
昼は、だしに浮かぶふわふわの豆腐。夜は、ボロネーゼ。同じ住所なのに、ずいぶん思い切ったメニュー替えです。
2026年11月5日公開の池袋タイムズが訪ねたのは、東長崎駅北口から徒歩約1分のゆし豆腐専門店「未来豆富」。同記事で案内している営業は土曜の12:00〜16:00です。夜のボロネーゼは、取材当日に同じ店先で営業した別のお店。ここは、曜日と時間帯で店が入れ替わるシェアキッチン「KoGe(コゲ)東長崎」です。[1][2]
曜日と時間が分かれば、どの店に会えるかも分かる。では、土曜の昼にこの場所で、沖縄の豆腐が食べられるようになったのはなぜでしょう。

八百屋の跡で、土曜の昼だけ店を開く

KoGeができる前、この場所には長く続いた八百屋がありました。運営側の取材によると、細長い建物を生かして、通りに面した販売用と、奥の仕込み用に厨房を分けたそうです。手前で一軒が営業する間、奥では別の人が仕込みをでき、夕方には手前の店も交代します。[3]
この仕組みなら、自分の屋号で週に一度、決まった時間に店を出せます。未来豆富が2025年5月に始めたのが、土曜の昼の営業でした。出店の前に店主の未来(みき)さんが探していたのは、まずは場所を借りて、作った豆腐をお客さんに食べてもらえる機会でした。[2][4]
一杯の始まりは、町の豆腐屋で買った豆乳
未来さんは沖縄育ち。シェアキッチン運営元のインタビューでは、江古田に移り住んだあと、コロナ禍で帰省が難しくなり、沖縄で当たり前に食べていた豆腐が恋しくなったと話しています。最初は町の豆腐屋で豆乳を買い、家で作ってみたそうです。[4]
何度試してもうまくいかず、沖縄の豆腐屋に手紙を書き、やがて糸満で昔から食べていた豆腐を作る職人に教わりました。家族のために始めた試作が、ほかの人にも食べてもらいたい一杯になり、夫のマサヒロさんの後押しを受けて借りられる場所を探し、たどり着いたのがKoGeでした。[4]
それにしても、豆腐屋から持ち帰ったのは豆乳。探していた味を知るには、豆腐が四角くなる手前まで、話を戻す必要がありました。
四角くなる手前がおいしい。ゆし豆腐ってどんな豆腐?

沖縄のゆし豆腐は、豆乳に、豆腐を固めるための「にがり」を加え、豆腐がふわっとまとまり始めたところを味わうもの。型に入れて押し固める前なので、汁の中にやわらかな豆腐が浮いています。沖縄では汁物としても食べられています。[5][6]
取材時の店頭メニューには、国産大豆を生の状態で搾った豆乳に、にがりと塩を加えて作る「ゆしどうふ」と、カツオが効いた沖縄そばのだしで味わう「うちなーだし」が並びます。後者にはねぎとしょうがも。そばのだしと聞くと麺を探したくなりますが、この一杯の主役は、すくうたびに形が変わる豆腐です。[1]
だしの隣に、白っぽいいなりとスコーン

池袋タイムズが注文したのは「うちなーだし」と「うちなーいなり」。合わせて650円でした。いなりの揚げは醤油を使わないさっぱりした味付けで、未来さんが沖縄の高校に通っていた頃、部活の差し入れでおなじみだった味だそうです。[1][4]
豆腐屋でスコーン? と手が止まりますが、おからスコーンのもとは、未来さんが娘さんの保育園に持たせるために作っていたおやつ。豆腐といなりとスコーンがひとつの店に並ぶ理由は、メニュー表を眺めるより、店主が何を食べ、何を作ってきたかをたどるとよく分かります。[4]
| メニュー | 価格 |
|---|---|
| ゆしどうふ | 450円 |
| うちなーだし | 500円 |
| うちなーいなり | 150円 |
| もずくたぬき | 280円 |
| さんぴん茶 | 100円 |
| ラクサゆし豆富 | 820円 |
| スコーン(琉球シナモン・豆乳チャイ) | 400円 |
| スコーン(月桃とじーまーみー) | 450円 |
| スコーン(沖縄小麦とピスタチオとホワイトチョコ) | 490円 |
もずくたぬきは、もずくを昆布風味のだし、しょうが、揚げ玉と一緒に味わう一品。ラクサやスコーンも含め、品ぞろえや価格は取材時点のものです。
未来豆富への行き方と営業時間
2025年の運営元インタビューには13:00開店の案内も残っています。訪問前に未来豆富のInstagramやKoGe東長崎のInstagramで、その週の営業をご確認ください。[3][4]
写真で見るなら池袋タイムズ、テレビでは『アド街』
- 池袋タイムズの訪問記事。2026年11月5日公開。店内とメニューの写真に加え、うちなーだしの澄んだ汁や、うちなーいなりの淡い色も写真で見られます。
- テレビ東京『出没!アド街ック天国』東長崎編。2026年5月23日放送。15位の「KoGe 東長崎」の中で、時間帯によって店が入れ替わる仕組みと未来豆富が紹介されています。[7]
- U! シェアキッチンの店主インタビュー。沖縄の職人に教わってから開店するまでと、いなりやスコーンが生まれた経緯を、未来さん本人が語っています。
土曜の昼、あの店先が「未来豆富」になる
昼は豆腐で、夜はボロネーゼ。八百屋が一軒あった場所で、池袋タイムズの取材日には、一日のうちに二軒の店が開きました。
土曜の昼、その店先に立つのは、沖縄の豆腐が恋しくて、家で豆乳を鍋にかけた人です。「未来豆富」の「未来」は「みき」。土曜の昼にだけこの住所に重なる、店主の名前です。[1][4]
東長崎の南口へ、もうひと歩き
北口で土曜の一杯を知ったら、反対側へ。南口には、自家製麺の店や、マンガ家たちの食事の記憶が残る町中華があります。
参考資料
情報確認日 2026年11月6日
- 池袋タイムズ「【東長崎】土曜限定のゆし豆腐専門店『未来豆富』に行ってきた!」(2026年11月5日。掲載の店頭メニュー写真を含む)
- U! シェアキッチン(株式会社ツキヒ)「シェアキッチン『KoGe 東長崎』」
- U! シェアキッチン「街に関わる人を増やしたい!東長崎にシェアキッチンができるまで」(2026年9月1日)
- U! シェアキッチン「うちなーとうふと夫婦の物語」(2025年8月8日)
- 農林水産省「うちの郷土料理 沖縄県」
- 沖縄観光コンベンションビューロー「沖縄独特の食文化ってどんなもの?」
- テレビ東京『出没!アド街ック天国』「15位 KoGe 東長崎」(2026年5月23日放送)