるんだろう。
そんな楽しみ方のお店です。
実は、食器まで「おもちゃ箱」の一部だった
もう一つ、ちくちくらしい特徴があります。
料理を盛り付けるお皿や、飲み物を入れるグラスです。
店内で楽しめるのは、こだわりの食器に盛られたランチや、レトロなグラス、かわいいプレートを使ったスイーツとドリンク。
これは公式サイトでも、お店の大切な魅力として紹介されています。[1]
つまり、雑貨とカフェがただ同じ建物に入っているわけではありません。
棚の上にある「かわいいもの」が、そのまま食事の時間にも登場する。
これなら、カフェを併設している理由も少し見えてきます。
雑貨は眺めるだけではなく、毎日の暮らしの中で使って楽しむもの。
食事をする時間そのものが、その世界を味わう機会になっているのです。
器がかわいいと、ごはんまで少し特別に見える。
これは、お腹だけでなく目も忙しくなりそうです。
メニューが1種類なのも、このお店らしい
多くの飲食店では、メニューの豊富さが魅力になります。
一方、ちくちくでは、その日のお昼ごはんを1種類に絞っています。
その理由について、店主が公式に明確な説明をしている資料は今回確認できませんでした。
ただ、ここまでたどってきたお店の姿とは、よく似合う仕組みに感じられます。
雑貨を見ながら、用意されたその日のごはんを楽しむ。
まるで友達の家に遊びに行き、お昼ごはんをごちそうになるような距離感です。
なお、過去に紹介された料理が現在も必ず提供されるとは限りません。当日のメニューは公式Instagramの案内で確認しましょう。
週2〜3日だけ営業。それでもカフェとして成り立っている?

さて、ここで一番気になる実用的な話です。
「おうちカフェちくちく」は、毎日営業しているわけではありません。
公式サイトの案内は、週2〜3日、11時30分から15時までの不定期営業です。[1]
週末に行けば大丈夫、とは言い切れません。
営業時間も、お昼を中心にした短めの設定です。
営業日が少ない理由を、店主自身が詳しく説明した最新資料は確認できませんでした。
そのため、生活との両立や経営上の意図を、こちらで決めつけることはできません。
ただし、確かに分かることがあります。
このお店は、雑貨の販売、カフェ、ワークショップという複数の活動を、一軒の小さな空間で行っています。
しかも席数が限られるため、公式サイトでも予約をすすめています。[1]
駅から20分歩いて、扉の前でお休みだったら悲しいところ。
ここは冒険する前に、カレンダーを確認しておきたいですね。
訪問前に確認したいこと
営業日と日替わりランチは、公式Instagramのカレンダーで確認できます。席数が少ないため、利用する場合は事前予約がおすすめです。
東大和市駅から徒歩20分。訪れる前に知っておきたいこと
ちくちくの最寄り駅は、西武拝島線の東大和市駅です。
駅からは徒歩約20分。公式サイトには「頑張れば17分!」という、なんとも親しみやすい案内もあります。[1]
少し歩く場所なので、時間には余裕を持っておくと安心です。
駐車スペースは公式案内で2台分となっています。ただし、空き状況は当日に確認してください。
おうちカフェちくちく|店舗情報
- 店舗名
- おうちカフェちくちく
- 所在地
- 〒207-0016
東京都東大和市仲原4-14-16 - 最寄駅
- 西武拝島線「東大和市駅」徒歩約20分
- 営業時間
- 11:30〜15:00
- 営業日
- 週2〜3日程度・不定期営業
公式Instagramの営業日カレンダーを要確認 - メニュー
- 日替わりランチ1種類、スイーツ、ドリンクなど
- その他
- 雑貨販売・不定期ワークショップ
- 予約
- 席数が少ないため予約推奨。InstagramのDMでの問い合わせが案内されています。
- 電話
- 042-511-9895
- 駐車場
- 2台分(公式案内)
- 公式情報
-
公式サイト
公式Instagram - 地図
- Googleマップで所在地を確認
※2026年11月2日確認。営業時間・営業日・販売商品・提供メニュー・ワークショップは変更される場合があります。訪問前に店舗の最新情報をご確認ください。
パステルミントの扉の向こうは、誰かの「好き」が集まる場所だった
最初に気になったのは、住宅街にある、おもちゃ箱のような一軒家でした。
どうしてカフェなのに雑貨がたくさんあるのか。
なぜ、こんな場所に、こんなにカラフルなお店をつくったのか。
たどってみると、2013年にお店のための家が建てられたこと、店主が子どもの頃から雑貨を愛してきたこと、そして作家さんや地域の人とのつながりが見えてきました。
食事の器までかわいいのは、雑貨とカフェが別々の楽しみではないから。
ハンドメイド作品が並ぶのは、一人の好みから始まった場所に、ほかの作り手の世界も加わっているから。
そう考えると、あのパステルミントの扉は、単なるお店の入口とは少し違って見えます。
誰かの「好き」が形になり、別の誰かの「好き」と出会う入口。
おもちゃ箱のような家。
中に入っているのは、おもちゃだけではなく、暮らしをちょっと楽しくするために集められた、小さなお気に入りたちだったのです。
東大和市駅から、もう少し寄り道するなら
ちくちくで見つけたのは、ふだんの暮らしに隠れている小さな楽しみ。東大和市駅の周辺には、別の角度から街の意外な顔に出会える場所もあります。
参考資料・出典
-
おうちカフェちくちく「公式サイト」
発行主体:おうちカフェちくちく
店舗概要、日替わりランチ、雑貨、ワークショップ、住所、営業時間、予約案内。
https://ouchicafe-chikuchiku.sakuraweb.com/
情報確認日:2026年11月2日 -
イマタマ「カワイイがいっぱいつまったおもちゃ箱みたいな『おうちカフェちくちく』」
発行主体:イマタマ
公開日:2021年8月25日
店主の経歴、2013年の開業経緯、雑貨へのこだわり、地域とのつながりなどを紹介した取材記事。
https://imatama.jp/contents/mini_special/chikuchiku/
情報確認日:2026年11月2日 -
「おうちカフェちくちく」店舗案内
発行主体:さやはぐ
営業時間、所在地、営業日確認、予約推奨についての補助資料。
https://syeahagu.jp/shops/higashiyamato/ouchicafe_chikuchiku/
情報確認日:2026年11月2日