
稲荷山公園駅 | 第37回さやま大茶会
エミパーク狭山稲荷山の会場図を開くと、芝生の広場に赤い傘の印が11個。駅前の公園に、どうしてこんなに茶席が並ぶのでしょう。茶会と聞いて服装から考え始めた方も、ここでは普段着で大丈夫です。[1] [2]
屋外でお茶をいただく「野点(のだて)」なら、公園を歩く途中で一服できます。しかも、そこで味わう狭山のお茶には、新潟から来るものが一つ。茶葉と並んで、湯を沸かす前の水にも、この茶会ならではの来歴があります。[3] [5]
2026年11月8日(日)10:00〜15:00、雨天決行。当日券は9:30から会場本部で若干数を販売します。公園の入園は無料、茶席は1席700円です。[1] [7]
前売りは紙券のみ。市の11月2日付の案内では、電子販売は当日までに復旧しない見込みです。すでに電子券を買った方は、当日、本部で購入者名と購入枚数の確認を受け、紙の茶席券を受け取ります。[1] [2]
どうして、芝生が茶会の会場になった?

きっかけは、1989年に埼玉県で開かれた国民文化祭でした。当時の市長・大野松茂さんは、市の広報のインタビューで、狭山が茶の産地であることに加え、地元に煎茶道の流派があり、芝生や松、桜がある稲荷山公園を会場にできることも、茶席を誘致する理由に挙げたと振り返っています。[4]
文化祭の茶席を機に、狭山ならではの茶会を続けていくことに。大野さんは、開放感のある野点なら、茶室では少し身構える人も入りやすいと考えていました。芝生の広さは、何席も並べられるだけでなく、初めての人が一歩を踏み出しやすいという点でも、この茶会に合っていたんですね。[4]
赤い傘が11個。どこでも抹茶が出る?

会場図の番号を追うと、抹茶が9席、玉露が2席。玉露を出すのは、②の煎茶道方円流埼玉支部と、⑪の煎茶道 入曽煎茶道倶楽部です。地図に赤い傘がずらりと並ぶので、つい全部、抹茶だと思ってしまいそうです。[2] [3]
今回の抹茶は「明松(みょうしょう)」、玉露は「伊利麻路(いりまじ)」。抹茶は粉にした茶葉を湯に混ぜて点て、玉露は茶葉に湯を注いで成分を引き出します。抹茶を点てる手元と、玉露を淹れる手元。お茶を受け取るまでの動きも、席を選ぶ楽しみの一つです。[2] [3]
市の広報によると、茶会を続けるなかで地元の抹茶を作ろうという話が持ち上がり、「明松」が生まれました。「伊利麻路」の名は、万葉集に出てくる「入間道」にちなんだそうです。公園の茶会をたどると、茶席に出るお茶そのものの話に行き着きます。[4]
会場図の番号で11の茶席を見る抹茶9席 ①杜の風男の会、③狭山台中学校茶道部、④山本宗弘、⑤後藤智芳、⑥松本宗康、⑦狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校茶道部、⑧村栄仙恵、⑨慈風会、⑩狭山経済高等学校茶道部
玉露2席 ②煎茶道方円流埼玉支部、⑪煎茶道 入曽煎茶道倶楽部。会場図の⑫は、箏(こと)・三絃(さんげん)・尺八を演奏する狭山市三曲連盟の場所です。[2]
茶葉は狭山。では、なぜ水は新潟から?

茶席に使うのは、新潟県津南町(つなんまち)の「龍ケ窪(りゅうがくぼ)の水」。市の説明をたどると、茶会より先に出てくるのは、意外にもスポーツです。狭山市のスポーツ団体がたびたび津南町を訪れたことが交流のきっかけで、両市町は1997年に友好交流都市になりました。[1] [5]
春には津南町の人が狭山に来て茶摘みを体験し、秋の大茶会には津南から水が届きます。春に人が茶畑へ、秋には水が茶席へ。会場にある津南町の物産展も、この一杯と同じ交流から来ていると知ると、売り場にも立ち寄りたくなります。[5] [6]
11月8日の回り方。本部から茶席、博物館へ
- 9:30|当日券の販売開始。稲荷山公園駅の北口から公園へ。会場図では、正門から入ってすぐの側に本部があります。当日券を買う方も、購入済みの電子券を引き換える方も、まず本部へ。[1] [2] [7]
- 10:00|開会。午前は茶席を先に。席の案内や待ち時間を本部で確認して、抹茶か玉露へ。玉露の②はキッチンカーエリア寄り、⑪は本部寄りです。初めてなら、席の案内に沿って一服するところから。[1] [2]
- お昼前後|手揉み茶の実演や物産展へ。狭山市手揉み茶保存会の実演では、茶葉を手で揉む工程を見られます。入間川菓子製造組合の和菓子、狭山碾茶工房 明日香の抹茶などの販売も予定。狭山市茶業協会のブースには試飲、煎茶・玉露、煎茶とほうじ茶のチョコレートが案内され、狭山茶スタンプラリーの来店スタンプも設置されます。[1] [8]
- 午後|博物館側へ。大茶会は15:00まで。狭山市立博物館の研修講義室ではいけばな展。会場図には、博物館の「さやまっ茶プリン」販売と、隣のキッチンカーエリアも載っています。和楽器の演奏を聴きたい方は、先に本部で⑫の演奏時間を確認しておくと回りやすくなります。[1] [2]
9:30の当日券販売と10:00〜15:00の開催時間は主催者発表です。午前・お昼前後・午後の回り方は編集部の一例です。実演・演奏の個別時刻、キッチンカーの店名・メニューや物販価格は、当日の案内をご確認ください。
- 会場
- エミパーク狭山稲荷山(県営狭山稲荷山公園)
埼玉県狭山市稲荷山1-23-1 - 前売り窓口
- 狭山市役所2階・自治文化課内の実行委員会事務局。チラシ記載は土日祝を除く9:00〜16:30、現金のみ。開催前に窓口で買う場合は、11月6日(金)の取扱い・残券を事務局へご確認ください。
- アクセス
- 西武池袋線・稲荷山公園駅北口から公園まで徒歩約1分(西武鉄道案内)。西武新宿線・狭山市駅からは西口4番のりばで「稲荷山公園」行きに乗り、終点下車。主催者は車での来場を控えるよう案内しています。
- 問い合わせ
- 実行委員会事務局 04-2937-5749
11月8日当日の連絡先 080-3720-0641
主催はさやま大茶会実行委員会と狭山市。茶席番号と本部の位置は、公式チラシの会場図(PDF)で確認できます。チケットの最新案内は市の開催ページをご覧ください。[1] [2] [7]
茶席の雰囲気を、過去の映像と参加レポートで
- YouTube|狭山市観光チャンネル(2016年公開) 屋外の茶席がどんな雰囲気か、過去の大茶会を紹介する映像で予習できます。「狭山市 狭山稲荷山公園 さやま大茶会」を見る[9]
- 参加レポート|狭山ヶ丘高等学校・同付属中学校(2025年) 雨の第36回で、部員が足元に気を配りながら席を設営し、高校1年生が初めてお点前を披露した様子が写真とともに紹介されています。茶道部のレポートを読む[10]
赤い傘の下で、狭山と津南が一杯になる
もう一度、会場図の赤い傘を見てみます。同じ印の下で、ある席では地元の中学生が抹茶を点て、別の席では入曽の倶楽部が玉露を淹れる予定です。そこへ津南の水が届きます。[1] [2]
普段は散歩の途中で通り過ぎる芝生に、この日は、町の外からも中からも、一杯のお茶を作る人が集まります。駅前で赤い傘を見かけたら、その下のお茶がどこから来たか、少し思い浮かべてみたくなります。

芝生のその先へ、狭山茶のその先へ
茶席のあとは、同じ芝生をもう少し歩くか、今度はお茶を作る人のほうへ。