小竹向原駅はなぜ複雑?有楽町線・副都心線・西武線が交わる“地下の鉄道要衝”
小竹向原駅は、東京メトロ有楽町線と副都心線、そして西武有楽町線が接続する地下駅です。さらに列車は西武池袋線、東武東上線、東急東横線、みなとみらい線方面へ直通。現在は副都心線系統から相鉄線方面につながる列車もあり、東京の地下にありながら埼玉・神奈川まで広がる巨大な直通ネットワークの分岐点になっています。
ただし、「小竹向原がダイヤ乱れを生み出す駅」というイメージには重要な続きがあります。かつて存在した厄介な平面交差は2016年までに解消され、東京メトロは安定輸送のため大規模な連絡線を建設しました。つまり今の小竹向原は、「昔の弱点を巨大工事で克服した鉄道要衝」と見るのがより正確です。
有楽町線・副都心線と西武線が地下で分岐する駅。
かつては線路同士が平面交差し、ひとつの遅れが別系統へ波及しやすい構造でした。2013年・2016年の連絡線完成によってこの平面交差は解消されています。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
複数の直通系統が交わる首都圏有数の鉄道要衝
日常の買い物
有楽町線と副都心線に加えて西武線へ直接つながる
外食・カフェ
埼玉から神奈川まで直通ネットワークが広がる
子育て環境
地上は住宅地中心で巨大繁華街ではない
自然・散歩
駅周辺は生活圏として落ち着いた街並み
地域のにぎわい
行先と直通先が多く運行系統を意識する場面が多い
小竹向原駅は何がそんなに複雑なの?
まず押さえておきたいのは、ホーム上に「東急東横線」という独立した路線が乗り入れているわけではないことです。
小竹向原駅そのものは東京メトロ有楽町線・副都心線と西武有楽町線の接続点です。ところが副都心線が渋谷から東急東横線へ、その先では横浜高速鉄道みなとみらい線などへ相互直通するため、小竹向原を通る列車の行先が一気に広域化します。
東京メトロ
→東武東上線方面
小竹向原
/
西武有楽町線
→西武池袋線方面
有楽町線
都心側も分岐
副都心線
→東急東横線方面
なぜ小竹向原が「ダイヤ乱れの要衝」と呼ばれたのか
原因は「列車が多い」だけではなかった
かつて小竹向原〜千川間では、有楽町線方面へ進む列車と副都心線方面へ進む列車の進路が同じ高さで交差する「平面交差」になっていました。
東京メトロ自身も、この構造について「ダイヤが乱れた際にその影響をさらに拡大」させる問題があると説明していました。
鉄道で平面交差があると、一方の列車が交差部分を通っている間、もう一方の列車は基本的に進路が空くのを待つ必要があります。
通常運転ではダイヤ上で順番を調整できます。しかし数分の遅れで列車の順序が変わると、待たされた別の列車も遅れ、その遅れがさらに後続列車へ……という連鎖が起こりやすくなります。
しかも小竹向原の場合、相手は同じ会社・同じ1路線だけではありません。西武方面、東武方面、有楽町線方面、副都心線・東急方面という複数方向の列車が集まります。
東京メトロが公式資料で小竹向原を「複雑に走行する要衝」と表現していたほどです。
実は2016年、「弱点」は大工事で解消された
ここは現在の小竹向原を語るうえでかなり重要です。
池袋方面側の連絡線は2013年に完成。続いて和光市方面側も2016年2月14日から運用を開始し、問題になっていた有楽町線・副都心線の平面交差が解消されました。
新しい連絡線によって列車の進路を立体的に分離。東京メトロは、ダイヤが乱れた場合にも影響を軽減し、定時運転へ復帰するまでの時間短縮につながると説明しています。
鉄道マニア的には「乱れやすい駅」より「乱れ対策に本気を出した駅」
小竹向原の面白さは、複雑な直通運転そのものだけではありません。その複雑さが実際の運行上の弱点となり、地下に新しい連絡線を造って平面交差を消すほどの改良工事につながったことです。国立国会図書館には、この事業を「鉄道7路線の安定輸送を可能にした」「日本初の地下鉄営業線平面交差解消事業」とする東京地下鉄の資料も所蔵されています。
では、今も他路線の遅れは小竹向原まで来る?
はい。直通ネットワークが巨大である以上、直通先の運行状況の影響を受ける可能性は残ります。
2026年現在、東京メトロは副都心線の相互直通先として東急電鉄、東武鉄道、西武鉄道、横浜高速鉄道、相模鉄道を案内しています。
つまり神奈川県側など離れた場所でトラブルが起きた場合でも、列車の直通運転変更や行先変更などを通じ、副都心線系統に影響が及ぶことがあります。
昔:小竹向原そのものの「平面交差」が遅延拡大の要因だった。
現在:平面交差は解消済み。ただし巨大な相互直通ネットワークの結節点なので、遠方の運行トラブルと無関係ではない。
2023年からさらにネットワークは広がった
2023年3月には東急新横浜線・相鉄新横浜線が開業し、副都心線系統のネットワークはさらに巨大化しました。
ただし、西武有楽町線・西武池袋線は東急新横浜線・相鉄線へ直接乗り入れません。東京メトロの発表でも、西武線と相鉄新横浜線・東急新横浜線は直通運転を行わないことが明記されています。
ここも小竹向原の路線図を眺めていると混乱しやすいポイントです。「ネットワークとしてつながっている」ことと、「すべての列車がすべての路線へ直通する」ことは別です。
小竹向原は乗換駅なのに、なぜ巨大ターミナル感がない?
地上へ出ると、池袋や渋谷のような巨大駅前広場や繁華街はありません。
小竹向原駅の所在地は東京都練馬区小竹町2丁目。公式案内では1〜4番出入口があり、武蔵野音楽大学、小竹図書館、東京武蔵野病院などが周辺施設として案内されています。地上は比較的落ち着いた住宅地です。
だからこそ面白いのが、地上の静けさと地下のダイヤの巨大さのギャップです。
2025年度の東京メトロ・小竹向原駅の1日平均乗降人員は184,844人。東京メトロでは他社との直通連絡駅として集計されており、街の見た目以上に巨大な交通量を抱えています。
小竹向原駅で迷いやすいポイント
| 確認ポイント | 気をつけたいこと |
|---|---|
| 和光市方面/西武方面 | 同じ「埼玉方面」でも、和光市側へ進む列車と西武線へ進む列車があるため行先を確認。 |
| 有楽町線/副都心線 | 都心側では新木場方面と渋谷方面へ分かれる。 |
| 直通列車 | 路線名だけではなく、最終的な行先と種別を見ると分かりやすい。 |
| ダイヤ乱れ時 | 直通運転中止や行先変更が発生する場合があるため、駅表示や公式アプリを確認。 |
東京メトロの小竹向原駅時刻表も、有楽町線と副都心線をそれぞれ「和光市方面」「新木場方面」「渋谷方面」に分けて案内しています。
鉄道好きなら「小竹向原〜千川間」に注目
ホームだけ見ても、この駅がどれほど大規模な改良を受けたのかは少し分かりにくいかもしれません。
面白いのは小竹向原から千川へ向かう地下区間です。
鉄道工事を追った「Reports for the future」では、連絡線建設前の平面交差や、新設された線路を通過する列車の前面展望などが詳しく記録されています。公式資料だけではつかみにくい地下配線のイメージを理解する補助資料として興味深い内容です。
駅を使うなら知っておきたい基本情報
| 駅名 | 小竹向原駅 |
|---|---|
| 駅番号 | Y06/F06 |
| 所在地 | 東京都練馬区小竹町2-16-15 |
| 東京メトロ | 有楽町線・副都心線 |
| 接続 | 西武有楽町線 |
| 出入口 | 1〜4番出口 |
| 地上行きエレベーター | 3番出入口に案内あり |
| 駅設備 | コインロッカー、ATM、モバイルバッテリーレンタル機など |
駅設備や出口情報は工事・点検などで変更される場合があるため、利用前には東京メトロ公式情報も確認してください。
小竹向原はこんな人ほど面白い
この話を575にしてみた
地下深く
線路は分かれ
横浜へ
小竹向原についてよくある質問
一言で言うと
小竹向原は、「住宅街の地下に隠れている首都圏鉄道の巨大ジャンクション」。
有楽町線、副都心線、西武線。その先では東武・東急・みなとみらい線などへネットワークが広がります。
昔はその複雑さに線路構造が追いつかず、平面交差がダイヤ乱れを拡大させる弱点になりました。
しかし東京メトロは地下に新たな連絡線を造り、その弱点を解消。何気なく列車を待っているホームの先には、首都圏の巨大な直通ネットワークを支える「見えない立体交差」があります。小竹向原は、便利な乗換駅というより、東京の鉄道がどう進化してきたかを地下で語っている駅なのかもしれません。

連絡線建設を長期取材
小竹向原〜千川間の地下工事を写真や配線図、列車からの映像を交えて追った記録。現在では見られない旧配線を知る資料としても興味深いです。
現在も「直通運転」が話題になりやすい
リアルタイム検索では、副都心線・東横線など直通先で発生した遅れや運転変更について利用者が投稿する様子を確認できます。
東京メトロが「要衝」と表現
2014年の東京メトロ公式ニュースレターでは、小竹向原を複数の直通列車が複雑に走る「要衝」と説明。連絡線が必要になった背景を公式資料で確認できます。