
本川越・池袋|高校生がつくる埼玉のご当地カレー
池袋の試食投票でいちばん票を集めたカレー。その鶏肉は、川越の高校の鶏舎から来ました。[1][2][3]

高校生が考えたカレーと聞くと、まずは鍋の前で味を調える姿が浮かびます。川越総合高校の「タマシャモカレー」は、作り方をさかのぼると、まず卵をふ化させるところに行き着きます。ずいぶん早いところから始まるカレーです。[3][4]
2026年11月1日(日)、池袋のサンシャインシティで開かれた「第13回全国高等学校フードグランプリ」。初出場の川越総合高校は、イオン賞、キリンビバレッジ「365日、午後ティーライフ」賞、来場者賞の3賞を受賞しました。埼玉新聞が11月5日に報じた結果を手掛かりに、まずは試食の一口からたどってみます。[1][2]
試食で最多票。その一口で評判になったのは?

3賞のうち、来場者賞は会場の投票で最多票を得た学校に贈られる賞です。大賞の文部科学大臣賞は、実習船で生徒が釣ったカツオを商品にした愛知県立三谷水産高校へ。同じ噴水広場で、審査員が選ぶ大賞と、食べた来場者が票を入れる賞がそれぞれ決まりました。[1][2]
埼玉新聞が伝えたタマシャモカレーの評価は、スパイスのきいたルーと、鶏肉のしっかりした歯ごたえ。食べて分かる特徴に、ちゃんと商品名の「タマシャモ」が出てきます。[2]
タマシャモは、埼玉県の養鶏試験場が1984年に生み出した地鶏です。県の農産物ポータルも、歯ごたえとうま味を特徴に挙げています。ここまでは、埼玉の食材を選んだカレーの話。川越総合高校では、その鶏を学校で育てるところから手がけています。[3][5]
鶏舎までさかのぼると、なぜか紅茶が出てきた

埼玉新聞の出荷取材によると、川越総合高校の選択授業では、2年生が卵をふ化させて餌をやり、3年生が商品開発や販売に携わります。タマシャモは、ふ化から出荷まで約5カ月。カレーの試作より手前に、鶏の世話を続ける授業があるわけです。[3]
では、何を食べさせて育てるのでしょう。そこで登場するのが、狭山工業高校が開発した和紅茶「狭紅茶(さこうちゃ)」です。県教育委員会によると、川越総合高校の生徒は、紅茶をいれたあとの茶殻を鶏の餌に混ぜ、育ち方や肉の味を調べました。その鶏を使い、企業と協力してカレーを開発しました。[4]
カレーと紅茶が並ぶなら、まず飲み物を思い浮かべます。ここで紅茶が登場するのは、ずっと手前の鶏の食事です。農林水産省の事例資料は、茶殻や廃棄される茶葉を使うことで、食品ロスの削減にもつながったと紹介しています。[6]
カレーの審査で、どうして「箱にするといい」?

もう一つ、池袋の審査で意外な話が出ました。埼玉新聞によると、審査員からは、量販店の棚に並べやすいようにパッケージを箱にする案が出たそうです。カレーを食べ比べる大会で、話は売り場の棚まで進みます。[2]
主催者が設けた審査項目は7つ。味や独自性に加え、名前やパッケージ、価格、店まで運んで売りやすいか、地域にどんな効果があるか、そして発表も審査の対象でした。一口の味から始まって、手に取ってもらえる商品になっているかまで見る大会だったのです。[1]
そのパッケージにも、別の学校の仕事がありました。絵を手がけたのは蓮田特別支援学校の生徒。入間わかくさ高等特別支援学校の生徒も包装や販売に関わり、同校の「カフェわかくさ」では川越総合高校が育てたタマシャモを使うカレーを提供してきました。鶏を育てる人、絵を描く人、包んで届ける人。袋の表と中身で、違う学校の仕事が出会っています。[2][6][7]
タマシャモカレーはどこで買える?
2026年11月6日時点で、受賞したレトルト商品の常設販売先と現行価格は確認できていません。埼玉新聞が伝えた県内の道の駅での販売は、大会で生徒が語った今後の目標です。[2]
過去には甘口と中辛が作られ、県庁オープンデーや地域イベントに登場しました。狭山工業高校の2024年の文化祭案内では、レトルトが数量限定で1個300円でした。[4][8]
店内で食べるカレーを提供してきた「カフェわかくさ」は、2026年11月の営業案内で、カレーセットの販売を2学期いっぱい休止すると案内しています。[7][9]
池袋の噴水広場では、どんな一日だった?
伊藤忠食品が主催した本選は、2026年11月1日(日)にサンシャインシティ アルパ地下1階の噴水広場で開催されました。応募は部門を合わせて60校・169商品。商品開発部門では、書類・試食・品質の審査を経た6校6商品が池袋に集まりました。[1][10]
11月1日のプログラム
開催終了。時間は主催者の開催報告に掲載されたものです。[1]
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 10:00〜12:00 | 本選出場商品の試食・販売 |
| 13:00〜14:30 | 商品開発部門のプレゼンテーション審査 |
| 13:00〜17:00 | 本選出場商品の販売 |
| 15:00〜15:30 | 専門学校2チームによる販売促進アイデアの発表 |
| 16:00〜17:00 | 商品開発部門の表彰式 |
カレーとカツオのほかに並んだのは、北海道留萌高校の「カズチー親子ふりかけ」、福島県立喜多方高校の「きせ菊のMix」、愛知県立愛知商業高校の「とろ蜜ショコラ」、長崎県立佐世保南高校の「佐世保南高生が作った 佐世保みかんポン酢」。それぞれの学校が、地元の食材をどんな形で届けるかを競いました。[1][10]
写真・動画でたどる、池袋の本選と川越での取り組み
- 埼玉新聞 生徒の本選プレゼンの写真と、試食の評価や審査員の助言を読めます。11月5日の記事へ
- YouTube 埼玉県産業教育フェアの地域連携動画に、川越総合高校の「タマシャモプロジェクト」が掲載されています。動画の掲載ページへ
- 大会公式YouTube 主催者が本選ステージの配信先として案内したチャンネルです。11月2日の開催報告では、大会ダイジェストを後日配信予定としています。[1][12] 大会公式チャンネルへ
- Instagram 川越総合高校が、校内で飼育しているタマシャモのアカウントとして案内しています。[13] タマシャモのInstagramへ
- Facebook 大会公式サイトから案内されている大会アカウントです。[14] 大会のFacebookへ
Xの受賞報告の個別投稿と、第13回本選の視聴用アーカイブは、11月6日時点で公開先を特定できませんでした。
池袋の一口をたどると、川越の鶏舎に戻る
試食で票を集めた、あの歯ごたえ。そこからさかのぼると、川越で卵をふ化させる授業があり、狭山から届く紅茶の茶殻がありました。袋の表に目を移せば、蓮田の生徒が描いた絵もあります。
「タマシャモカレー」という名前の真ん中にいたのは、川越の生徒が何カ月も世話をした鶏です。池袋で出された一口を作り始めた場所は、レシピの1行目よりずっと手前にありました。
次の一話
食べ物が育った場所と、それを受け取る売り場。川越と池袋には、その両方をもう少しのぞける話があります。
参考資料
情報確認日 2026年11月6日
- 伊藤忠食品「第13回全国高等学校フードグランプリ 受賞校決定」(2026年11月2日、PDF) 受賞結果と開催報告
- 埼玉新聞「川越総合高の『タマシャモカレー』が全国高校フードGPで3賞」の報道(2026年11月5日) 記事全文
- 埼玉新聞「川越総合高校のタマシャモ出荷」の報道(2026年2月) 記事全文
- 埼玉県教育委員会「県教委だより第745号」川越総合高校「タマシャモプロジェクト」(2025年3月21日) プロジェクト紹介
- 埼玉県「鶏肉(彩の国地鶏タマシャモ)」 埼玉農産物ポータルサイト
- 農林水産省「ノウフク・アワード」事例資料「埼玉県立川越総合高等学校」(PDF) 連携の事例資料
- 埼玉県立入間わかくさ高等特別支援学校「生産現場レポート!」(2026年10月7日) 2026年10月の給食日誌
- 埼玉県立狭山工業高等学校「狭工祭」の販売案内(2024年) 広報ブログ
- 埼玉県立入間わかくさ高等特別支援学校「カフェわかくさ 11月の営業日について」(2026年10月22日) 営業案内
- 伊藤忠食品「第13回全国高等学校フードグランプリ 商品開発部門 本選進出6校が決定」(2026年8月31日、PDF) 本選進出校の発表
- 埼玉県産業教育フェア「地域連携動画」 川越総合高校「タマシャモプロジェクト」の動画掲載ページ
- 伊藤忠食品「第13回全国高等学校フードグランプリ」開催・ライブ配信案内(2026年10月15日) 大会公式の配信案内
- 埼玉県立川越総合高等学校「本校で飼育しているタマシャモのインスタグラム」の案内 学校公式サイト
- 伊藤忠食品「全国高等学校フードグランプリ」 大会公式サイトとFacebook案内