
西武線・豊島園駅|映画の世界と街の記憶
ホグワーツに向かう列車の駅が、東京の豊島園にある。
もちろん、本当に魔法学校へ行けるわけではありません。
けれど、西武線の豊島園駅には赤い柱が並び、映画に登場する駅を思わせるデザインが施されています。
その先にあるのが「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」。ホグワーツの大広間や9と3/4番線、ダイアゴン横丁などを歩ける施設です。
ここで、ちょっと気になることがあります。
ハリー・ポッターの世界を楽しむ場所なのに、なぜ名前は「テーマパーク」ではなく「スタジオツアー」なのでしょう?
そして、なぜその舞台が、かつて遊園地「としまえん」のあった場所なのでしょうか。
手掛かりを追っていくと、映画の魔法だけでなく、この街が受け継いだ意外なものまで見えてきます。
魔法の遊園地? 実は「映画の作り方」を探検する場所

まず、この施設の名前に注目してみましょう。
正式名称は「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」。
ポイントは、後半の「メイキング」という言葉です。
ここは、映画の場面を再現した空間で楽しむだけでなく、どうやってあの魔法の世界が映像になったのかを知る施設なのです。[1]
例えば、ホグワーツの大広間。
映画では、魔法学校の生徒たちが集まる場所として登場します。スタジオツアー東京では、その壮大な空間を歩きながら細部を眺められます。
長いテーブル、壁の装飾、衣装。スクリーン越しでは見落としてしまうものまで、目の前に現れます。
しかも、見どころは完成したセットだけではありません。
衣装や小道具、魔法動物の造形、特殊効果の仕組みなど、映画が作られる過程も紹介されています。[1]
魔法を見せる場所で、魔法の種明かしもしてしまう。
普通なら、秘密を知ると不思議さが薄れそうです。
ところが、映画の場合は少し違います。
動くはずのないものを動かすには、デザイン、模型、撮影技術、職人の技が必要です。
その仕事を知ると、次に映画を見たとき、魔法の場面が違って見えてくるかもしれません。
そして、この施設にはもう一つの特徴があります。展示を見るだけでなく、映画の技術に自分自身が参加できることです。
ほうきで空を飛ぶ? 魔法の正体は撮影技術にあった

ハリー・ポッターといえば、空飛ぶほうき。
あの映像を見ると、どうやって撮影したのか気になりますよね。
スタジオツアー東京では、映画制作にも使われるグリーンスクリーン技術を活用した、ほうきの撮影体験が用意されています。[2]
グリーンスクリーンとは、単色の背景を使い、後から別の映像と合成する撮影方法の一つです。
つまり、実際に空を飛ばなくても、画面の中では魔法界を飛んでいるように見せられます。
もちろん、ほうきそのものが宙に浮くわけではありません。
でも、だからこそ面白い。
映画の登場人物が体験したような場面を楽しみながら、その裏側にある技術の一端を知ることができます。
動く肖像画にも入れる?
ホグワーツの廊下に登場する、動いたり話したりする肖像画。
こちらも体験の対象です。
施設では、動く肖像画やクィディッチの撮影体験などが紹介されています。[2]
完成した映像を見るだけだった人が、今度は映像の中に参加する側になります。
映画の世界に入り込んだつもりが、いつの間にか映画制作の仕組みに触れている。
これが「スタジオツアー」という名前の面白さです。
体験前のチェック
一部の撮影体験や写真・動画商品の購入には、別料金や利用条件があります。すべての記念映像が基本入場料金に含まれるわけではないため、現地案内と公式チケット情報を確認してください。
9と3/4番線が東京に? 駅のホームまで再現する理由

大広間や魔法の授業だけなら、まだ想像がつきます。
ところが、スタジオツアー東京には、映画に登場する「9と3/4番線」の世界もあります。
ホグワーツ特急が待つ、あのホームです。[1]
考えてみれば、学校の建物だけでは、映画の世界は完成しません。
駅があり、列車があり、魔法使いたちが暮らす商店街もある。
ダイアゴン横丁まで再現されているのは、物語がホグワーツの外にも広がっているからです。
そして、スタジオツアー東京は、セットを見せるだけでは終わりません。
ホグワーツ城の模型や小道具、クリーチャー製作の展示を通じて、映画の画面に現れるまでの仕事を知ることができます。
例えば、画面では巨大な城に見えるものにも、模型を使った映画制作の技術が関わっています。
大きく見えるものが、実際に同じ大きさで作られているとは限らない。
ここで気づくのは、映画の世界が建物だけでできているわけではない、ということです。
空間の作り方、撮影の角度、特殊効果。それらが組み合わさって、一つの世界が生まれます。
さて、9と3/4番線が施設の中にあるのは分かりました。
でも、少し不思議なことに、映画の駅を思わせる演出は施設の外にも広がっています。
なぜ豊島園駅までホグワーツ風になった?

西武鉄道は2023年、スタジオツアー東京の開業に合わせて、池袋駅と豊島園駅をリニューアルしました。
この計画では、池袋駅の1・2番ホームをロンドンのキングス・クロス駅を参考にしたデザインへ。
一方、豊島園駅のホームは、映画に登場するホグズミード駅を思わせる赤を基調とした姿に改められました。[3]
つまり、映画の世界は施設の入口で突然始まるわけではありません。
池袋から豊島園へ向かう移動そのものにも、物語を感じられる仕掛けがあるのです。
これは、なかなか手の込んだ演出です。
駅のデザインに込められた、もう一つの意味
豊島園駅の新駅舎には「イマジネーションが日常に溶け込む駅」というコンセプトが掲げられました。
観光客だけのためではなく、普段から駅を利用する人にも、日常の中で少し非日常を感じてもらうという考え方です。[3]
映画を見たことがない人も、もちろんこの駅を使います。
通勤や通学で利用する駅と、魔法学校へ続く駅のイメージ。
その二つを重ねたわけです。
けれど、このリニューアルには、ハリー・ポッターだけでは説明できない部分があります。
駅には、かつての遊園地「としまえん」に関わる品々も残されているのです。
魔法の駅に残る、昔の遊園地の忘れ物

スタジオツアー東京が開業したのは、2023年6月16日。
その場所には、2020年8月まで遊園地「としまえん」がありました。[4]
新しい施設ができたことで、この土地の楽しみ方は大きく変わりました。
しかし、昔の景色がすべて消えたわけではありません。
西武鉄道の資料には、豊島園駅で、旧としまえんの模型列車や電話ボックスのオブジェ、ベンチなどをリメイクして展示したことが記されています。[3]
さらに、新駅舎のトイレには、としまえんで伐採された木材を活用した壁面アートも設けられました。
ここで、少し見え方が変わります。
赤いホームは映画の世界を思わせますが、その駅には以前の遊園地の記憶も残されています。
新しい魔法の駅なのに、昔の遊園地の面影もある。
どうやら豊島園駅は、新しい施設への入口であると同時に、かつての街の風景を受け継ぐ場所でもあるようです。
それは映画のストーリーとは別の、豊島園ならではの物語です。
2026年の冬は、ホグワーツが雪景色に変わる
スタジオツアー東京では、通常の展示に加えて期間限定の演出も行われます。
2026年11月13日(金)から2027年1月11日(月・祝)までは「マジカルウィンター」が開催予定です。[5]
ホグワーツの大広間には約400本のキャンドルが浮かぶ演出が登場し、クリスマスの装飾が施されます。
さらに、禁じられた森は冬の雪景色に変わり、ホグワーツ城の模型も白銀の姿になります。
映画制作の舞台裏を知る場所が、季節によって異なる表情を見せるのです。
駅から始まる冬のスタンプラリーも
2026年11月13日(金)から12月13日(日)には、JR東日本・西武鉄道・スタジオツアー東京が連携したデジタルスタンプラリーも開催予定です。
池袋や豊島園などの対象地点で、魔法生物をテーマにしたスタンプを集める企画です。[5]
スタンプラリーと館内の冬イベントは、終了日が異なります。
なお、スタンプラリーのためにスタジオツアー東京のチケットカウンターでスタンプを取得する場合と、館内展示を見学する場合では、チケットの要否が異なります。
館内見学は有料・日時指定です。
行く前に知っておきたい料金・時間・アクセス
スタジオツアー東京は、入館人数に上限を設けた日時指定制です。
現地窓口でもチケット販売がありますが、希望時間が売り切れる場合があるため、公式サイトでの事前購入が勧められています。[6]
- 施設名
- ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター
- 所在地
- 東京都練馬区春日町1-1-7
- 最寄り駅
- 西武池袋線(豊島線)・都営大江戸線「豊島園駅」
- 駅からの距離
- 徒歩約2分
- 池袋から
- 西武池袋駅から豊島園駅まで直通約17分(公式案内の目安)
- 営業時間
- 日付によって異なるため、公式営業カレンダーで確認
- チケット
- 日時指定制。事前購入推奨
一般入場チケットの料金
| 区分 | 料金(税込) |
|---|---|
| 大人(18歳以上) | 6,300〜7,300円 |
| 中人(12〜17歳) | 5,200〜6,000円 |
| 小人(4〜11歳) | 3,800〜4,400円 |
| 3歳以下 | 無料(乳幼児チケットが必要) |
2026年11月1日確認の公式料金表に基づきます。料金は来場日時で変動します。公式チケット販売ページでは最低価格の表示が異なる場合があるため、購入画面に表示される対象日時の料金を優先してください。[7]
練馬区民向けの優待チケットや、ガイド付きツアー、各種パッケージも設定されています。利用条件は公式案内を確認してください。
子ども連れなら、ここを先に確認
3歳以下は入場無料ですが、無料の乳幼児チケットを選択する必要があります。
また、日時指定で入場する施設のため、家族で行く場合は人数と年齢区分を確認してから予約すると安心です。
チケットは原則払い戻し不可。日時変更については、公式FAQに手数料などの条件が案内されています。[6]
車で行く場合は?
2026年12月31日までの来場分について、施設駐車場は事前予約制と案内されています。
2027年1月1日以降は、パーキングチケットの事前販売を行わない予定です。駐車場利用のルールが変わるため、来場日に合わせて確認してください。[8]
スタジオツアー東京|公式チケット案内を見る → スタジオツアー東京|公式アクセスを見る →魔法の世界を出たあと、豊島園駅が少し違って見える
最初に気になったのは、豊島園駅の赤いホームでした。
ホグワーツへ続く駅を思わせるそのデザインには、映画の世界へ向かう気分を高める役割があります。
そして、スタジオツアー東京では、大広間やホグワーツ特急を眺めるだけでなく、映画を作った人たちの仕事も知ることができます。
魔法の正体を知ることも、魔法を楽しむ方法の一つなのです。
さらに駅に目を向ければ、そこには昔の「としまえん」の品々も残されています。
映画の世界へ向かう新しい入口と、この街が長く親しんできた遊園地の記憶。
豊島園駅には、その両方があることが分かりました。
次に赤いホームを見たとき、映画の駅だけではなく、この土地の時間も少し感じられるかもしれません。
参考資料・情報確認
以下の施設・鉄道会社の公開情報を参照しました。情報確認日:2026年11月1日。
- ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「映画の世界と体験の魅力」
https://www.wbstudiotour.jp/discover-the-magic/ - ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「チケットについて・よくある質問」
https://www.wbstudiotour.jp/faqs/tickets/ - 西武鉄道「スタジオツアー東京開業に向けた池袋駅・豊島園駅リニューアル」2022年3月25日発表
https://www.seiburailway.jp/newsroom/news/20220325_renewal/ - ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「施設紹介・採用情報」開業日・立地の説明
https://www.wbstudiotour.jp/retail-associates/ - ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「マジカルウィンター」2026年冬季企画
https://www.wbstudiotour.jp/magical-winter/ - ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「チケットについて」予約・変更・購入条件
https://www.wbstudiotour.jp/faqs/tickets/ - ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「公式料金表」
https://www.wbstudiotour.jp/ticket-information/price/ - ワーナー ブラザース スタジオツアー東京「交通アクセス」駐車場・鉄道アクセス
https://www.wbstudiotour.jp/plan-your-visit/location/
料金・企画内容・営業時間・チケット販売状況は変更される場合があります。お出かけ前には各公式サイトの最新情報をご確認ください。