豊島園駅はなぜ駅名が残った?としまえん閉園後、ハリー・ポッター仕様へ大変身
2020年に遊園地「としまえん」が閉園したのに、西武線と都営大江戸線の駅名はいまも「豊島園」のまま。しかも西武線の豊島園駅は、跡地に誕生した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京」の開業に合わせ、赤を基調とした“魔法界の駅”のような姿へ大胆にリニューアルされました。
「としまえん」という遊園地そのものは2020年8月31日に閉園しましたが、豊島園駅は廃止も改称もされませんでした。その後、西武鉄道は駅名そのものを変えるのではなく、駅名標へ「スタジオツアー東京」のロゴを加え、ホームや駅舎をハリー・ポッターの世界観につながるデザインへ改修。つまり現在の豊島園駅は、昔の名前を残したまま、駅のキャラクターだけが大きく生まれ変わったという、かなり珍しい場所です。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
スタジオツアー東京の最寄り駅として明確な個性がある
日常の買い物
2023年に駅舎とホームを大規模リニューアル
外食・カフェ
旧としまえんの設備や素材を駅に再利用している
子育て環境
西武線と都営大江戸線の2路線を利用できる
自然・散歩
駅を出る前から魔法界への演出が始まる
地域のにぎわい
施設の日時指定チケット利用者が集中する時間帯がある
遊園地がなくなったのに、なぜ「豊島園駅」のまま?
ここが一番気になるところです。
駅名の元になった遊園地「としまえん」は、2020年8月31日をもって閉園しました。ところが、西武鉄道の豊島園駅も、都営大江戸線の豊島園駅も、2026年現在まで駅名はそのまま使われています。
そして興味深いのは、スタジオツアー東京の開業時にも「ハリー・ポッター駅」や「スタジオツアー東京駅」へ改称するのではなく、「豊島園」の名前を維持したことです。
公式発表で確認できるのは「改称」ではなく“副駅名的な追加”
西武鉄道は2023年のリニューアルで、駅名標そのものを「豊島園」から別名へ変更したのではなく、既存の豊島園駅サインに「スタジオツアー東京」のロゴを掲載しました。
つまり、新施設への玄関口であることを強く打ち出しながらも、「豊島園」という駅名は残す設計です。なお、今回確認した西武鉄道の公式資料では「駅名をなぜ変更しなかったのか」という理由そのものまでは明記されていません。
豊島園駅、かなり強めに“魔法界仕様”へ改造された
駅名は昔のままですが、2023年以降の西武・豊島園駅を見ると、雰囲気は別物です。
西武鉄道が掲げた新駅舎のコンセプトは、「イマジネーションが日常に溶け込む駅」。普段使いする地域住民の日常と、スタジオツアー東京へ向かう来場者の非日常をつなぐ場所として設計されました。
| 場所 | リニューアル内容 | 魔法界との接点 |
|---|---|---|
| 豊島園駅ホーム | 柱・駅名標・自販機などを赤基調へ | ホグワーツへ続く「ホグズミード駅」をイメージ |
| 駅名標 | 「豊島園」の名称を維持しつつスタジオツアー東京のロゴを掲載 | 駅を降りる前から目的地を意識させる演出 |
| 新駅舎 | 2023年4月25日から供用開始 | 日常と非日常をつなぐ“ゲート”を意識 |
| 駅前広場 | イングリッシュガーデンをイメージして再整備 | 英国的な雰囲気を駅の外まで連続させる |
ただのハリー・ポッター駅ではない。旧としまえんの記憶も残している
このリニューアルで面白いのは、「昔のとしまえんを全部消して新しい世界観へ塗り替えた」わけではないところです。
西武鉄道は、旧としまえんで使われていた模型列車、電話ボックスのオブジェ、ベンチなどをリメイクして豊島園駅に展示しました。
さらに、駅のトイレには、としまえんで伐採した木材を利用した壁面アートも設置されています。
2026年に公開された西武鉄道の採用プロジェクトストーリーでも、駅づくりでは旧としまえんのベンチや電話ボックス、模型列車などのレガシーを再構成し、ハリー・ポッターの世界観と重ねる考え方が紹介されています。
池袋からすでに“英国化”は始まっている
実は魔法界仕様になったのは豊島園駅だけではありません。
西武池袋駅では、豊島園方面の列車が主に発着する1・2番ホームを、英国ロンドンのキングス・クロス駅を参考にリニューアル。レンガ調の壁やネイビー系の駅サイン、魔法使いやフクロウをモチーフにした演出が取り入れられました。
池袋から電車に乗り、豊島園でホグズミード駅を思わせる赤いホームへ到着する――。単に施設の最寄り駅を改装したのではなく、池袋から豊島園までの鉄道移動そのものを“物語への導入”にしたわけです。
スタジオツアー東京だけが目的なら都営大江戸線の豊島園駅も便利ですが、「駅まで含めてハリー・ポッターの世界観を味わいたい」という人は、西武池袋駅から西武線で豊島園へ向かうとリニューアルの意図が分かりやすくなっています。
現在の豊島園駅は何の最寄り駅?
旧としまえん閉園後の大きな目的地は、2023年に跡地へ開業した「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」です。
施設では、大広間やダイアゴン横丁、9と3/4番線など映画制作で知られる世界観を体験でき、公式サイトでは平均的な滞在時間の目安を約4時間と案内しています。
西武線・都営大江戸線の豊島園駅から施設までは徒歩約2分です。
豊島園駅自体は通常の鉄道駅なので、駅を見るだけならスタジオツアーのチケットは不要です。一方、スタジオツアー東京へ入館する場合は日時指定の事前予約制。駅まで行ってから当日券を探す施設ではないため、見学日が決まっている人は先に空き枠を確認しておく方が動きやすいです。
KKdayでスタジオツアー東京の日時指定チケットを確認する「としまえん」は消えたのに、「豊島園」が残る不思議さ
2020年までの豊島園駅は、駅を降りれば巨大な遊園地が待っている駅でした。
その遊園地は閉園しましたが、駅はなくならず、名前も変わらない。そして今度は、その駅自体が新しい目的地の世界観を背負う場所になりました。
普通なら「施設がなくなったから駅名も古く見える」と考えたくなるところですが、豊島園駅の場合は逆です。
「豊島園」という昔からの名前を残し、その上から新しい物語を重ねる。
だからこそ、駅名標の「TOSHIMAEN」という文字の下にスタジオツアー東京のロゴが並ぶ現在の姿には、この街の変化がかなり凝縮されています。
「名前は昔のまま、中身は別世界」というギャップが豊島園駅の面白さ
旧遊園地時代を知る人からすると懐かしい「豊島園」。初めて訪れる海外客や若い世代にとっては、ハリー・ポッターのスタジオツアーへ向かう駅。その両者が同じ駅名を使っていること自体が、現在の豊島園らしさになっています。
SNS・動画で見る豊島園駅の“魔法化”
豊島園駅へ行く前に知っておきたいこと
Q. としまえんは現在もありますか?
遊園地「としまえん」はありません。2020年8月31日に閉園しました。「豊島園庭の湯」は閉園対象外として営業が継続されました。
Q. 豊島園駅はハリー・ポッター駅に改名された?
改名されていません。西武線も都営大江戸線も駅名は「豊島園」です。西武線側では駅サインへスタジオツアー東京のロゴが加えられています。
Q. 豊島園駅を見るだけでもチケットが必要?
必要ありません。通常の鉄道駅なので、乗車に必要なのは通常の鉄道運賃です。スタジオツアー東京へ入館する場合は別途日時指定チケットが必要です。
Q. どちらの豊島園駅がハリー・ポッター仕様?
今回紹介しているホグズミード駅を思わせる赤基調のホームや、としまえんのレガシー展示などは西武豊島線の豊島園駅です。都営大江戸線にも同名の豊島園駅があります。
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まとめ|豊島園駅は「消えた遊園地」と「新しい魔法界」が同居する駅
としまえんが閉園したあとも、駅名は「豊島園」のまま残りました。
ところが駅の中へ入ると、赤い柱や駅名標、英国風の駅前空間など、そこにはかつてとは違う景色があります。一方で、旧としまえんの模型列車やベンチ、電話ボックス、伐採材まで再利用され、昔の遊園地の記憶も完全には消されていません。
名前は変わらない。景色は大胆に変わる。でも昔の痕跡も残す。
豊島園駅は、単なる「ハリー・ポッターの最寄り駅」以上に、ひとつの街が時代に合わせて役割を変えていく様子を、駅そのもので見られる場所になっています。
西武鉄道「池袋駅・豊島園駅リニューアル」/西武鉄道 豊島園駅公式ページ/東京都交通局 豊島園駅公式ページ/ワーナー ブラザース スタジオツアー東京公式サイト/練馬区「都市計画練馬城址公園の整備」
