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『ドラえもん』の制作会社はなぜ田無に本社がある?シンエイ動画と西東京市の50年以上の歴史

東京都 / 西東京市 / 新宿線 | 更新日: 2026-10-23
田無駅 | 暮らし
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TANASHI × ANIMATION

あの『ドラえもん』をつくっている会社の本社が、実は田無にある。

しかも、田無駅の北口から歩いて約5分。世界中で親しまれているアニメの制作会社が、私たちのよく知る街に本社を構えているのです。

「ドラえもんって、東京のテレビ局でつくっているんじゃないの?」

そう思っても不思議ではありません。テレビ朝日で放送される作品ですし、アニメの制作現場がどこにあるかなんて、普段はあまり意識しません。

ところが、調べてみると、もっと意外な事実が出てきました。

『ドラえもん』のテレビシリーズが始まるよりも前から、その制作会社は田無に拠点を置いていたのです。

まず答えから 『ドラえもん』の制作会社「シンエイ動画」の本社は、東京都西東京市田無町3丁目にあります。

最寄りは西武新宿線・田無駅。北口から徒歩約5分。前身のAプロダクションが田無に移ったのは1974年で、同社の『ドラえもん』テレビシリーズ開始は1979年です。 [1][2]

では、なぜ田無なのでしょう。

その答えを探すには、ドラえもんがテレビに登場する少し前まで、時間を戻す必要があります。

『ドラえもん』より先に、制作会社が田無にやって来ていた

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最初の手掛かりは、シンエイ動画が公開している50周年記念の沿革です。

そこには、1974年12月1日、前身のAプロダクションが中野区中野坂上から田無市北原町へ社屋を移転したと記されています。 [2]

1974年。

シンエイ動画が『ドラえもん』のテレビシリーズを手掛ける、5年前のことです。

ということは、順番が逆でした。

『ドラえもん』のために田無へ引っ越してきたのではなく、田無に拠点を置いていた会社が、のちに『ドラえもん』を手掛けるようになったのです。

ここが、この話の最初の面白いところ。

ただし、1974年の移転先に田無が選ばれた具体的な理由については、今回確認した公式沿革だけでは分かりません。土地代や交通の便利さが決め手だった、といった推測はここでは控えます。

それでも、田無への移転を考えるうえで重要な背景があります。

この会社、実は最初から「シンエイ動画」という名前ではなかったのです。

もともとは『巨人の星』や『ルパン三世』を手掛けた会社だった?

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時計をもう少し戻して、1965年。

アニメーターの楠部大吉郎が、渋谷区代々木に「有限会社エイプロダクション」を設立します。 [1][2]

この会社が、現在のシンエイ動画の前身です。

当時は東京ムービー(現在のトムス・エンタテインメント)が制作するアニメ作品の作画などを担当していました。

その作品を並べてみると、なかなかの顔ぶれです。

前身のAプロダクションが手掛けた主な作品

『オバケのQ太郎』『巨人の星』『ルパン三世(第1シリーズ)』『ど根性ガエル』『天才バカボン』など。 [1]

いきなり昭和アニメの名作が大集合です。

ただし、ここで一つ区別しておきたいことがあります。

これらの作品は、現在のシンエイ動画がすべて単独で制作したという意味ではありません。東京ムービーが制作する作品に、前身のAプロダクションが参加していたということです。

アニメは、テレビ画面に映るキャラクターだけで完成するものではありません。絵を描き、動きをつけ、色を塗り、映像を仕上げる。さまざまな専門家の仕事が重なって、ようやく一本の作品になります。

Aプロダクションは、その実制作を支える会社として経験を積んでいきました。

そして1974年に田無へ移転。1976年9月9日には、会社を「シンエイ動画株式会社」へ改組します。 [2]

では、その会社が、どうして『ドラえもん』を手掛けるようになったのでしょうか。

1979年の『ドラえもん』が、会社の運命を変えた

転機となったのは1979年4月。

テレビ朝日系列で『ドラえもん』のテレビシリーズが放送を開始します。

シンエイ動画の公式沿革によると、この作品は同社が初めて元請として受注した作品でした。 [1]

「元請」とは、作品の制作を中心となって引き受ける立場のこと。

それまで他社作品の実制作を支えてきた会社にとって、仕事の位置づけが大きく変わる出来事でした。

しかも、その作品が『ドラえもん』。

結果を知っている今から見ると、相当な転機です。

ただし、『ドラえもん』のテレビアニメが1979年に初めて誕生したわけではありません。1973年にも別の制作会社によるテレビアニメが放送されています。

1979年に始まったのは、シンエイ動画が制作を手掛けるテレビシリーズです。

翌1980年3月には、劇場版第1作『映画ドラえもん のび太の恐竜』も公開されました。 [2]

テレビで親しまれる作品が、映画館にも広がっていく。

シンエイ動画自身も、1979年の『ドラえもん』が現在の会社の基礎を築いた作品だと位置づけています。

ここまでを田無の側から見ると、少し印象が変わります。

田無は、有名になったアニメ会社が後から移ってきた街というだけではありません。

『ドラえもん』が長く親しまれる作品へ育っていく時代を、制作会社とともに過ごしてきた街だったのです。

では、なぜ今も田無?会社は街の中で何度も引っ越していた

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『ドラえもん』が会社の柱になったなら、もっと都心へ本社を移しても不思議ではなさそうです。

ところが、シンエイ動画の歩みを追うと、意外なことが分かります。

会社はずっと同じ建物にいたわけではありません。しかし、拠点を移しながらも田無にとどまってきました。

1965年 Aプロダクション設立

渋谷区代々木で事業を開始。

1974年 田無市北原町へ移転

中野区中野坂上から田無へ。ドラえもん制作開始より5年前。

1976年 シンエイ動画株式会社へ改組

楠部大吉郎が社長に就任。

1979年 『ドラえもん』テレビシリーズ開始

会社の基盤を築く作品に。

1982年 田無市南町へ事業所移転

業務の拡大に合わせ、制作拠点を移す。

1992年 田無市本町に自社ビル完成

同じ年に『クレヨンしんちゃん』の放送も開始。

2009年 現在の田無町3丁目に新社屋完成

11月2日、現在の所在地へ移転。

2026年 シンエイ動画設立50周年

現在も西東京市田無町に本社を置く。

※年表はシンエイ動画公式沿革・50周年記念サイト・日本動画協会の移転記録に基づきます。 [1][2][3]

こうして並べると、見えてくるものがあります。

田無に来てから会社の名前が変わり、『ドラえもん』が始まり、事業が大きくなり、今の社屋ができた。

会社が成長する節目の多くに、田無という地名が登場するのです。

もちろん、田無にとどまり続けた経営上の理由を、これだけで断定することはできません。

ただ、1974年から2026年まで約52年間、田無を拠点としてきた事実は確かです。

もはや、単に「本社がある街」ではなく、会社の歴史が積み重なってきた街と言えそうです。

『ドラえもん』だけじゃない。『クレヨンしんちゃん』も田無とつながっていた

もう一つ、忘れてはいけない作品があります。

『クレヨンしんちゃん』です。

1992年4月、テレビシリーズが放送開始。同年12月には、田無市本町にシンエイ動画の自社ビルが完成しています。 [1]

1993年には劇場版の第1作も公開されました。

ドラえもんとのび太、しんのすけと野原一家。

それぞれの物語に登場する街は違いますが、そのアニメ制作を支える会社の本社所在地は、田無なのです。

ここで、ちょっと面白い対比が生まれます。

『クレヨンしんちゃん』といえば、埼玉県春日部市を思い浮かべる人も多いでしょう。

一方、アニメの制作会社は東京都西東京市に本社を置いています。

物語の舞台と、物語をつくる場所は別。

当たり前のことですが、こうして具体的な地名を並べると、その違いがぐっと身近になります。

なお、アニメ制作は複数の専門スタッフや協力会社によって進められます。田無の本社だけで、すべての工程を行っているという意味ではありません。 [1]

実は西武鉄道のアニメまで?沿線なら見逃せない接点

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ここまでで、シンエイ動画と田無の関係が長いことは分かりました。

では、西武線沿線の住民にとって、もう少し直接的な接点はないのでしょうか。

実は、あります。

シンエイ動画の50周年記念サイトには、2011年の制作作品として『西武鉄道駅員タコちゃん』が掲載されています。 [2]

2011年4月から2012年2月にかけて、YouTubeやGYAO!などで展開された作品です。

まさかの、西武鉄道。

『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』の制作会社の歴史を調べていたら、今度は西武鉄道の名前が出てきました。

ただし、田無に本社があるからこの作品が制作された、という直接の因果関係までは確認できません。

それでも、田無のアニメ制作会社の作品歴に、沿線そのものを題材とするアニメが含まれているという事実は、地元の人にはちょっとうれしい発見かもしれません。

さらに2026年、シンエイ動画は設立50周年を迎えました。

『ドラえもん』だけに頼るのではなく、新しい作品や映画、映像コンテンツなどへと活動を広げながら、現在も田無町に本社を構えています。 [1][2]

田無駅から徒歩5分。本社はどこにある?

ここまで読んで、実際にどこにあるのか気になった人もいるかもしれません。

シンエイ動画の本社所在地は、東京都西東京市田無町3丁目9番21号。田無駅北口から徒歩約5分です。 [1][4]

会社名
シンエイ動画株式会社
本社所在地
東京都西東京市田無町3丁目9番21号
最寄駅
西武新宿線「田無駅」北口
アクセス
田無駅北口から徒歩約5分
設立
1976年9月9日(前身は1965年設立)
主な代表作品
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』など
事業内容
アニメーション制作、映像ライセンス、コンテンツビジネス

※一般向け見学施設や自由に入館できる観光施設としての案内は確認できません。会社の敷地や建物への無断立ち入りは控えましょう。

シンエイ動画 公式会社案内を見る →

まとめ|いつもの田無に、日本のアニメを支えてきた時間がある

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『ドラえもん』の制作会社が田無にある。

最初は、そんな意外な住所の話でした。

ところが調べてみると、前身のAプロダクションが田無に移ったのは1974年。『ドラえもん』の制作を手掛けるよりも前です。

それから『ドラえもん』が始まり、『クレヨンしんちゃん』が始まり、会社は田無の中で何度も拠点を移しながら成長してきました。

現在の本社は、田無駅北口から徒歩約5分。

いつもの駅前を歩いていても、そこにアニメ制作の長い歴史があるとは、なかなか気づかないものです。

テレビに映るのは、未来から来たネコ型ロボットや、春日部に暮らす一家。

その物語を支えてきた会社が、半世紀以上にわたって田無という街に拠点を置いている。

田無は、ドラえもんが有名になってから選ばれた街ではありません。ドラえもんの歩みを、制作会社とともに見届けてきた街なのです。

次に田無駅で降りたとき、駅前の何気ない街並みが、ほんの少し違って見えるかもしれません。

参考資料・出典

  1. シンエイ動画株式会社「会社情報」
    会社概要、代表作品、事業内容、公式沿革、現在の本社所在地。
    https://shin-ei-animation.jp/company/
  2. シンエイ動画株式会社「50周年記念サイト・50年のあゆみ」
    1965年の前身企業設立、1974年の田無移転、1976年の改組、1979年の『ドラえもん』、1982年の南町移転、2011年の西武鉄道関連作品など。
    https://shin-ei-animation.jp/50th/
  3. 一般社団法人日本動画協会「シンエイ動画株式会社 移転のお知らせ」
    2009年11月2日付の新所在地への移転記録。
    https://aja.gr.jp/date/2009/11
  4. シンエイ動画株式会社「公式サイト」
    本社所在地および田無駅北口から徒歩約5分のアクセス案内。
    https://shin-ei-animation.jp/

情報最終確認日:2026年10月23日。企業沿革、所在地、作品情報は各公式資料に基づいています。1974年に田無へ移転した具体的な選定理由は確認できていないため、推測による断定は行っていません。

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