
本川越駅と新河岸川|洪水・内水氾濫のリスクと大雨時の注意点
西武新宿線の終点・本川越駅がある川越の街は、江戸時代から新河岸川と深いつながりを持ってきました。 ただし、「川越に新河岸川がある=本川越駅のすぐ横を川が流れ、駅がそのまま洪水危険区域」という意味ではありません。 川越市の洪水ハザードマップでは、本川越駅周辺は新河岸川沿いの低地とは位置関係が異なります。一方、大雨では川の氾濫だけでなく、下水や水路から水があふれる内水氾濫にも注意が必要です。
川越市・埼玉県・国土交通省・西武鉄道などの公開情報を確認しています。 洪水や内水氾濫の範囲は地点ごとに異なるため、自宅・職場・学校などの正確な場所は川越市の最新ハザードマップで確認してください。
川越市の洪水ハザードマップを見ると、新河岸川沿いには浸水想定区域がありますが、本川越駅そのものは川沿いの低地から離れています。 一方、川越市は内水ハザードマップも別に公開しています。短時間の激しい雨では、河川から離れていても道路冠水などが起こる可能性があります。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
西武新宿線の終点で駅周辺に市街地が広がる
日常の買い物
川越市の洪水ハザードマップで地点ごとの確認ができる
外食・カフェ
内水ハザードマップも公開されている
子育て環境
水害時の指定緊急避難場所が周辺に複数ある
自然・散歩
川越と新河岸川には舟運を中心とした長い歴史がある
地域のにぎわい
大雨時は道路冠水など河川氾濫以外のリスクにも注意が必要
#01 本川越駅と関係する川は「新河岸川水系」
本川越駅の住所は埼玉県川越市新富町1丁目22。 西武鉄道の西武新宿線の終点です。
川越の中心市街地と深い関係を持つ河川の一つが新河岸川です。 ただし、本川越駅のホーム横を新河岸川が流れているわけではありません。 「本川越駅の記事で確認しておきたい水系」として新河岸川水系を見る、と考えると分かりやすいでしょう。
川越から下流へ続く荒川水系の河川。川越の歴史では舟運の大動脈として重要な役割を担いました。
川越中心部に位置する西武新宿線の駅。川沿い低地とは距離がありますが、大雨時は内水氾濫も確認したい場所です。
#02 「新河岸川」という名前はなぜ付いた?
名前の鍵は「新しく作られた河岸」
新河岸川は、もともと「内川」と呼ばれていた川筋がもとになったとされています。 江戸時代に舟運のための河岸場が整えられ、その新しい河岸が「新河岸」と呼ばれました。 舟運が盛んになるにつれて、川そのものも「新河岸川」と呼ばれるようになったとされています。
「河岸」とは、船から荷物を積み下ろしする船着き場のこと。 現在の駅名のように見える「新河岸」という言葉ですが、川越の歴史では先に舟運と河岸場がありました。
#03 川越を“小江戸”へ育てた、新河岸川の舟運
川越市の公式資料では、城下町の発展とともに農産物や特産品が集まり、江戸からも多くの物資が運ばれたと説明されています。 その輸送を支えたのが新河岸川の舟運です。
川越周辺には扇河岸・上新河岸・牛子河岸・下新河岸・寺尾河岸があり、「川越五河岸」と呼ばれました。 新河岸川は単なる身近な川ではなく、川越と江戸を結ぶ物流ルートでした。
やがて鉄道が開通すると、物資輸送の中心は舟から鉄道へ移ります。 川越市は、江戸時代からの新河岸川舟運に加え、1895年に現在の西武鉄道につながる川越鉄道、1914年に現在の東武鉄道につながる東上鉄道が開業し、都市の発展を支えたと説明しています。
本川越駅から「蔵の街」を歩くと、どうしても建物に目が向きます。 しかし川越の商業都市としての発展をたどると、その背景に「川で江戸とつながっていた時代」が見えてきます。
#04 新河岸川では過去に大きな洪水があった
新河岸川流域では、過去に何度も大きな水害が発生しています。 国土交通省の資料では、特に大きな被害をもたらした洪水として1966年6月、1982年9月、1991年9月、1998年8月が挙げられています。
| 時期 | 主な出来事 | ポイント |
|---|---|---|
| 1958年9月 | 狩野川台風による水害 | 国の土地履歴資料にも新河岸川流域の浸水実績として記録されています。 |
| 1966年6月 | 台風4号による洪水 | 新河岸川で大きな被害をもたらした洪水の一つです。 |
| 1982年9月 | 台風18号による洪水 | 大きな被害を受け、河川の緊急的な改修につながりました。 |
| 1991年9月 | 台風18号による洪水 | この洪水を受けた治水事業が進められました。 |
| 1998年8月 | 集中豪雨による洪水 | 国交省資料では川越市内で約170ha、3,740戸の床上・床下浸水が記録されています。 |
国土交通省の土地分類基本調査でも、1958年、1966年、1982年、1991年などの浸水区域が過去の水害履歴として整理されています。
#05 現在の本川越駅周辺は洪水ハザードマップでどう見える?
川越市の洪水ハザードマップは、荒川・入間川・新河岸川などの想定最大規模の洪水浸水想定区域を重ね、地点ごとの最大浸水深を示しています。
2022年更新版の「本庁管内」地図を確認すると、本川越駅そのものは、新河岸川沿いに広がる洪水浸水想定区域から外れた位置に描かれています。 一方、駅から北東・東方向へ進み、新河岸川に近づく地域では浸水想定区域があります。
ハザードマップは想定条件をもとにした地図です。 実際の雨の降り方、河川の水位、排水の状態などにより状況は変わります。 また、洪水マップとは別に内水氾濫の確認が必要です。
#06 本川越で忘れたくない「内水氾濫」とは?
川があふれなくても、街に水がたまることがあります
内水氾濫とは、短時間に大量の雨が降り、下水道や側溝などで雨水を流しきれなくなって、道路や住宅地に水がたまる現象です。 河川そのものの氾濫とは仕組みが違います。
川越市では2023年10月に内水ハザードマップを見直し、想定する雨量を1時間153ミリの想定最大規模降雨へ変更しました。
市は近年、集中豪雨によって道路冠水や住宅への浸水、トイレを長時間使えなくなるといった被害が市内各地で報告されているとして、内水ハザードマップによる事前確認を呼びかけています。
中心市街地では、川から距離があっても短時間の豪雨で道路に水がたまる可能性があります。 普段使う駅から自宅までの道、地下や低い道路、くぼんだ場所なども含めて確認しておくと安心です。
#07 大雨のとき、本川越駅周辺で注意したい場所
特定の道路が必ず冠水すると断定することはできません。 大雨時は、その時点の状況を確認しながら次の場所に注意してください。
- 周囲より低くなっている道路
- アンダーパスや地下へ下りる場所
- 側溝から水があふれている道路
- マンホールの周辺
- 新河岸川や水路に近い道
- 水深が分からない冠水道路
- 夜間で路面の状態を確認しにくい場所
水面からは側溝、段差、マンホール、流れの強さが分からない場合があります。 徒歩でも車でも「少しなら通れそう」と判断せず、安全な場所へ移動してください。 川の水位を自分で確認するために川へ近づくことも避けましょう。
#08 水害時はどこへ避難する?
川越市では、災害の種類ごとに「指定緊急避難場所」を設定しています。 指定緊急避難場所は、危険から一時的に逃れるための場所です。 「指定避難所」とは役割が異なります。
本川越駅周辺の本庁中央地区では、たとえば中央小学校(中原町1丁目25)などが洪水・内水氾濫時の指定緊急避難場所として掲載されています。
災害の状況によって開設される場所は変わります。 浸水が始まってから遠くへ歩くのではなく、川越市が発表する避難情報と開設情報を確認してください。
#09 大雨になる前にできること
雨が強くなってから準備を始めるより、平常時に一度だけ確認しておく方が動きやすくなります。 川越市も、ハザードマップを使って自宅や職場、通勤・通学路のリスクを事前に確認するよう案内しています。
- 自宅・勤務先・学校の洪水ハザードを確認する
- 同じ地点の内水ハザードも確認する
- 水害時に使える避難場所を確認する
- 家から避難場所までの経路を2通りほど考える
- スマートフォンの充電手段を準備する
- 停電時に使える照明を確認する
- 飲料水や携帯トイレなどを定期的に点検する
- 大雨が予想される日は早めに気象・避難情報を見る
#10 大雨・川の氾濫に備えて|ekirip編集部が選ぶ防災アイテム
ここからは避難情報そのものではなく、大雨になる前の備えとして考えたいアイテムです。 商品があれば洪水から安全になるわけではありません。 避難が必要な状況では、買い物より自治体の避難情報と安全確保を優先してください。
LEDランタン
停電すると、家の中でも足元の確認が難しくなります。 普段から決まった場所に置き、電池や充電状態も一緒に確認しておきたいアイテムです。
AmazonでLEDランタンを確認する簡易トイレセット
大雨や停電、断水では自宅のトイレを使えなくなる場合があります。 水や食料と同じように、平常時に必要数を考えておくと準備しやすくなります。
Amazonで簡易トイレセットを確認する防災グッズセット・1人用リュック
防災用品をゼロからそろえるのが大変な場合は、セット品を基準にして不足品を追加する方法もあります。 中身が自分や家族に合うかは購入前に確認してください。
Amazonで1人用防災リュックを確認する完全防水リュック
雨の中で移動する可能性を考え、衣類やモバイルバッテリー、書類などをぬらしにくくする目的で検討できます。 防水リュックがあっても、冠水した道路へ入るための装備にはなりません。
Amazonで完全防水リュックを確認する衣類圧縮袋
着替えやタオルなどは、防災リュックの中で意外と場所を取ります。 家族分の衣類をまとめたい場合など、持ち出し用品を整理する選択肢になります。
Amazonで衣類圧縮袋を確認する防災用品は、災害が起きてから急いで買うものではありません。 天気が穏やかな日に、すでに家にあるものを確認し、不足しているものだけを準備するのが基本です。
#11 新河岸川の歴史を実際に歩いて知るなら
新河岸川は「防災の対象となる川」であると同時に、川越の歴史を作った川でもあります。 その面影を知る場所の一つが仙波河岸史跡公園です。
川越市によると、園内には新河岸川舟運の面影を伝える仙波河岸跡が残り、遊歩道や木製デッキなどから歴史と自然にふれることができます。 所在地は川越市仙波町4丁目21-2です。
また川越市は「新河岸川舟運と川越の歴史めぐり」の公式コースマップも公開しています。 水害リスクだけでなく、「なぜこの川が川越にとって重要だったのか」を知る街歩き資料としても使えます。
川と鉄道、両方を見ると本川越の歴史がつながる
かつて川越と江戸を結んだ主役の一つが新河岸川でした。 その後、鉄道が物流や人の移動を担うようになります。 現在の本川越駅から街を歩くと、「川の時代」から「鉄道の時代」へ移った川越の変化を一つの流れとして見ることができます。
#12 本川越駅×新河岸川のよくある疑問
いいえ。本川越駅は川越中心市街地にあり、新河岸川の河道そのものとは離れています。
そのようには言えません。 川越市の想定最大規模の洪水ハザードマップでは、本川越駅そのものは新河岸川沿いの浸水想定区域から外れた位置に描かれています。 ただし実際の水害は想定と異なる場合があります。
いいえ。 河川氾濫とは別に、大雨で下水や水路があふれて街なかに水がたまる内水氾濫があります。 川越市は洪水マップとは別に内水ハザードマップを公開しています。
避けてください。 増水した川や水路には近づかず、自治体や気象機関が発表する情報を使って状況を確認してください。
川越市は1998年8月28日から2024年8月29日までの浸水被害履歴を公開しています。 ただし、市はすべての被害を反映したものではないと注意書きを付けています。
本川越と新河岸川の関係をたどると、川越の街が江戸とつながり、商業都市として発展していった歴史が見えてきます。 一方、新河岸川流域では過去に大きな洪水が繰り返されてきました。
現在の本川越駅は、新河岸川のすぐ横にある駅ではありません。 洪水ハザードマップ上でも、駅そのものと川沿いの浸水想定区域は分けて見る必要があります。 ただし、中心市街地では内水氾濫という別の水害にも注意が必要です。
「川から遠いから大丈夫」「昔浸水していないから大丈夫」と決めつけず、洪水と内水の2つのハザードマップを確認しておく。 それが、本川越で大雨に備える一番シンプルな第一歩です。