
「花と光のムーブメント」。そう聞くと、色とりどりの花壇が光り輝く景色を想像します。
ところが、多摩湖のそばにある狭山公園で、2025年に光を浴びた主役は、なんとススキでした。
秋の野原で風に揺れている、あのススキです。
豪華な花壇でも、きらびやかなクリスマスツリーでもありません。昼間なら何気なく通り過ぎてしまう草が、夜になると白銀色の景色をつくり出す。そんな催しが行われたのです。[2]
そして2026年11月、狭山公園で再び「花と光のムーブメント」が開催される予定です。
なぜ、花のイベントでススキだったのでしょう。そもそも、なぜ多摩湖のそばの公園なのでしょうか。
調べていくと、夜のライトアップだけでは見落としてしまいそうな、この公園ならではの魅力が見えてきました。
開催日:11月14日(土)・15日(日)、21日(土)・22日(日)・23日(月・祝)の計5日間。
会場:都立狭山公園(東京都東村山市・東大和市)。
最寄駅:西武多摩湖線「多摩湖駅」「武蔵大和駅」。
注意:2026年の個別演出・点灯時間・プログラム詳細は、2026年10月28日時点で確認できた公式情報では未発表です。この記事では前年の内容と区別して紹介します。[1]
花のイベントなのに、なぜススキが主役だった?

まずは、このイベントの名前から考えてみましょう。
「花と光のムーブメント」は、一つの公園だけで行われる催しではありません。東京都が都立公園を舞台に、四季の花や植物と光を組み合わせ、公園の新しい楽しみ方を届ける取り組みです。
実施する公園や季節によって、主役になる植物や演出も変わります。[1]
つまり、「花と光」という名前だからといって、どの会場にも同じ花畑が登場するわけではないのです。
ここが最初の手掛かり。
2025年、狭山公園で掲げられたテーマは「音と遊びときらめきの花 ススキと光のハーモニー」でした。
光の演出が行われたのは、風の広場やススキ原っぱ、その周辺の園路。秋のススキをライトで照らすことで、風に揺れる穂が白銀色にきらめく景色をつくりました。[2]
ススキは、花びらの鮮やかさを競う植物ではありません。
けれど、細かな穂が光を受ければ、一本ずつの輪郭が浮かび上がります。しかも、風が吹けば形も変わる。
ライトアップされているのに、同じ形では止まってくれないのです。
これは、飾りをたくさん置くだけでは生まれない景色です。
でも、そうなると別の疑問が出てきます。そもそも、なぜ狭山公園には、そんな秋の草原が広がっているのでしょう。
ススキの向こうにある、多摩湖の意外な役割

狭山公園を地図で見ると、その位置が少し独特です。
公園が広がるのは、多摩湖の東側。湖と公園の間には、大きな堤防があります。
そして、多摩湖の正式な施設名は「村山貯水池」。東京の水道を支えるための貯水池です。自然の湖に見える景色の背後に、都市の暮らしを支える水の施設があるわけです。[3]
ところが、堤防の反対側に広がる狭山公園には、武蔵野の里山の風景が残されています。
雑木林、芝生の太陽広場、木々に囲まれた宅部池(たっちゃん池)。桜の季節には花が咲き、秋にはモミジなどが色づきます。[3]
片側には、人が造った大きな貯水池。もう片側には、季節に合わせて表情を変える草原と森。
なかなか面白い隣り合わせです。
2025年の演出では、この公園の自然そのものを見せる場所として、ススキ原っぱが選ばれました。
つまり、どこにでも設置できるイルミネーションではなく、その場所にもともとある秋の景色を利用した光の演出だったのです。[2]
なお、2025年に案内されたライトアップの中心は風の広場・ススキ原っぱ・周辺園路であり、多摩湖の水面全体をライトアップする催しという意味ではありません。
多摩湖の眺望と公園の光の演出は、場所を区別して楽しみたいところです。
光を見るだけなのに、なぜ音楽やランタンまで登場した?

ススキを照らすだけでも、十分に秋らしい光景になりそうです。
でも、2025年の狭山公園は、それだけでは終わりませんでした。
当時のコンセプトは、「自然を“みる・きく・感じる”」こと。
園内では演奏会が行われ、楽器や灯りをつくるワークショップも実施されました。制作したランタンを灯して園内を歩く体験や、地域の店舗が参加するマルシェも用意されていました。[2]
ここで、少し理解が変わります。
最初は「ライトアップされた景色を見るイベント」だと思っていました。
ところが、狭山公園で目指されていたのは、景色の中を歩き、音を聞き、自分も光を持ちながら楽しむ体験だったのです。
2025年には、ススキの大きなオブジェとともに園内を歩く参加型パレードも企画されました。歌の名前は「ス・スキのうた」。
ススキへの愛情が、なかなか全力です。
ただし、ここまで紹介した音楽、パレード、ランタンづくり、マルシェは2025年の開催内容です。2026年にも同じ企画が実施されると決まったわけではありません。
それでも、前年の内容を知ると、この催しが単なる電飾イベントとは少し違うことが分かります。
公園にあるものを、いつもとは違う方法で体験してみる。その発想が、光と音楽を一つにつないでいたのでしょう。
2026年はなぜ5日間?今年の開催情報を整理
では、今年はどうなるのでしょうか。
2026年の公式スケジュールで発表されている狭山公園の開催日は、次の5日間です。
15日(日)
〜23日(月・祝)
11月16日(月)〜20日(金)は、発表済みの開催日に含まれていません。「14日から23日まで毎日開催」というわけではないので注意が必要です。[1]
ちなみに2025年は、11月7日〜24日のうち金・土・日・祝日の計10日間に開催され、点灯時間は16時30分〜19時でした。[2]
2026年は公表されている日数が5日間と短くなっています。ただし、その理由について公式な説明は確認できません。
また、今年の点灯時間や具体的な演出内容も、2026年10月28日時点で確認できた公式ページには掲載されていません。
昨年の写真やプログラムを見ると期待が膨らみますが、そこは今年の確定情報と分けておきましょう。
実は、2026年は5周年の節目
もう一つ、今年ならではの手掛かりがあります。
「花と光のムーブメント」は2026年度に5周年を迎え、複数の都立公園を巡るデジタルスタンプラリーが実施されています。
対象は、舎人公園、葛西臨海公園、小金井公園、日比谷公園、狭山公園、木場公園の6公園。
それぞれの開催期間中に3公園でスタンプを集めると、先着でオリジナル手ぬぐいがプレゼントされます。スタンプ取得にはアプリ「furari」が必要で、手ぬぐいの配布は対象会場で行われます。[5]
つまり、狭山公園の秋の催しは、都内各地の公園で展開される一つの大きな企画にもつながっています。
春の花、秋の草原、別の公園の水辺や森。
同じ名前のイベントでも、場所が変われば違う自然の表情に出会える。そんな仕組みになっているのです。
夜の狭山公園へ行く前に、知っておきたいこと
さて、イベントの仕組みが分かったところで、実際に訪れるための情報も確認しておきましょう。
- イベント名
- 花と光のムーブメント 狭山公園 2026
- 開催予定
- 2026年11月14日(土)・15日(日)・21日(土)・22日(日)・23日(月・祝)
- 会場
- 都立狭山公園
- 所在地
- 東京都東村山市多摩湖町3-17-19
- 最寄駅
- 西武多摩湖線「多摩湖駅」「武蔵大和駅」から公園まで徒歩約3分(公園公式の目安)
- 料金
- 狭山公園の通常入園は無料。2026年イベントの個別プログラムの参加費は詳細発表を確認してください。
- 点灯時間
- 2026年分は詳細発表待ち。参考:2025年は16:30〜19:00でした。
- 駐車場
- 無料71台、利用時間5:30〜18:00。18時以降は翌朝まで出庫できません。
- 公式案内
- 花と光のムーブメント公式サイト
交通案内、駐車場、通常入園の情報は狭山公園の公式ページを参照しています。会場内のイベントエリアまでの距離は入口によって異なります。[3]
正門は工事のため通行禁止
狭山公園の2026年7月1日付のお知らせでは、外構整備工事により正門が2027年1月頃まで通行禁止となり、桜口またはカエデ口を利用するよう案内されています。イベント当日の入口指定や変更についても、事前に最新情報をご確認ください。[4]
駐車場は18時に閉まります
こちらは特に大切です。駐車場は自動ゲートのため、18時を過ぎると翌朝まで出庫できません。2025年のように夜間の点灯が行われる場合、車を停めたまま最後まで鑑賞できるとは限りません。
公共交通機関を使い、夜間は多摩湖駅側からのアクセスを検討するのがおすすめです。2025年のイベント案内でも、武蔵大和駅側から会場へ向かう夜道は暗いとして、多摩湖駅の利用を勧めていました。[2]
子どもと一緒に行く場合は?
通常の狭山公園には芝生や雑木林、池などがあり、昼間の散策も楽しめます。
ただし、夜のイベントでは足元の見え方が変わります。園路の段差や落ち葉に注意し、歩きやすい靴と羽織るものを用意しておくと安心です。
また、2025年に開催された親子向けワークショップの実施内容や参加条件が、2026年もそのまま適用されるわけではありません。
今年のプログラムを確認してから、参加したい体験を選ぶとよいでしょう。
同じススキでも、夕方と夜では違う景色になる
ここまで調べると、最初の疑問に戻ってきます。
花と光のムーブメントなのに、なぜススキだったのか。
2025年の狭山公園が見せたのは、花壇の豪華さではありませんでした。
もともとそこにある秋の草原に光を加え、普段なら目立たない一本一本の穂や、風に揺れる動きを見せること。
そして、音楽や手づくりの灯りを組み合わせることで、来場者自身もその風景の中を歩くという体験です。
多摩湖の堤防のそばにある、静かな草原。
昼間はただの秋の景色に見えても、光の当て方が変われば、まったく違う一面が現れます。
派手なものを新しく持ち込まなくても、すでにあるものの見せ方を変えれば、いつもの場所は新鮮に見える。
そんなことを教えてくれる、前年のススキのライトアップでした。
2026年の狭山公園では、どんな景色が用意されるのでしょうか。
今年の演出はまだ詳しく発表されていません。それでも、開催が予定される11月の多摩湖畔には、草木が秋の表情を見せる公園があります。
もしその景色に再び光が加わるなら、何気なく見ていた植物が、また違う姿を見せてくれるかもしれません。
次に狭山公園でススキを見かけたら、少しだけ足を止めてみたくなります。
あの細い穂が、夜にはどんな光を受け止めるのだろう、と。
光のない時間にも、多摩湖の続きを歩いてみる
参考資料・公式情報
- 「花と光のムーブメント」2026年度開催スケジュール 公益財団法人東京都公園協会 https://www.tokyo-park.or.jp/special/flowerandlight/ 確認日:2026年10月28日
- 2025年「花と光のムーブメント 狭山公園 ~音と遊びときらめきの花 ススキと光のハーモニー~」 東京都・公益財団法人東京都公園協会/2025年開催分の記録 https://www.tokyo-park.or.jp/special/flowerandlight/sayama2025autumn/index.html 確認日:2026年10月28日
- 狭山公園について|公園概要・アクセス・駐車場 狭山丘陵の都立公園(狭山丘陵パートナーズ) https://sayamaparks.com/kouen/about-sayama/ 確認日:2026年10月28日
- 狭山公園 外構工事に伴う正門封鎖について 狭山丘陵の都立公園/2026年7月1日発表 https://sayamaparks.com/news/news-3842/ 確認日:2026年10月28日
- 2026年「花と光のムーブメント」5周年スタンプラリーの案内 公益財団法人東京都公園協会/小金井公園「秋彩ものがたり」公式ページ内 https://www.tokyo-park.or.jp/special/flowerandlight/koganei2026autumn/index.html 確認日:2026年10月28日
記事情報確認日:2026年10月28日。2026年の開催日程は公式発表に基づきます。2025年の実施内容は前年の参考情報として記載しており、2026年の実施を保証するものではありません。天候・工事・運営上の都合による変更もあるため、お出かけ前に公式の最新情報をご確認ください。