
西武秩父駅|2026年11月6日深夜〜7日早朝
金曜日の夜が終わるころ、池袋駅から特急ラビューが出発する。
行き先は秩父。目的は、星空と雲海です。
ところが出発時刻は、なんと午前0時ちょうど。
終電を気にするような時間に、なぜわざわざ秩父へ向かうのでしょうか。
その答えを追いかけてみると、秩父の地形と秋の夜空、そして朝の冷え込みがつながってきました。
開催決定|申込受付は終了
「夜行ラビューで行く!秩父の絶景 ~星空観賞と雲海観賞の旅~」は、2026年11月6日(金)深夜から7日(土)朝にかけて開催予定です。
旅行代金は1名19,800円(税込)。ただし、ビクセンの公式発表では定員に達したため募集終了と案内されています。通常の特急券だけで参加できる企画ではありません。[1][2]
なぜ午前0時発? 夜行ラビューが狙う2つの絶景

夜行列車と聞くと、寝ている間に遠くの街へ運んでくれる列車を思い浮かべます。
ところが今回のラビューは、池袋駅を0時に出発して、西武秩父駅には午前1時27分ごろ到着します。
わずか約1時間半。車内でぐっすり寝るには、ちょっと短い旅です。
実は、このツアーの目的は車内で一夜を明かすことではありません。
深夜の星空と、夜明けの雲海。その両方を見るために、普通なら移動しない時間帯を使っているのです。[1]
午前2時ごろから星空を観賞し、明け方には雲海を目指す。夜行列車の目的が、移動そのものから自然観賞へ変わっています。
つまり、この列車は秩父へ向かうためだけでなく、秩父の空が変わる時間に間に合うための列車なのです。
では、星を見るのはなぜ深夜2時ごろなのでしょう。
午前2時の秩父。なぜ冬の星座を秋に見る?

11月上旬は、暦の上ではまだ秋。
しかし、夜空ではすでに冬の星座が存在感を増しています。
今回の星空観賞会では、総合光学機器メーカー「ビクセン」が協力し、望遠鏡や双眼鏡を使った観察と星空ガイドによる解説が予定されています。
注目されるのは、オリオン座やおうし座。冬の代表的な星座です。[2]
冬の星座なのに、なぜ11月に?
星座は、一年中ずっと同じ時間に同じ場所へ見えるわけではありません。
地球が太陽の周りを回るにつれて、夜に地球から見える宇宙の方向が少しずつ変わります。
そのため、冬の夜に見やすいオリオン座も、秋の深夜にはすでに空高く昇っているのです。
冬の星空が、ひと足早くやって来る。
そう考えると、午前2時という時刻にも意味が見えてきます。
もう一つの手掛かりは「月」
星空観賞で意外と重要なのが、月の明るさです。
満月に近い夜は月明かりによって空が明るくなり、淡い星が見えにくくなります。
今回の開催日は新月期にあたり、月明かりの影響が少ない夜空を楽しめるように日程が組まれています。[1]
夜なのに、明るすぎても困る。
星を見る旅ならではの、ちょっと面白い条件です。
ただし、新月期だから必ず満天の星が見えるわけではありません。雲の量や天候によって、観賞できる星は大きく変わります。
星空の次は雲海。秩父の街はなぜ雲に沈む?

星空を見終わったあとは休憩を挟み、午前6時ごろから秩父ミューズパークの展望台で雲海と日の出を目指します。
ここで少し不思議なのが、雲海という現象です。
雲は空に浮かんでいるはずなのに、秩父では街そのものが雲に包まれて見えることがあります。
なぜでしょう。
実は、雲海の正体は地表近くの霧
秩父市の観光案内によると、秩父は山々に囲まれた盆地です。
夜になると地面が冷え、その近くにある空気も冷やされます。このように地面から熱が逃げて冷える現象を「放射冷却」と呼びます。
空気が十分に冷え、水蒸気が小さな水滴になると、霧が発生します。
さらに盆地は風が弱く、冷たい空気や霧がとどまりやすい地形。
この霧を高い場所から見下ろすと、まるで街の上に白い海が広がっているように見えるのです。[3][4]
雲海は、秩父の街が雲の上に浮いているのではなく、盆地の底に霧がたまっている景色。
見る高さが変わることで、同じ霧が「雲の海」に見えるのです。
なるほど。では、なぜこのツアーは11月に開催されるのでしょうか。
11月は雲海の季節。でも、寒ければいいわけではない
秩父市の観光案内では、雲海が発生しやすい季節は春と秋で、特に11月がピークとされています。
熊谷地方気象台も、秩父盆地では10〜11月に朝霧が発生しやすいと解説しています。[3][5]
その理由は、秋の夜間に地表付近の空気が冷えやすいことと、盆地に霧がたまりやすいことにあります。
ただし、単純に寒ければ雲海が出るわけではありません。
秩父市が紹介している、雲海の発生しやすい条件は次のとおりです。
- 季節は春と秋、特に11月
- 明け方から早朝
- 朝に晴れていること
- 風が弱いこと
- 湿度が高いこと
- 前日に雨が降っていると、さらに発生しやすい
前日に雨が降り、翌朝は晴れて風が弱い。そんな条件が重なると、雲海に出会える可能性が高まります。[3]
雨が降ると星空は心配。でも、その雨が翌朝の雲海には有利になることもある。
同じ旅の中で、夜と朝では望ましい天気の条件が少し違うのです。
もちろん、条件がそろっても雲海が必ず発生するとは限りません。
雲海が、かつての秩父の海を思わせる?
秩父の雲海を調べていると、さらに意外な話につながります。
秩父には、大昔に本当の海が存在した時代がありました。
ジオパーク秩父の解説では、約1700万〜1500万年前、現在の秩父盆地周辺に「古秩父湾」と呼ばれる海が広がっていたとされています。[6]
今は山に囲まれた秩父に、昔は海があった。
これは少し想像が追いつきません。
もちろん、現在の雲海が古秩父湾の名残として発生するわけではありません。雲海は気象現象であり、古秩父湾は地質の歴史です。
それでも、白い雲海に覆われた盆地を見て、かつての海の姿を重ねることはできます。
ジオパーク秩父も、この景観を古秩父湾が現代によみがえったような眺めとして紹介しています。[6]
星空を見に出かけたはずが、最後には数千万年前の秩父まで想像することになる。
この旅、思った以上に時間のスケールが大きいようです。
夜行ラビューの行程は? 池袋から朝の温泉まで
今回のツアーは、深夜の列車移動、星空観賞、休憩、雲海観賞、温泉という流れです。
西武鉄道が案内する予定行程を整理しました。[1]
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11月6日(金)23:50まで池袋駅・特急ホームで受付
事前送付の乗車券で入場し、7号車乗車口前へ集合します。
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11月7日(土)0:00池袋駅を出発
所沢駅0:21、入間市駅0:33、飯能駅0:50ごろにも停車します。
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1:27ごろ西武秩父駅へ到着
貸切バスで秩父ミューズパークへ移動。バスは便により出発時刻が異なります。
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2:00〜4:00ごろ星空観賞会
ビクセンの望遠鏡や双眼鏡を使い、星空ガイドの解説を楽しみます。実際の屋外観賞は1時間程度の予定です。
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4:00〜5:30ごろ休憩・仮眠
PICA秩父のコテージホールで休憩します。寝具はなく、床に横になることはできません。
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6:00〜6:30ごろ雲海・日の出観賞会
秩父ミューズパーク展望台で、ネイチャーガイドの解説を聞きながら雲海と日の出を目指します。
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6:30ごろ以降祭の湯へ移動
貸切バスで西武秩父駅前温泉「祭の湯」へ向かいます。
ここで一つ注意したいのが、日付です。
池袋駅の発車は11月7日(土)午前0時。11月6日(金)の夜に集合するツアーなので、金曜日の午後11時50分までに受付を済ませる必要があります。
金曜日の終わりと土曜日の始まりをまたぐため、集合日を間違えないようにしたいところです。
参加費・予約・持ち物で気を付けたいこと
- 正式名称
- 夜行ラビューで行く!秩父の絶景 ~星空観賞と雲海観賞の旅~
- 開催日
- 2026年11月6日(金)深夜〜7日(土)
- 集合場所
- 西武線池袋駅 特急ホーム(7号車乗車口前)
- 途中乗車
- 所沢駅・入間市駅・飯能駅
- 旅行代金
- 1名19,800円(税込)。途中駅からの乗車も同額
- 主催
- 西武トラベル株式会社
- 企画協力
- 西武鉄道株式会社・株式会社ビクセン
- 申込状況
- 定員到達により受付終了(ビクセン公式発表)
- 天候対応
- 雨天決行・荒天中止。雨天時は屋内で星空解説講座を実施予定
防寒対策はかなり重要
11月の秩父で、午前2時と午前6時に屋外へ出る行程です。
日中の街歩きとは寒さが違います。西武鉄道も、深夜・早朝は大変冷え込むため防寒具を用意するよう案内しています。[1]
- 厚手の防寒着と重ね着できる服
- 手袋・マフラー・帽子などの防寒小物
- 歩きやすく、冷えにくい靴
- 必要に応じて使い捨てカイロ
- モバイルバッテリー
- 休憩時に使える小さなクッションなど
なお、PICA秩父コテージホールでは寝具の用意がなく、床に横になることもできません。
普段のホテル宿泊とは違い、短時間の休憩を挟みながら朝を迎えるツアーです。
星空と雲海は見られないこともある
このツアーで約束されているのは、星空と雲海の観賞を目指す行程であって、絶景そのものではありません。
曇りや雨で星が見えない場合も、霧が発生せず雲海にならない場合もあります。
雨天時の星空観賞は、屋内での星空解説講座へ変更される予定です。荒天の場合はツアー自体が中止となることがあります。[1]
自然を相手にする旅なので、天気だけは予約できません。
まとめ|午前0時のラビューには、ちゃんと理由があった
池袋駅を午前0時に出発するラビュー。
最初は、ずいぶん変わった時間に走る列車だと感じます。
けれども、その時刻には理由がありました。
月明かりの少ない秋の深夜に、冬の星座を観賞する。
そして、夜の冷え込みによって秩父盆地に生まれる霧を、夜明けの展望台から見下ろす。
空の上を見上げていた旅が、朝には足元に広がる雲の海を見る旅へ変わります。
さらに、かつて本当の海が広がっていた秩父の歴史まで知ると、目の前の景色にもう一つの時間が重なります。
夜行ラビューは、ただ夜遅く走る珍しい電車ではありません。
夜空と朝霧、その両方が見せる秩父の姿に出会うため、いつもと違う時間を走る列車。
次に昼間のラビューで秩父を訪れるときも、窓の外に広がる山々の向こうに、あの雲海が生まれる夜明けを想像してしまいそうです。
もう一つの秩父の夜へ
夜行ラビューの旅で見つけたのは、昼間とは違う秩父の表情。街の明かりを楽しむ夜の散策にも、別の秩父が待っています。
西武秩父駅|秋の夜散歩 秩父夜街 彩さんぽ2026秋|寺社と街を光で巡る 2026年11月15日までの金・土・日・祝日に開催。秩父神社や寺院、駅前など5エリアを彩るライトアップの見どころを紹介します。参考資料・出典
情報確認日:2026年11月2日。開催内容・運行時刻・募集状況は変更される場合があります。最新情報は主催者の案内をご確認ください。
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西武鉄道「夜行ラビューで行く!秩父の絶景 ~星空観賞と雲海観賞の旅~」
https://www.seiburailway.jp/sightseeing/eventcampaigninfo/unkaitour/
確認日:2026年11月2日 -
株式会社ビクセン「満天の星と雲海を満喫する大人気企画!」(2026年9月18日発表)
https://www.vixen.co.jp/post/260918k/
確認日:2026年11月2日 -
秩父市・秩父観光なび「絶景!!秩父の雲海(雲海カメラ)」
https://navi.city.chichibu.lg.jp/p_flower/10235/
確認日:2026年11月2日 -
埼玉県「雲海」美の山公園の解説
https://www.pref.saitama.lg.jp/b0504/minoyamakouen-top/unkai-h29.html
確認日:2026年11月2日 -
気象庁・熊谷地方気象台「埼玉県の気候の特徴」
https://www.jma-net.go.jp/kumagaya/shosai/chishiki/tokutyou.html
確認日:2026年11月2日 -
ジオパーク秩父「秩父の大地に眠る太古の海の物語」
https://www.chichibu-geo.com/story/sea/
確認日:2026年11月2日