
東京の駅から歩いて約25分。住宅街の先で待っているのは、川底まで見えるような水と、雑木林からこんこんと湧き出す地下水です。東久留米を代表する「落合川と南沢湧水群」は、2008年に環境省の「平成の名水百選」へ東京都で唯一選ばれました。入場料も予約も必要ありません。東久留米駅から歩き、落合川いこいの水辺、竹林公園、南沢湧水群をつなげれば、東京にいることを一瞬忘れるような水辺散歩が楽しめます。
最終確認:2026年9月13日
東久留米市・環境省関連資料・西武鉄道の公開情報を確認。屋外の自然環境のため、増水・工事・立入条件などは現地案内を優先してください。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
東久留米駅から主要な水辺まで徒歩で向かえる
日常の買い物
落合川沿いに遊歩道や休憩できる水辺がある
外食・カフェ
無料で複数の湧水スポットを歩いて回れる
子育て環境
平成の名水百選と東京の名湧水57選の水辺を楽しめる
自然・散歩
浅い水辺があるが増水時は近づかない配慮が必要
地域のにぎわい
週末や暖かい時期はいこいの水辺に家族連れが集まりやすい
基本情報|東久留米の湧水は何がすごい?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な見どころ | 落合川、落合川いこいの水辺、竹林公園、南沢緑地保全地域・南沢湧水群 |
| 最寄駅 | 西武池袋線 東久留米駅 |
| 駅から | 南沢湧水群まで西口から徒歩約25分が目安 |
| 料金 | 散歩・見学は無料 |
| 予約 | 不要 |
| 特徴 | 「落合川と南沢湧水群」が2008年に環境省「平成の名水百選」へ東京都で唯一選定 |
| 竹林公園 | 東久留米市南沢1-7。湧水地で「東京の名湧水57選」の一つ |
| 南沢緑地保全地域 | 東久留米市南沢3-9。一年を通して湧水が見られる |
| 駐車場 | 竹林公園、落合川いこいの水辺とも専用駐車場はありません。散歩目的なら電車+徒歩が分かりやすいです |
これは「水を飲みに行く場所」というより、湧水が川をつくる景色そのものを楽しむ散歩です。湧水や河川水を、飲用設備として案内されていない場所から直接飲むことは避け、飲み水は自分で用意しておくと安心です。
駅からどう歩く?透明な水を追う半日コース
初めてなら、東久留米駅からいきなり目的地だけを目指すより、「川→竹林→湧水源」の順で歩くと、この街の水のつながりが見えてきます。おすすめは次の4地点です。
駅前から南沢方面へ。住宅街の中を進むにつれて、少しずつ川と緑が近づいてきます。
遊歩道から水辺へ降りられる場所。市公式では、水が浅く流れも緩やかで、芝生で休憩できると案内されています。
約6,104平方メートルの園内に竹林と湧水地があります。水だけではなく、竹の葉が揺れる音まで含めて楽しみたい場所です。
雑木林の足元から地下水が湧き出す、この散歩の中心地。南沢緑地保全地域では一年を通して湧水が確認されています。
同じ道を駅へ戻ってもよいですが、南沢の住宅街を抜けて駅へ戻れば景色に変化が出ます。ゆっくり写真を撮ったり川辺で休んだりするなら、全体で2〜3時間ほど見ておくと慌ただしくなりません。これはekirip編集上の散歩目安です。
なぜ東京の住宅街に、これほど湧水があるの?
答えは、東久留米の地下にある地形です
東久留米市は武蔵野台地のほぼ中央にあります。市公式資料によると、この台地は古い多摩川がつくった扇状地を基盤とし、その上に関東ローム層が重なっています。
雨が地面へしみ込むと、その水は地下を移動します。そして東久留米では、標高50メートル前後で地表へ出やすくなります。南沢湧水群も、この標高50メートル付近にあります。
つまり、どこかから水を引いてきているのではありません。街に降った雨が地面の中を通り、時間をかけて再び姿を現しているのです。
東久留米市全体では、市公式資料で毎日約10万トンの水が湧き出るとされています。駅前の住宅街と、この大量の地下水が同じ街の中に共存している。それが東久留米らしさです。
[ekirip-chart type=“bar” title=“東久留米の水量を数字で見る” description=“市資料で示された南沢地域と落合川下流部の1日あたりの水量” labels=“南沢地域|落合川下流・下谷橋付近” values=“10000|50000” unit=“トン/日” source=“東久留米市『平成の名水百選 落合川と南沢湧水群 東久留米・水の回廊』” source_url=“https://www.city.higashikurume.lg.jp/_res/projects/default_project/page/001/000/080/2017.10_pamphlet.pdf” note=“市資料に記載された約値です。降雨など自然条件によって実際の流量は変化します。”]数字にすると、南沢だけでも1日約1万トン。さらに下流へ水が集まることで、落合川の流れが豊かになっていく様子が分かります。
なぜ水がこんなに透明に見えるの?
大きな理由は、落合川の流れを支える水の多くが地下から湧き出す水であることです。泥を巻き上げるような強い流れではない場所では、川底の砂や小石まで見えやすくなります。
ただし、水の透明度はいつも同じではありません。大雨の後、工事、落ち葉が多い時期などは見え方が変わります。「いつ行っても完全に透明」と考えるより、自然条件によって表情が変わる川として楽しむのがよさそうです。
「平成の名水百選」は、水質だけで選ばれたわけではない
「落合川と南沢湧水群」が選ばれた理由で面白いのは、水がきれいだから、それだけではないことです。
東久留米市の選定記念資料では、清らかな水環境に加え、市民や地域団体が長く保全活動を続けてきた点も重視されたと説明されています。かつて落合川には水質が悪化した時期もあり、その後、下水道整備や河川改修、市民活動などを通して環境が改善してきました。
「きれいな川が残った街」ではなく、「きれいな川を取り戻した街」
現在の落合川を歩くだけでは、この背景は見えにくいかもしれません。東久留米の水辺は、地形から生まれた自然と、それを守ってきた人の活動が重なって残っています。
水辺を歩いたあとにこの歴史を知ると、「透明できれいだった」で終わらず、街を見る目が少し変わります。
竹林公園にも湧水がある
南沢湧水群だけを目的地にすると通り過ぎてしまいやすいのが、竹林公園です。所在地は南沢1丁目7番。2026年7月更新の市公式ページでは、面積6,104平方メートルの公園で、湧水地があることが案内されています。
竹林公園と南沢緑地保全地域は、どちらも東京都の「東京の名湧水57選」に選ばれています。同じ「湧水」でも、竹に囲まれた場所と雑木林の中ではかなり印象が違います。2カ所を続けて歩くことで、東久留米の水辺の多様さが分かります。
子ども連れなら、落合川いこいの水辺を中心に
子どもと歩くなら、最初から長いコースを完歩しようとしなくても大丈夫です。落合川いこいの水辺は、市公式でも浅く緩やかな流れの場所として紹介され、芝生で休憩できます。
芝生があり、シートを広げて休みやすい場所です。
遊歩道から直接水辺へ行ける区間があります。
普段浅い場所でも増水時は近づかないでください。
水辺へ入る予定なら、タオルや替えの靴下があると楽です。
川は公園の人工的な水遊び場とは違います。流れ、水深、石の滑りやすさは日によって変わります。小さな子どもから目を離さず、増水している日は水へ入らない判断を優先してください。
雨の日でも歩ける?
小雨なら街歩きそのものはできますが、湧水散歩の魅力を味わうなら晴天または雨が落ち着いた日が向いています。川沿いや土のある緑地は滑りやすく、大雨時には水量も変わります。
雨の直後は「水量が多くて面白そう」と考えず、安全を優先してください。河川が増水している場合や強い雨が続いている場合は、水辺へ降りないのが基本です。
9月の散歩で持っていきたいもの
湧水を飲料水代わりにせず、マイボトルなどを持参。
川辺や緑地は舗装路だけではありません。
雑木林、水辺、竹林を歩くため、暖かい時期はあると便利です。
水辺へ近づく日や子ども連れには特に便利。
現地感レビュー|「駅前」と「水辺」の距離が短い
公式案内と地図を見ると、このコースで面白いのは「秘境へ行く必要がない」ことです。東久留米駅から南沢湧水群までは、西武鉄道の案内で徒歩約25分。電車を降りて住宅街を歩いているうちに、いつの間にか川と雑木林の風景へ切り替わります。
山へ行く装備も、車も、入場券も必要ありません。それでも、水が地面から生まれ、細い流れになり、やがて川へつながる様子を歩いて追えます。この距離感こそ、東久留米の湧水散歩のおもしろさです。
こんな人におすすめ
- 東京近郊で、静かな自然散歩をしたい人
- 「川底まで見えるような水」を身近な場所で眺めたい人
- 西武池袋線で途中下車する理由を探している人
- 子どもと川や湧水を観察したい家族
- 写真を撮りながら2〜3時間ゆっくり歩きたい人
- 街と自然がどう共存しているのかを見るのが好きな人
水音たどれば
森になる
東久留米駅との相性|「駅を降りる理由」が水そのもの
東久留米駅からこのコースを歩くなら、西口がスタートに向いています。目的地へ最短で着くだけならバスなどの選択肢もありますが、この記事では徒歩をおすすめします。
理由は、駅前から住宅街、落合川、竹林、雑木林へと景色が少しずつ変わるから。湧水群だけを見るより、「こんな普通の街の地下に、これだけの水が流れているのか」と実感しやすくなります。
一人なら水音を聞きながら静かに。家族ならいこいの水辺を中心に。友人やカップルなら竹林公園まで足を伸ばす。目的に合わせて距離を調整しやすいのも、駅から歩ける街ならではです。
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行く前に知っておきたいこと
湧水地や川辺では、植物・生き物・石などを持ち帰らず、そのままの環境を残す意識を。南沢周辺には保全地域もあります。静かな住宅地を通るため、大人数での大声や路上駐車も避けたいところです。
Q&A|東久留米の湧水散歩
東京なのに、水の透明度に驚く。だから駅から歩いてほしい
南沢湧水群だけなら、目的地として地図にピンを立てて向かうこともできます。でも、この場所は駅から歩いたほうがおもしろい。
電車を降りる。住宅街を歩く。小さな川が見える。水が澄んでくる。竹林へ入り、最後は雑木林の地面から水が生まれている場所へたどり着く。
その順番で歩くと、東久留米が「湧水のある街」ではなく、水によって街の景色がつくられている場所だと分かってきます。
遠くへ旅行するほどの時間はない。でも、いつもの東京とは少し違う景色が見たい。そんな日に、東久留米駅で降りて、水の流れを逆にたどってみてください。