
SHINTOKOROZAWA|暮らしの中の宝探し
空き缶も、おまけも。
集め続けたら、博物館になった。
「13万点超の秘宝」と聞いて、金銀財宝を思い浮かべた人は、少しだけ方向転換を。新所沢の「B宝館」に集まるのは、ミニカー、お菓子のおまけ、飲み終わった空き缶など、私たちの暮らしに近いものです。
経済アナリストの森永卓郎さんが集めた品々を公開する私設博物館で、公式サイトによると2024年時点の所蔵数は13万点超。数の多さに加えて、「それまで宝物になるの?」という驚きが待っています。[1]
情報確認日:2026年10月16日|公式案内・公式発表・訪問レポートをもとに構成
この記事で分かること
B宝館の「B」は、安さだけの話ではない
B宝館が掲げる言葉は、「ビンボーでおバカだけど、ビューティフルな博物館」。館名の「B」には、この遊び心のある言葉が重なっています。2014年10月4日、地元の所沢にオープンしました。[1]
値段が高いもの、有名な作家が作ったものだけが、鑑賞する価値のある品とは限らない。B宝館の名前を知ると、そんな見方が浮かんできます。
たとえば、お菓子を買ったときのおまけ。もらった日はうれしくても、いつの間にか引き出しの奥へ。飲み物の缶なら、空になったら片付けるのが普通でしょう。
その「普通なら残らないもの」を、残してきた人がいた。B宝館の面白さは、そこから始まります。
「13万点超」は、所蔵数です。
公式サイトが示す2024年時点の数字で、現在の正確な総数や、来館日にすべてを展示していることを意味するものではありません。展示内容と収集品全体の数は、分けて受け止めておきましょう。[1]
空き缶から、しょうゆ入れまで。宝物の守備範囲が広い
では、実際にどんなものが集められているのでしょうか。公式の紹介や訪問レポートを見ると、おもちゃ好きだけの博物館ではないことが分かります。
ミニカーやおまけは、時代を並べる小さな主役
ミニカー、グリコのおもちゃ、ブリキのおもちゃ、飲み物についてくるおまけ。森永さんが開館時に紹介した収集分野には、子どものころの記憶とつながりやすいものが並びます。[1]
2025年3月に訪問したニッポン放送のレポートでは、ポケモンの指人形「ポケモンキッズ」にも注目。同じキャラクターでも、発売時期によるデザインの違いや、透明感のある仕様などが見られたと紹介されています。[2]
一つなら「持っていた!」で終わるものも、並ぶと「こんなに種類があったのか」に変わる。集めた量が、新しい発見につながるわけです。
お弁当のしょうゆ入れも、見過ごせない
同じ訪問レポートに登場するのが、お弁当に入っているしょうゆ入れ、つまようじ、ポケットティッシュ、お菓子のパッケージなど。使い終えたら役目を終えるものまで、収集の対象になっています。[2]
しょうゆを入れる小さな容器も、形やデザインに注目すれば、立派な観察対象。ふだんはおかずに目が向いてしまうところですが、ここでは脇役にも出番があります。
映画のポップコーン容器にも、10年の違いがある
さらに具体的なのが、公式コラムで紹介されているドラえもんのポップコーンバケットです。2007年公開の映画に合わせたものと、2017年公開の映画に合わせたものが取り上げられています。[3]
映画館では、まずポップコーンを入れるための容器。それが残されると、映画を楽しんだ時代や、キャラクター商品のデザインを見比べる手掛かりになります。
※上記は公式サイトの紹介および2025年の訪問レポートで確認できる例です。来館当日の展示内容を保証するものではありません。
なぜ、捨てられるものを並べると面白いのか
空き缶を一つ見ても、ただの空き缶かもしれません。でも、違う時代のものを並べたらどうでしょう。
ロゴの形、使われている色、キャラクターの描き方。ふだんは気に留めない小さな違いが、比べることで目に入ってきます。
森永さんは開館時のコメントで、捨てられがちなものも、長い時間をかけて種類ごとに集めることで、歴史やアートにつながっていくという考えを示していました。[1]
ここからは編集部の見方ですが、B宝館は暮らしの中の「小さな違い」を見つける場所として楽しむと、ぐっと面白くなりそうです。値札を確かめるより、「どこが違う?」と見比べるほうが、この館の魅力に近づけるのではないでしょうか。
全部を覚えるより、一つの「好き」を探してみる。
ミニカーなら車の形。キャラクターグッズなら表情。パッケージなら文字や色。自分が気になる分野から眺めれば、大量のコレクションの中にも、見比べる手掛かりができます。
親子で見るなら、大人が知っているものと子どもが知っているものの違いも、会話のきっかけになるはず。「懐かしい」の一言にも、世代によって別の品が当てはまるのです。
森永さんが残したのは、品物と、それを見る目
森永卓郎さんは、2025年1月28日に亡くなりました。[4] その後のB宝館について、公式サイトは同年2月4日、運営を続けることを発表しています。[5]
発表を記した2代目館長の桜城蘭さんは、楽しめる社会をつくるうえでのエンターテインメントの役割に触れ、この場所を守っていく考えを示しました。[5]
「残されたコレクション」と聞くと、過去を振り返る場所を想像するかもしれません。それでも、今の私たちが展示を見て、面白がったり、昔の話をしたりできる。B宝館は、そんな楽しみを受け渡す場所として続いています。
森永さんが集めた品々の向こうには、身近なものから面白さを見つけ、集め続けた時間があります。13万点という数字も、その時間の積み重ねとして見ると、少し違って感じられます。
訪問前の最重要ポイントは、「毎日は開いていない」こと
B宝館は、通常毎月第1土曜日のみ開館します。思い立った日にいつでも入れる施設ではないため、まず開館日を確かめてから予定を立てましょう。[1]
2026年10月16日の確認時点では、次回は11月7日(土)12:00〜18:00。
公式トップページに掲載されている予定です。臨時休館の場合もあるため、出発前にB宝館公式サイトで最新の案内を確認してください。[6]
| 所在地 | 埼玉県所沢市けやき台2-32-5 |
|---|---|
| 通常の開館日 | 毎月第1土曜日 臨時休館あり |
| 開館時間 | 12:00〜18:00 最終入館17:30 |
| 入館料 | 大人800円 シニア(60歳以上)600円 学生600円 子供(小学生以下)400円 |
| 電車・徒歩 | 西武新宿線「新所沢駅」から徒歩10分 同「航空公園駅」から徒歩13分 いずれも公式案内の目安 |
| 駐車場 | 4台・1台2,000円 館からは公共交通機関の利用をお願いしています。 |
出典:B宝館「B宝館とは」「交通アクセス」。料金・開館条件は変更される場合があります。[1][7]
新所沢駅からは、公式の写真付き道案内が便利
公式アクセスページには、新所沢駅からB宝館までの写真付き道案内があります。初めて向かう場合は、公式の道案内を事前に開いておくと、道順を確認しやすくなります。[7]
館の駐車スペースは限られており、公式には公共交通機関での来館が呼びかけられています。車の場合も「着けば停められる」とは考えず、交通手段を決めておきましょう。[8]
宝物は、最初から宝物だったとは限らない
B宝館のすごさは、13万点超という数だけではありません。普段なら見過ごすものに目を向け、残し、比べられる形にしたところにあります。
お菓子のおまけも、映画館の容器も、そのときの暮らしを小さく写しています。一つでは気づきにくかったことが、並ぶと見えてくる。
次に飲み物の缶やお菓子のパッケージを手にしたら、捨てる前にデザインを一度眺めてみる。新所沢のB宝館が教えてくれる宝探しは、そんな身近なところから始められそうです。
展示の次は、新所沢の街にも目を向けて
小さな品物に時間の積み重ねを感じたら、行き帰りに使う駅の歩みにも注目を。食事を考えたい人には、同じ新所沢エリアのお店を紹介する記事もあります。