恋ヶ窪駅は全国に4つだけの「恋」の駅|恋駅きっぷと名前の由来をたどる
西武国分寺線の恋ヶ窪駅は、駅名に漢字の「恋」が入る全国でも珍しい駅です。現在確認できる「恋」のつく4駅は、北海道の母恋駅、岩手県の恋し浜駅、東京都の恋ヶ窪駅、鳥取県の恋山形駅。2013年には4社が連携し、バレンタインデーに向けて「日本に4つ 恋の駅きっぷ」を限定発売しました。
ただし、ここは少し注意したいところ。2013年の限定きっぷは公式資料で確認できますが、2026年現在、同じ「恋の駅きっぷ」がバレンタイン時期に毎年販売されているわけではありません。「毎年記念きっぷを求めて鉄道ファンが集まる駅」というより、過去に4つの恋駅を結んだユニークな鉄道企画が実施され、現在も駅名そのものが鉄道好きや街歩き好きの興味を引いている駅、と捉えるのが正確です。
3秒で分かる恋ヶ窪駅
全国に4つの「恋」駅
母恋・恋し浜・恋ヶ窪・恋山形の4駅が現役の「恋」のつく駅として確認できます。
恋の駅きっぷを発売
バレンタインに向け、JR北海道・三陸鉄道・西武鉄道・智頭急行が共同企画を実施しました。
西武版の発売数
当時の恋ヶ窪駅版は1,000セット。4社の中で最も多い設定でした。
西武国分寺線の駅
東京都国分寺市戸倉にある、西武国分寺線の小さな住宅地の駅です。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
国分寺線で国分寺方面へアクセスできる
日常の買い物
駅周辺は住宅地中心で落ち着いて歩ける
外食・カフェ
姿見の池や恋の伝説と組み合わせて散歩できる
子育て環境
駅周辺に日常使いの店舗がある
自然・散歩
全国4駅だけの恋のつく現役駅名という特徴がある
地域のにぎわい
大規模観光地ではなく通常時の著しい混雑は確認できない
恋ヶ窪駅の基本情報
西武鉄道の現行駅情報でも、恋ヶ窪駅は国分寺線の駅として掲載されています。駅は観光施設そのものというより、住宅地の中にある生活駅。その普通の風景の中に、突然「恋ヶ窪」という強い駅名が現れるギャップも面白さのひとつです。
恋ヶ窪駅は2025年3月25日から駅係員による遠隔対応駅となり、駅係員による乗車券類の発売・精算など窓口対応は終了しています。過去の「恋の駅きっぷ」を目当てに現地へ行っても、2013年の商品を購入できるわけではありません。
本当に「恋」がつく駅は全国に4つしかない?
現在の鉄道駅で、駅名の漢字に「恋」が入る駅として知られているのは次の4駅です。2013年の4社共同公式資料でも、この4駅を「全国に4つしかない、“恋”がつく駅名」としています。
母恋駅
北海道室蘭市。JR北海道・室蘭本線の駅。
恋し浜駅
岩手県大船渡市。三陸鉄道リアス線の駅。
恋ヶ窪駅
東京都国分寺市。西武鉄道国分寺線の駅。
恋山形駅
鳥取県智頭町。智頭急行智頭線の駅。
※過去には「恋路駅」など「恋」を含む廃止駅もありました。ここでいう4駅は現在営業している駅を基準としています。
バレンタインに発売された「日本に4つ 恋の駅きっぷ」とは?
4つの駅を、4社が本当にひとつの企画で結んだ
2013年1月、JR北海道・三陸鉄道・西武鉄道・智頭急行の4社は「恋駅プロジェクト」の初共同企画として、「日本に4つ 恋の駅きっぷ」を発表しました。
発売期間は2013年1月15日から3月14日まで。2月14日のバレンタインデーに向けて、きっぷ台紙をメッセージカードとして使えるデザインになっていました。4社分を集めると絵柄がひとつにつながり、四つ葉のクローバーになる仕掛けまで用意されていました。
| 鉄道会社 | 恋の駅 | 当時の価格 | 発売数 |
|---|---|---|---|
| JR北海道 | 母恋駅 | 400円 | 500セット |
| 三陸鉄道 | 恋し浜駅 | 520円 | 500セット |
| 西武鉄道 | 恋ヶ窪駅 | 500円 | 1,000セット |
| 智頭急行 | 恋山形駅 | 500円 | 200セット |
恋ヶ窪駅版は、恋ヶ窪駅のほか池袋駅・所沢駅でも発売され、1人2セットまでという購入制限も設けられていました。鉄道好きにとっては、駅名の珍しさに加えて、4社を横断して集める「コレクション性」が高い企画だったことが分かります。
[ekirip-chart type="bar" title="2013年「恋の駅きっぷ」の発売セット数" description="4社共同発表資料に記載された各社の発売数を比較" labels="母恋|恋し浜|恋ヶ窪|恋山形" values="500|500|1000|200" unit="セット" source="智頭急行・JR北海道・三陸鉄道・西武鉄道 共同発表資料" source_url="[https://www.chizukyu.co.jp/photolib/chizukyu/7836.pdf](https://www.chizukyu.co.jp/photolib/chizukyu/7836.pdf)" note="2013年当時の限定企画の発売数。現在販売中の商品数ではありません。"]2026年のバレンタインにも記念きっぷは買える?
記事確認時点では、2013年と同じ「日本に4つ 恋の駅きっぷ」の2026年版発売は確認できません。
ここは検索すると誤解しやすいポイントです。「恋ヶ窪」「バレンタイン」「記念きっぷ」という組み合わせには実際の歴史がありますが、それは2013年の共同企画。過去のニュースが検索結果に残っているため、現在も販売されているように見えることがあります。
一方、西武鉄道は2025年にも公式おでかけコンテンツで「気持ちほんわか♡ 国分寺駅から 恋がつく駅・恋ヶ窪へ。」というモデルコースを公開しており、「恋」という駅名を楽しむ街歩き自体は今も現役です。
なぜ「恋ヶ窪」という名前になったの?
名前の裏側には、恋の伝説が残っている
恋ヶ窪の地名由来には複数の説があり、ひとつに断定することはできません。その中で国分寺市が紹介しているのが、武将・畠山重忠と傾城・夙妻太夫にまつわる悲恋の伝説です。
西国分寺駅に近い「姿見の池」は、宿場町だった恋ヶ窪の遊女たちが姿を映した池と伝えられています。そして夙妻太夫が畠山重忠を慕い、この池に身を投げたという伝承も残ります。国分寺市も、これを「恋ヶ窪という地名の由来の一つ」と紹介しています。
「恋」だけが由来とは限らない
地域に伝わる説はそれだけではありません。恋ヶ窪の東福寺では、「国府の近くの窪地」を意味する言葉が変化した説、清水で鯉を育てていたため「鯉ヶ窪」と呼ばれた説など、複数の由来を紹介しています。つまり、ロマンチックな悲恋伝説を楽しみつつ、地名の成立には諸説あると知っておくのがよさそうです。
恋ヶ窪へ行くなら「姿見の池」まで歩くと物語がつながる
駅名だけを撮って帰るのも鉄道旅らしい楽しみ方ですが、恋ヶ窪の名前を深く味わうなら、姿見の池まで足を延ばすと街歩きがぐっと面白くなります。
姿見の池
国分寺市が管理する湧水地で、平成5年に東京都の「国分寺姿見の池緑地保全地域」に指定されています。現在は水辺や林を含めた緑地として整備され、武蔵野らしい風景を感じられる場所です。
一葉松
夙妻太夫の死を哀れんだ里人が墓標として植えたと伝わる松。伝説の松自体は枯れていますが、現在は枝を植え継いだ松が東福寺に残されています。
SNS・動画で見る現在の恋ヶ窪
「恋」の駅を巡る人、駅そのものを撮影する人、住宅地を静かに歩く人など、恋ヶ窪は大規模観光地とは違う形で記録されています。
恋ヶ窪駅はどんな街歩きに向いている?
恋ヶ窪は「駅を降りた瞬間から観光スポットが並ぶ街」ではありません。むしろ、珍しい駅名を入口にして、住宅地や古い地名、湧水、歴史の痕跡を拾いながら歩くタイプの街です。
鉄道好き
全国4駅しかない「恋」の駅のひとつを実際に訪れたい人に。
カップル散歩
バレンタインや記念日に、少し変わった東京散歩をしたい人に。
地名好き
「なぜ恋ヶ窪?」から土地の歴史や伝承をたどるのが好きな人に。
静かな街歩き
有名観光地より、住宅街や水辺をゆっくり歩きたい人に。
恋ヶ窪散歩のあとに、国分寺で食事を組み合わせるなら
恋ヶ窪駅そのものは住宅地の生活駅なので、記念日らしい食事まで組み合わせたい場合は国分寺駅周辺まで移動すると選択肢が増えます。一休.comレストランには恋ヶ窪駅周辺・国分寺エリアの予約可能店が掲載されています。料金や空席は利用日によって変わるため、行く日が決まっている人だけ事前に確認すると便利です。
一休.comレストランで恋ヶ窪駅周辺の食事を確認する恋ヶ窪駅の「現地感」は、派手さよりギャップ
「恋」という一文字から、ハートだらけの観光駅を想像して訪れると、おそらく第一印象はかなり普通。
でも、その普通さこそ恋ヶ窪の面白いところです。住宅地を走る国分寺線の小さな駅が、全国でたった4つの「恋」の駅。さらに少し歩けば、地名の背景につながる悲恋伝説や姿見の池が残っています。
駅名だけで終わらず、街を歩くと意味が増えていくタイプの駅です。
こんな人におすすめ
- 珍しい駅名や難読駅、鉄道ネタが好きな人
- 「恋」がつく全国4駅を巡ってみたい人
- バレンタインや記念日の少し変わった散歩先を探している人
- 地名の由来や鎌倉時代の伝承が好きな人
- 国分寺・西国分寺と組み合わせて半日散歩したい人
この街を575にしてみた
降りれば静か
武蔵野路
駅との相性・街目線
恋ヶ窪駅は、西武国分寺線で国分寺方面へつながる駅。西武線沿線から「珍しい駅名を見に行く」という目的だけでも立ち寄りやすく、国分寺や西国分寺を含めた散歩へ広げやすい位置にあります。
恋ヶ窪駅そのものと、地名伝説の舞台として紹介される姿見の池は同じ場所ではありません。そのため、駅前だけ見て「恋ヶ窪には何もない」と判断するより、周辺まで歩いて初めてこの名前の面白さが見えてきます。
国分寺市は、市内へのアクセス例として西武国分寺線の恋ヶ窪駅も紹介しています。西武線から中央線方面へ抜ける途中に組み込めるため、「恋ヶ窪だけを目的地にする」より、国分寺エリア全体を半日で楽しむプランとの相性がよさそうです。
関連するekirip記事
行く前に知っておきたいこと
「恋の駅きっぷ」は現在販売中の商品ではない
この記事で紹介した限定きっぷは2013年の企画です。現在の販売商品と誤解しないよう注意してください。
恋ヶ窪駅は遠隔対応駅
2025年3月から駅係員による窓口での乗車券発売などは終了しています。駅で係員対応が必要な場合は、現行の西武鉄道案内を確認してください。
駅名由来は「悲恋伝説」だけではない
姿見の池と夙妻太夫の伝承は国分寺市にも紹介されていますが、地名の由来にはほかの説もあります。「恋から生まれた地名」と断定しない方が正確です。
恋ヶ窪駅のQ&A
Q. 「恋」がつく駅は日本に何駅ありますか?
現在営業している鉄道駅では、母恋駅・恋し浜駅・恋ヶ窪駅・恋山形駅の4駅が知られています。2013年の鉄道4社共同発表でも「全国に4つ」とされています。
Q. 恋ヶ窪駅でバレンタイン限定きっぷは買えますか?
2013年には「日本に4つ 恋の駅きっぷ」が発売されましたが、2026年現在、その商品は販売されていません。
Q. 恋ヶ窪という名前は恋愛が由来ですか?
悲恋伝説に由来する説がありますが、国府近くの窪地から変化した説や「鯉ヶ窪」説などもあり、由来は一説に限定できません。
Q. 恋ヶ窪駅は観光駅ですか?
基本的には住宅地の生活駅です。駅名、歴史、姿見の池などを組み合わせた街歩きとして楽しむのがおすすめです。
Q. 鉄道ファン向けの見どころは?
全国4駅という駅名の希少性と、4鉄道会社が共同で「恋駅プロジェクト」を行った歴史が大きなポイントです。
一言でいうと
「恋の駅」を見に行ったら、街の昔話まで残っていた
全国に4つしかない「恋」の駅。その響きだけでも、一度ホームに降りて駅名標を見てみたくなります。
2013年にはバレンタインに合わせて4社共同の記念きっぷまで登場しました。けれど恋ヶ窪の面白さは、限定きっぷの思い出だけではありません。
少し歩けば姿見の池があり、さらに古い恋ヶ窪という地名の伝承へつながっていく。派手な観光駅ではないからこそ、「なぜこんな名前なんだろう?」という小さな疑問が、そのまま街歩きの入口になります。
