競艇場前駅はレース開催日だけ別の駅?静かな住宅街が一変する“目的地型駅”の正体
西武多摩川線の競艇場前駅。名前の通りボートレース多摩川の最寄駅ですが、この駅のおもしろさは「競艇場が近い」だけではありません。 普段は住宅地の小駅なのに、本場開催日になると改札から競走場へ人の流れが生まれる。つまり、開催日と非開催日で駅前の体感人口が大きく変わる駅です。
ただし最初にひとつ訂正しておきたいポイントがあります。競艇場前駅は利用者の少ない駅ではあるものの、公開されている西武鉄道の駅別乗降人員を見る限り、「西武線全駅で一番少なかった」とは確認できません。2025年度は1日平均3,031人で全92駅中82位。現在は正丸駅や西吾野駅など、さらに利用者の少ない駅があります。
西武鉄道・ボートレース多摩川公式サイトの最新公開情報を確認しています。
3秒で分かる競艇場前駅
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
武蔵境から西武多摩川線でアクセスできる
日常の買い物
駅周辺には住宅地も広がっている
外食・カフェ
多摩川方面への散歩にもつなげられる
子育て環境
駅名通りボートレース多摩川へのアクセス性が非常に高い
自然・散歩
駅単体の乗降人員は西武線内では少ない部類
地域のにぎわい
本場開催日に競走場方向へ人の流れが生まれる
競艇場前駅の利用者は本当に少ない?
はい。西武線全体で見ると、競艇場前駅は明確に利用者の少ないグループに入ります。 2025年度の1日平均乗降人員は3,031人。順位は92駅中82位です。
ただし、「西武線で一番少ない駅」という表現は正確ではありません。2025年度の最少は正丸駅の146人で、競艇場前駅よりも西武秩父線の山間部などに利用者の少ない駅があります。
競艇場前駅のおもしろさは「西武線最少駅」ということではなく、日常利用が比較的少ない駅のすぐ横に、多数の来場者を受け入れるボートレース場があること。この構造が、開催日と非開催日の印象差を大きくしています。
コロナ禍では2,261人まで減少。その後は回復
競艇場前駅の乗降人員は2019年度に2,924人でしたが、2020年度には2,261人まで減少しました。 ボートレース場やレジャー目的の移動が影響を受けた時期と重なりますが、西武鉄道の数字はあくまで駅全体の年間平均なので、減少理由を競艇場だけに限定することはできません。
その後は2021年度2,518人、2022年度2,773人、2023年度2,869人、2024年度2,977人、2025年度3,031人と、5年続けて回復しています。
[ekirip-chart type="line" title="競艇場前駅の1日平均乗降人員の推移" description="西武鉄道が公開する2021年度~2025年度の駅別乗降人員" labels="2021年度|2022年度|2023年度|2024年度|2025年度" values="2518|2773|2869|2977|3031" unit="人" source="西武鉄道 駅別乗降人員(1日平均)の推移" source_url="[https://www.seiburailway.jp/company/passengerdata/file/2021-2025joukousuii.pdf](https://www.seiburailway.jp/company/passengerdata/file/2021-2025joukousuii.pdf)" note="各年度の1日平均乗降人員。開催日だけの利用者数を示したものではありません。"]開催日と非開催日で、なぜこんなに雰囲気が変わる?
理由はかなりシンプルです。駅そのものが巨大な目的地の玄関口としてつくられているからです。
競艇場前駅を降りて競走場側へ進むと、ボートレース多摩川へ向かう動線が続きます。 本場開催日には「駅を出て住宅街へ散っていく」のではなく、同じ目的地へ向かう人がまとまって移動するため、小さな駅の規模に対して人の流れがかなり濃く見えます。
逆に本場開催がない時間帯は、駅周辺の住宅地を利用する人や多摩川方面へ向かう人が中心。目的地へ向かうまとまった人流が消えるので、同じ駅でも空気が大きく変わります。
つまり「人口そのものが激増する」というより、短い時間・狭い導線へ来場者が集中するため、体感的な人口密度差が大きくなると考えるのが正確です。
西武鉄道が公開しているのは年度単位の1日平均です。そのため「開催日は非開催日の○倍」といった数字は、確認できる公開データがない限り断定できません。
2026年8月も、本場開催日が点在する
ボートレース多摩川公式サイトでは2026年8月にも複数の本場開催が設定されています。 開催日程は変更される場合があるため、実際に訪れる場合は当日の公式日程を確認するのが確実です。
また、2026年8月8日時点の公式サイトでは「開催中」と表示され、開門時間は10:30と案内されています。このような日は競艇場前駅からボートレース場へ向かう来場者の流れを実感しやすいタイミングです。
ボートレース多摩川の開催日程を確認そもそも、なぜ「競艇場前」という直球すぎる駅名?
競艇場前駅は1919年6月1日に「常久駅」として開業しました。 その後、府中競艇場の開場に合わせ、1954年5月1日に現在の「競艇場前駅」へ改称されています。
つまり「競艇場がある場所にたまたま駅ができた」のではなく、競艇場という巨大な目的地の存在が駅名そのものを書き換えたわけです。
西武線には西武球場前、西武園、西武園ゆうえんちなど“目的地を名前に刻んだ駅”がありますが、競艇場前もその代表例。駅名を見ただけで降りる理由が分かる、非常に機能的な名前です。
駅のすぐ先が住宅街。この落差もすごい
「競艇場前」という名前だけを見ると、駅の周囲すべてが巨大なレジャー施設のようにも感じます。 ところが駅所在地は東京都府中市小柳町4丁目。反対方向へ目を向ければ普通の住宅地が広がっています。
つまり競艇場前駅には、かなり近い範囲に「日常の住宅街」と「大規模公営競技場」が同居しています。 開催がなければ生活の駅。開催されれば観戦客の駅。この二面性こそが、競艇場前らしさです。
ボートレース多摩川へは競艇場前駅が圧倒的に分かりやすい
ボートレース多摩川は、西武多摩川線の競艇場前駅から徒歩でアクセスできます。 一方、JR府中本町駅と京王線多磨霊園駅からは無料送迎バスも運行され、公式案内では初便以降おおむね10~20分間隔です。
| ルート | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 競艇場前駅 | 駅名どおり最寄駅。徒歩で競走場へ向かえる | 中央線・武蔵境方面から来る人 |
| 府中本町駅 | 開催時は無料送迎バスあり | 南武線・武蔵野線利用者 |
| 多磨霊園駅 | 開催時は無料送迎バスあり | 京王線利用者 |
駐車場もありますが、公式サイトでは台数に限りがあるため公共交通機関の利用を推奨しています。北駐車場約80台、東駐車場約250台、駅裏駐車場約50台で、北・駅裏は本場開催時のみ利用可能とされています。
SNS・動画で見る「競艇場前」のリアル
「レース開催日だけ混む駅」は西武線にもほかにある
競艇場前と似た構造を持つ代表格が西武球場前駅です。 ベルーナドームで試合やライブがある日は大量の来場者が集中し、何もない日は駅前の空気が大きく変わります。
ただし競艇場前駅は、西武球場前よりも年間平均の利用者がかなり少ないため、日常時とイベント時の“人の存在感の落差”が際立ちやすいのが特徴です。 2025年度は西武球場前が11,901人、競艇場前が3,031人でした。
数字では「混雑差」を直接測れない。でも構造を見ると理由が分かる
西武鉄道の乗降データは年度平均なので、本場開催日と非開催日を直接比較することはできません。 一方で、競走場が駅至近にあり、開催日にそこへ向かう人流が生まれること、開催日程が月の一部に集中していることは公式情報から確認できます。
そのため競艇場前駅は、「年間平均では小駅なのに、特定の日だけ目的地駅としてスイッチが入る」という見方をすると、一気におもしろくなります。
現地感を想像すると、いちばん面白いのは“帰り”かもしれない
動画やアクセス情報を見ると、本場開催時は駅と競走場の間に明確な動線があります。 特に最終レース終了後などは、普段なら人が分散している小さな駅に、同じ方向へ帰る人がまとまって戻ってくる場面が想像できます。
そして人の流れが引けば、再び住宅地の小駅へ戻っていく。 巨大ターミナルでは味わえない、街のONとOFFが分かりやすい駅です。
この街を575にしてみた
人波消えて
小さな駅
駅との相性・街目線で見ると?
| 楽しみ方 | 相性 | ポイント |
|---|---|---|
| 西武線の珍駅巡り | かなり良い | 駅名、歴史、利用者数、目的地型構造までネタが多い |
| ボートレース観戦 | 非常に良い | 駅名そのままの最寄駅 |
| 街歩き | 良い | 住宅地と競走場、多摩川方面の景色の違いを楽しめる |
| 駅前ショッピング | 低め | 大型商業駅ではなく、目的を決めて降りるタイプ |
| 「人が少ない駅」を味わう | 非開催日向き | 本場開催日とは違う静かな駅の顔が見えやすい |
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競艇場前駅についてよくある疑問
一言でいうと、競艇場前駅は?
レースの日だけ、
街のスイッチが入る駅。
「西武線最少」ではない。でも、それ以上に面白い
競艇場前駅を「西武線で一番利用者が少ない駅」として紹介すると、現在の公式データとはズレてしまいます。
でも、この駅にはもっと強い個性があります。 2025年度でも1日平均3,031人という小さな駅の目の前に、ボートレース多摩川という巨大な目的地がある。 だからこそ、本場開催日には人の流れが一方向へ集まり、非開催時とはまるで違う表情になる。
駅名も、駅の構造も、人の動きも、すべてがボートレース場とつながっている。 競艇場前は、西武線の中でもかなり分かりやすく「イベントで人格が変わる駅」なのです。
