
真っ黒な一皿の裏に、
地元の醤油店と鹿児島のお酒。
焼そばといえば、茶色いソース色。ところが東村山の名物は、麺まで真っ黒です。
黒さの手掛かりはイカスミ入りの専用ソース。そこに鹿児島の「黒酒」とスパイスが重なります。見た目だけで終わらない、この一皿の中身をたどってみましょう。[1]
情報確認日:2026年10月16日
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なぜ黒い?鍵は麺ではなく、ソースにある
東村山黒焼そばは、地元メーカーが開発した黒ソースを使う焼そばです。黒い麺を特別に用意するのではなく、ソースが一皿の色をつくるのがポイントです。[1]
商品説明によると、ベースは独自のウスターソース。そこにイカスミと黒酒を合わせています。原材料には、にんにくやしょうが、こんぶエキス、魚介エキスなども並びます。[2]
つまり、普通のソースに黒い色だけを足した、と考えると少しもったいない。色の奥に、いくつもの材料が重なる調味料なのです。
「黒酒」は、黒くするためのお酒?

名前だけ聞くと、黒い液体を想像したくなりますよね。ただ、ここで押さえたいのは、イカスミによる黒さと、黒酒が持つ味わいを分けて考えることです。
鹿児島の東酒造がつくる黒酒は、米と麹を使う、料理のためのお酒。「灰持酒(あくもちざけ)」という伝統的な製法をもとにしています。これは、木の灰から取った上澄み液を使い、保存性を高めるお酒です。[3]
東酒造は、その味をお酒とみりんの両方の特徴を持つものとして説明しています。黒焼そばを理解するうえでは、黒酒は「色の名前」だけで覚えるより、うま味や甘みに関わる調味料として知るほうが、中身に近づけます。[3]
見た目の入口はイカスミ。味の奥には、黒酒とソースの配合。
「黒いから味も強烈そう」と決めつける前に、まずはソースに何が入っているか。そこを知ると、一口目の注目点も変わります。
なぜ東村山で生まれた?出発点は、1850年創業の醤油店
このソースを開発したのは、東村山市久米川町にある株式会社ポールスタアです。名前の響きからは意外ですが、始まりは江戸時代末期の1850年。醤油を造る仕事から出発しました。[4]
現在の会社の設立は1977年。公式サイトは、この年に調味料製造業へ転換したと紹介しています。1850年は事業の始まり、1977年は現在の会社につながる節目です。[4][5]
東京都の紹介では、黒焼そばソースは東村山に新しい名物をつくろうと試行錯誤して完成したもの。昔から同じ形で伝わる郷土料理というより、地元の作り手が生み出した名物です。[1]
黒い色の背景には、新田義貞の伝説も

東京都は、新田義貞の軍勢が八国山に陣を構えた際、敵を警戒して夜食に炭をかけたという伝説が、黒い焼そばの着想につながったと紹介しています。キャラクター「よしくん」のモデルも新田義貞です。[1]
これは名物の背景として紹介される伝説です。「当時、本当にその食べ方をした」と確認された史実や、「現在の焼そばに炭が入る」という説明ではありません。
醤油づくりから続く会社が、土地に残る物語を、新しい食べ物の入口にする。そう考えると、黒という色は、東村山のことを話したくなる仕掛けにも見えてきます。
色だけでなく、ソースづくりそのものに蓄積がある
ポールスタアの公式説明では、同社のソースづくりは、丸ごとのスパイスと野菜を高圧釜で煮出すところから始まります。そのスープにトマト、砂糖、酢、塩などを合わせ、ウスターソースを作ります。[6]
これは同社のソース製法についての説明で、黒焼そばソースの全配合を公開したものではありません。それでも、「黒いソースの会社」の前に、材料から味を組み立てる調味料メーカーなのだと分かります。
同じ黒焼そばでも、店ごとに違う。卵ひとつにも個性が出る

店を選ぶときは、黒さだけで比べるより、具や仕上げに注目すると面白くなります。
たとえばメーカーの店舗紹介には、味玉をのせる中華料理店と、野菜に目玉焼きを合わせる居酒屋が登場します。共通のソースがあっても、食べ方の答えは一つではないのです。[7][8]
| 店・最寄り駅 | 注目したいところ |
|---|---|
| 味の松華 東村山駅 |
味玉をのせる黒焼そば。所在地は野口町2-5-33、メーカー案内では西口から徒歩10分。[7] |
| やきとり むらやま 久米川店 久米川駅 |
野菜と目玉焼きを組み合わせる一皿。栄町2-9-5、メーカー案内では南口から徒歩1分。[8] |
| 森のキッチン 東村山駅 |
製造元の敷地入口にある持ち帰り専門店。黒焼そばを買うことと、直売所を訪ねることを同じ目的地で組み合わせられます。[9] |
上の特徴・徒歩時間はポールスタアの紹介内容です。掲載情報が更新されていない場合もあるため、訪問前に営業日と黒焼そばの提供状況を各店へ確認してください。料金は店やメニューで異なります。
駅の近くで探すなら「ぽっ蔵」も
東村山駅東口近くのごちそうや ぽっ蔵は、店舗公式サイトでも黒焼きそばを紹介しています。住所は本町2-4-63。駅から大きく歩かずに探したいときの候補です。[10]
店舗公式の案内は、ランチ11:00〜14:30、ディナー17:00〜24:00、不定休あり。黒焼きそばを注文できる時間帯や当日の提供は、電話042-399-7088で確認すると確実です。[10]
卵を崩して食べたいのか、駅前で一品として楽しみたいのか、持ち帰って食べたいのか。先に食べ方を決めると、店選びもしやすくなります。
家でも作れる?まずは専用ソースを使うのが近道
東村山黒焼そばソースには、200ml入りの家庭向け商品があります。イカスミや黒酒を別々にそろえなくても、ソースから始められます。[2]
市販ソースを使えば、お店の一皿を完全に再現することとは別に、自分の家の具材で黒焼そばを作る楽しみ方ができます。
家で試すなら、この順番で。

- 焼そば用の麺と、好みの肉・野菜を用意する。
- 肉に十分火を通し、野菜と麺を炒める。
- 商品表示の使用量を確認し、黒焼そばソースで味を付ける。
- 好みで目玉焼きなどを合わせ、味の変化を楽しむ。
上は家庭で試すための一般的な手順です。メーカー公式レシピや、掲載店舗の調理法を再現したものではありません。
最初は具を増やしすぎず、ソースの風味を確かめてから組み合わせを変えると、違いを見つけやすそうです。
なお、販売店の商品説明では、焼そば以外に炒飯やパスタなどへの利用も案内されています。一本を買ったあとに使い道が広がるのも、料理そのものではなく「ソース」が名物になっている面白さです。[2]
原材料にはイカスミが含まれます。アレルギーがある方は、具だけで判断せず、手元の商品表示や店舗の案内を確認してください。保存方法も商品表示に従い、開栓後は冷蔵してください。[2]
食べたあとに製造元へ。直売所と、予約制の無料工場見学
ソースのことが気になったら、次の目的地は製造元です。ポールスタアの「ソースの森」には、工場直売所があります。[5]
| 所在地 | 東京都東村山市久米川町3-28-2 |
|---|---|
| 駅から | 会社公式案内では、東村山駅東口から徒歩13分 |
| 工場直売所 | 平日9:30〜16:30 |
| 森のキッチン | 平日11:00〜17:00。電話予約は10:00から。持ち帰り専門店 |
所在地・徒歩時間は会社情報、営業時間は公式トップページに基づきます。臨時休業、商品在庫、当日のメニューは事前に確認してください。直売所と森のキッチンは、営業開始時刻が異なります。[4][5][9]
工場見学は「行けば入れる」方式ではない
公式には、無料・予約制の工場見学が案内されています。開始は10:00、所要時間は約30分。各回先着20人で、工場が稼働する日に限って開催されます。[11]
集合場所は工場直売所。問い合わせは042-395-0554で、見学案内ページの電話受付は平日9:00〜17:30です。希望日の開催・空き状況を確かめてから、食事の予定と組み合わせましょう。[11]
なお、公式にはオリジナルソースを作って持ち帰る「ソース作り体験」もあります。無料工場見学とは別の内容なので、予約時にはどちらを希望するのか伝えるとスムーズです。[11]
黒い一皿を見ると、東村山の作り手が見えてくる
最初は「どうしてこんなに黒いの?」。その答えを追うと、イカスミだけでなく、鹿児島の黒酒、醤油づくりから続く会社、店ごとの工夫にたどり着きます。
同じソースから、違う一皿が生まれる。東村山黒焼そばは、その違いを食べに行ける名物です。
次にメニューで見つけたら、黒さの先にも注目してみてください。卵はどうのっているか。どんな具を合わせているか。そして、持ち帰った一本を自分なら何に使うか。見慣れない色が、街と台所をつなぐ入口になります。
一皿の背景を知ったら、街の名前や駅前にも寄り道を
製造元の住所は「久米川町」なのに、最寄りの案内は「東村山駅」。食べ歩きの地図で気になった名前にも、もう一つの話があります。
情報確認日:2026年10月16日。営業時間・提供メニュー・見学条件は変更される場合があります。店舗情報は店舗公式を優先し、メーカーの店舗紹介は料理の特徴と所在地の参考にしています。
- 東京都「東村山黒焼そば」/TOKYOイチオシナビ。名物の概要、開発背景、伝説について。 https://www.chiikishigen.metro.tokyo.lg.jp/introduction/details/introduction_114.html
- にっぽん津々浦々「ポールスタア 東村山 黒焼きそばソース 瓶 200ml」/株式会社スペースアイランド。販売店による商品説明・原材料・使用上の注意を補助資料として参照。 https://www.tsutsu-uraura.jp/products/polestar-yakisoba200
- 東酒造「黒酒とは?」/黒酒公式サイト。製法・味わいについて。 https://kurozake.com/about/
- ポールスタア「会社情報」。創業・設立、所在地、駅からのアクセスについて。 https://pole-star.tokyo/company/
- ポールスタア公式トップページ。事業の沿革、工場直売所・森のキッチンの営業時間について。 https://pole-star.tokyo/
- ポールスタア「ソースへのこだわり」。同社のソース製法について。 https://pole-star.tokyo/aboutsauce/
- ポールスタア「中華料理 味の松華」。黒焼そばの特徴、住所・アクセスについて。 https://pole-star.tokyo/event/shop/ajinosyouka/
- ポールスタア「やきとり むらやま 久米川店」。黒焼そばの特徴、住所・アクセスについて。 https://pole-star.tokyo/event/shop/yakitorimurayamakumegawaten/
- ポールスタア「森のキッチン」。黒焼そばの販売、持ち帰り専門店としての案内について。 https://pole-star.tokyo/event/shop/morikichi/
- ごちそうや ぽっ蔵・店舗公式サイト。黒焼きそばの紹介、所在地・営業時間・連絡先について。 https://pokkura.com/
- ポールスタア「ソースの森」。予約制工場見学とソース作り体験の案内について。 https://pole-star.tokyo/entertainment/