
ほうれん草が、キーホルダーになっている。
しかも、フルーツサンドまで。
小平市・一橋学園駅のすぐそばに、そんな少し変わった刺繍ワッペンが集まる雑貨店があります。
名前は「Kimamaya T&K(きままや ティーアンドケー)」。
このお店、2022年には約460種類のシュールな刺繍ワッペンキーホルダーを店舗やイベントなどで披露したと、自ら記録しています。[1]
460種類。もはや小さな雑貨店というより、日常のあらゆるものを刺繍に変える研究所のようです。
でも、どうしてそんなに種類が増えたのでしょう。
調べてみると、その始まりは刺繍ではありませんでした。
Kimamayaは2007年、母娘によるフェルトのおままごと作品から始まった手作り雑貨のブランドです。2016年に実店舗を開き、布小物やバッグなどを扱いながら活動を広げてきました。
その歩みの先で、2022年に刺繍ワッペンが新たなお店の顔となったのです。[1]
なぜ、ほうれん草を刺繍にしたの?
まず気になるのは、モチーフの選び方です。
かわいい動物や花なら、雑貨のデザインとして想像しやすいもの。
ところがKimamayaには、ほうれん草やフルーツサンド、街の看板、学校用品など、普段ならキーホルダーの主役になりそうにないものまで登場します。
ほうれん草は、お弁当のおかずにはなっても、バッグにぶら下がるとはなかなか想像しません。
2026年1月公開の『散歩の達人』の取材記事では、ほうれん草の根元の色や束をまとめるテープ、フルーツサンドの果物の断面まで表現された作品が紹介されています。[2]
つまり、ただ珍しい題材を選んでいるだけではありません。
普段は見過ごしてしまう細かい特徴を、小さな刺繍の中で見せていることが分かります。
その細かさが、見慣れた食べ物をちょっとおかしな存在に変えるのでしょう。
ただし、なぜ最初にほうれん草を選んだのかという個別の制作理由までは、確認した資料からは分かりません。
一つ分かるのは、身近なものでも、見せ方を変えると立派な雑貨の主役になるということです。
では、その細かなものづくりは、どこから始まったのでしょう。
刺繍のお店かと思ったら、原点はフェルトのおままごと?

Kimamayaの公式プロフィールをたどると、意外な出発点が見つかります。
2007年、母と娘の二人で始めたのは、フェルトを使ったおままごと作品のお店でした。
フェルトは、やわらかい手触りが特徴の布素材。切ったり縫い合わせたりして、小さなおもちゃを作ることにも向いています。
当初はWebショップや委託販売からスタートしました。委託販売とは、ほかのお店などに商品を預け、販売してもらう方法です。[1]
最初から駅前にお店があったわけではなかったのです。
その後は赤ちゃん用のスタイ(よだれかけ)や布小物、バッグなどへと活動を広げ、イベント出店も重ねていきました。
ここで、少し見方が変わります。
現在のユーモラスなワッペンも、突然現れた奇抜な商品というより、長く続いてきた布のものづくりの延長にあると考えられます。
やわらかい布で小さな世界を作る。
その原点と、食べ物や看板を小さな刺繍にする現在の作品には、素材だけでなく発想にも通じるものがあります。
もっとも、2007年から2022年までの全作品の制作過程が明らかになっているわけではありません。これは公開された活動歴から読み取れる共通点です。
2016年、なぜ駅前に実店舗が生まれた?
2007年に始まったKimamayaが、実店舗を持ったのは2016年。
一橋学園駅から徒歩約30秒という、線路のすぐそばの場所でした。[1]
実店舗を開いた詳しい経営判断までは、公式プロフィールに書かれていません。
ただ、店舗ができるまでの道筋は確認できます。
Web販売、委託販売、イベント出店。商品を届ける場所を少しずつ増やした末に、常設のお店を持つようになったのです。
実店舗では自分たちのハンドメイド作品だけでなく、セレクトした洋服、バッグ、生活雑貨、文房具、手芸用品なども取り扱うようになりました。[1]
つまり、Kimamayaは刺繍ワッペンだけの専門店ではありません。
作る人の手仕事と、暮らしの中で使うものが一緒になった雑貨店です。
さらに、小平市の観光情報サイトでは、お客さんからのリュックのリクエストをきっかけに、トートバッグとしても使える商品を生み出したエピソードが紹介されています。[3]
お客さんの「こんなのが欲しい」が、商品につながる。
ものづくりのアイデアは、作業机の上だけで生まれるわけではなかったようです。
では、なぜ460種類まで増えたの?

ここで、最初の数字に戻ります。
約460種類。
公式プロフィールには、2022年に刺繍ワッペンキーホルダーが新たなKimamayaの顔となり、約460種類を店舗、催事、イベント、委託先などで披露したと記されています。[1]
注意したいのは、これが2022年の活動記録にある数字だということ。
2026年現在の店頭在庫が460種類という意味ではありません。
実際に2026年8月公開の『ことりっぷ』では、約500種類のワッペンが紹介されています。[4]
数字が違うのは、記録された時期と対象が異なるためと考えられます。単純に40種類増えたと断定できるわけではありません。
では、なぜこれほど多彩な作品が生まれるのでしょう。
一種類ずつ増やしてきた詳しい理由は公表資料だけでは説明できません。
しかし、現在紹介されているモチーフを見ると、食品、街の看板、学校用品、動物、乗り物など、題材の範囲がとても広いことが分かります。
公式ネットストアにも、食品、雑貨、乗り物・標識、動物・鳥などのカテゴリーが設けられています。[5]
普通なら「雑貨の柄にはならないかな」と思うものも、題材の候補になり得る。
そんな幅広いものの見方が、何百種類という数字を支えているのかもしれません。
少なくとも、食べ物だけで460種類という話ではありません。
ほうれん草の隣に学校用品。そのまた隣には街の標識。
ジャンル分けする側が、少し大変そうです。
小さいのに細かい。どうやって作っているの?
種類の多さも気になりますが、もう一つ不思議なのが仕上がりです。
刺繍の絵柄をそのまま平らなワッペンにするだけなら、ここまで立体的な存在感は生まれないかもしれません。
2026年8月の『ことりっぷ』の取材では、ワッペンの裏側に本革を使い、中綿を詰めてふっくらした形に仕上げる制作方法が紹介されています。
さらに、職業用ミシンによる縫製や、裁断面の処理まで行っているとのこと。[4]
なるほど、刺繍の模様だけでは完成しません。
表の絵柄、立体感、裏側、縁の仕上げ。小さなキーホルダーにも、いくつもの工程が重なっています。
公式プロフィールには、2024年4月の刺繍機導入についても記録されています。[1]
つまり、460種類という2022年の実績は、その2024年の導入より前の記録なのです。
ここも意外な点です。
ただし、それ以前にどのような機械や設備を使っていたかまでは、この記録だけでは分かりません。
機械を導入した時期と、作品一つひとつに手間をかけて仕上げることは、別の話です。
細かな食べ物の形がキーホルダーになっている背景には、絵柄選びだけでなく縫製の工夫がありました。
ワッペンを選ぶだけじゃない?自分好みに組み合わせる楽しさ
たくさんの種類があっても、選んだら終わりというわけではありません。
『ことりっぷ』の取材では、好きなチャームを組み合わせたカスタマイズや、カスタムストラップのワークショップも紹介されています。[4]
完成品の中からお気に入りを探す楽しさと、選んだものを組み合わせる楽しさ。
二つあるわけです。
これは、もともとフェルトのおままごと作品を作っていたブランドらしい展開にも見えます。
小さなものを選び、組み合わせ、自分だけの世界にする。
ただ、現在のワークショップ開催日や予約条件は変わる可能性があります。
2026年8月の取材ではワッペンの価格が1点1,210円、カスタムストラップのワークショップが2,530円からと紹介されていますが、来店時の価格を保証するものではありません。[4]
参加や購入を考えている場合は、最新の公式案内を確認してください。
駅から30秒。でも、いつでも開いているわけではない

ここまで読むと、ちょっと実物を見たくなってきます。
ただし、駅に近いからといって、毎日開いているお店ではありません。
2026年に公開された店舗紹介では、水曜日から金曜日の13時〜17時を基本の営業時間としています。土日や月曜、火曜、祝日は原則休業とする案内があります。[2]
臨時休業や変則営業の可能性があるため、来店前には公式Instagramなどで最新情報を確認するのが安心です。
Kimamaya T&K|店舗・アクセス情報
- 店舗名
- Kimamaya T&K
(きままや ティーアンドケー) - 所在地
- 東京都小平市学園東町1-2-4
グレース小林 1F-B - 最寄駅
- 西武多摩湖線・一橋学園駅
- アクセス
- 駅から徒歩約30秒〜1分
- 営業時間
- 水・木・金曜 13:00〜17:00
2026年公開の店舗紹介に基づく。変更の場合あり。 - 定休日
- 土・日・月・火・祝日を基本とする案内。臨時変更あり。
- 主な商品
- 刺繍ワッペンキーホルダー、布小物、バッグ、洋服、生活雑貨、文具、手芸用品など
- 公式情報
-
公式プロフィール
公式ネットストア
公式Instagram
店舗の基本情報は公開資料をもとに整理しています。オンライン掲載商品の在庫と店頭在庫は同じとは限りません。営業日・商品・価格・体験内容は来店前にご確認ください。
460種類の向こうに見えてきた、母娘のものづくり
最初は、ほうれん草の刺繍キーホルダーが気になっていました。
なぜ、わざわざほうれん草を?
その答えを探しているうちに、2007年のフェルトのおままごと作品にたどり着きました。
そこから布小物やバッグへ、そして駅前の実店舗へ。
2022年には約460種類の刺繍ワッペンが新たなお店の顔になり、2024年には刺繍機の導入も記録されています。
一つのヒット商品だけで始まったお店ではなく、母娘で続けてきた小さなものづくりが、いくつもの形に変わってきたお店でした。
もちろん、460種類それぞれにどんな制作秘話があるのかは分かりません。
けれど、食べ物も標識も学校用品も、小さな作品の題材になることは分かりました。
そう考えると、最初のほうれん草も、単なる変わり種の雑貨には見えなくなります。
いつものスーパーで見かける野菜が、誰かの手仕事によって、持ち歩きたくなる小さな作品になる。
一橋学園の駅前には、そんな見方の変化を楽しめるお店があるのです。
今度ほうれん草を見かけたら、少しだけ根元の色まで気になってしまうかもしれません。
もちろん、買うのは野菜です。キーホルダーではありません。
でも、その違いを楽しめるようになったこと自体が、Kimamayaの刺繍の面白さなのかもしれません。
かわいい雑貨の世界を、もう一駅先へ
一橋学園で小さな手仕事の面白さを知ったら、今度は別の駅でも「かわいいもの」の見つけ方を比べてみると面白そうです。
参考資料・出典
情報確認日:2026年11月2日
店舗の公式プロフィールを一次資料として使用し、商品の具体例、制作工程、2026年時点の紹介内容については取材記事および地域観光情報で補足しました。
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Kimamaya T&K|ABOUT US
発行:Kimamaya T&K
2007年の活動開始、2016年の実店舗開業、2022年の約460種類の刺繍ワッペン、2024年の刺繍機導入、取扱商品の種類。
https://kimamayatk.com/about -
小平市・一橋学園の雑貨店『Kimamaya T&K』。シュールでかわいいワッペンキーホルダーの森に迷い込め!
発行:散歩の達人(交通新聞社)
公開・更新:2026年1月10日
具体的なワッペンの絵柄、店舗取材、所在地、営業案内。
https://san-tatsu.jp/articles/491897/ -
日々の生活に彩りを♪小さなシアワセが見つかるハンドメイドと雑貨の店
発行:小平市観光まちづくり協会/フラッとNAVI
母娘による店舗運営、商品開発、お客さんのリクエストから生まれたバッグの紹介。掲載された当時の営業情報は現在の案内として使用していません。
https://kodaira-tourism.com/spot/2072/ -
カスタマイズも楽しい!約500種類の可愛いワッペンキーホルダーがずらり。小平市「Kimamaya T&K」
発行:ことりっぷ
公開:2026年8月4日
約500種類という取材時の紹介、制作方法、カスタマイズ、取材当時の価格。
https://co-trip.jp/article/730883?page=1 -
Kimamaya T&K's STORE
発行:Kimamaya T&K
食品、雑貨、乗り物・標識、動物・鳥などの公式商品カテゴリー。
https://kimamayatk.com/
※約460種類は公式プロフィールに記された2022年の実績です。約500種類は2026年の取材記事による紹介であり、いずれも現在の全店頭在庫数を保証するものではありません。現地訪問や商品購入を行った記事ではなく、公開資料に基づく編集記事です。