狭山ヶ丘駅は“トトロの森”の玄関口? 東狭山ヶ丘に残るトラストの森をたどる
西武池袋線・狭山ヶ丘駅。住宅街の駅という印象が強い一方、駅名と同じ「東狭山ヶ丘」には、市民の寄付によって守られてきた「トトロの森」12号地・52号地につながる平地林があります。映画『となりのトトロ』の舞台のモデルの一つといわれる狭山丘陵。その自然を残そうと1990年に始まったナショナル・トラスト運動は、2026年6月時点で67か所の森へ広がっています。
「狭山ヶ丘駅そのものがトトロのふるさと基金の活動拠点だった」「全国のジブリファンがこの駅へ押し寄せた」と裏付けられる公式資料は、今回確認できませんでした。
ただし、東狭山ヶ丘には実際にトトロの森12号地・52号地があり、狭山ヶ丘エリアがトラスト活動と深く結びついていることは事実です。現在の基金の活動拠点は三ケ島にある「クロスケの家」で、公式の散策ルートでは小手指駅や西武球場前駅を起点にしたコースが案内されています。
西武池袋線 狭山ヶ丘駅 所沢市東狭山ヶ丘 ナショナル・トラスト 最終確認:2026年8月13日点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
西武池袋線で所沢・池袋方面へ移動できる
日常の買い物
東狭山ヶ丘にトラスト取得地が存在する
外食・カフェ
住宅地と平地林が近接している
子育て環境
トトロの森保全の歴史をたどれる
自然・散歩
周辺に街歩き記事や飲食店がある
地域のにぎわい
森は通常の観光施設ではなく散策時の配慮が必要
そもそも「トトロの森」は何を守っている?
ここで大切なのは、「トトロの森」はアニメ作品を再現したテーマパークではない、ということです。
トトロのふるさと基金によるナショナル・トラスト活動は1990年に始まり、寄付金を集めて雑木林などを取得し、自然を将来へ残す取り組みが続けられてきました。最初の「トトロの森1号地」は1991年に誕生。2026年6月現在では、狭山丘陵とその周辺に67か所まで広がっています。
なぜ市民がお金を集めて森を買うの?
ナショナル・トラストの特徴は、開発から守りたい自然や文化財を、寄付などをもとに取得・保全すること。行政による公園整備だけではなく、市民自身が「この森を残したい」と所有・管理に関わるところに大きな特徴があります。
トトロの森52号地について基金は、東狭山ヶ丘を含む平地林にオオタカやフクロウの生息が確認される一方、開発行為も見られたことから、取得・保全が必要になったと説明しています。
狭山ヶ丘とトトロの森がつながる決定的な場所
狭山ヶ丘の記事として最も面白いポイントは、単に「狭山丘陵が近い」ことではありません。
住所そのものが「所沢市東狭山ヶ丘5丁目」のトトロの森52号地が存在します。
| 名称 | トトロの森52号地 |
|---|---|
| 所在地 | 所沢市東狭山ヶ丘5丁目 |
| 面積 | 1,496㎡ |
| 取得日 | 2020年3月19日 |
| 取得金額 | 9,275,200円 |
| 特徴 | 北中ふるさとの緑の景観地を構成する平地林の一部 |
52号地は、2010年に取得された12号地から北へ約400mの場所。12号地も所沢市北中から東狭山ヶ丘にかけて残る平地林の一角です。
つまり狭山ヶ丘は、「トトロっぽい雰囲気がある街」というだけではなく、実際に市民の力で守られた“トトロの森”が街の住所の中に残っているエリアなのです。
では、狭山ヶ丘駅は本当に“トトロの玄関口”だった?
今回確認したトトロのふるさと基金、西武鉄道、過去の旅行記などでは、「狭山ヶ丘駅がトラスト運動の公式拠点だった」「全国のジブリファンが狭山ヶ丘駅に集中して訪れた」と断定できる資料は確認できませんでした。
現在、トトロのふるさと基金が「森を守るための活動拠点」と明記しているのは、所沢市三ケ島のクロスケの家です。見学は完全予約制で、小学生以上500円。公式散策ガイドも「小手指駅からクロスケの家」「西武球場前駅からクロスケの家」というルートを案内しています。
一方で、過去の個人旅行記には、トトロの森や狭山丘陵を歩きながら狭山ヶ丘駅を利用した記録が複数残っています。狭山ヶ丘は「唯一の玄関口」ではないものの、森を歩く人が実際に使ってきた駅の一つと見るのが、いちばん実態に近そうです。
トトロの森を歩くときに知っておきたいこと
「聖地巡礼」の感覚だけで森へ入ってしまうのは避けたいところ。基金は、トトロの森が生きもののすみかであることから、散策路から観察し、動植物を採取しない、私有地へ入らない、ごみを持ち帰るといったルールを案内しています。
また、森には専用駐車場がありません。踏み分け道やぬかるみがある場所もあり、歩きやすい靴、肌を露出しすぎない服装、虫よけなどが推奨されています。2026年時点ではナラ枯れによる枯れ木についても注意喚起されています。
トトロの森は「アニメのセットを見る場所」ではなく、「作品を思わせる里山の風景が、なぜ今も残っているのか」を感じる場所。森を守ってきた人たちの歴史まで知ってから歩くと、街の見え方がかなり変わります。
現在の活動拠点「クロスケの家」も知っておきたい
トラスト運動そのものをもっと深く知りたい場合は、現在の活動拠点である「クロスケの家」が分かりやすい存在です。
母屋・蔵・茶工場は国の登録有形文化財。通常見学は火・水・土曜日を基本とした完全予約制で、午前10:00〜12:00、午後13:00〜15:00。小学生以上は500円です。最新の公開日は必ず予約カレンダーで確認してください。
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狭山ヶ丘駅とトトロの森のよくある質問
街の名前の横に、森を守った歴史が残っている
狭山ヶ丘駅を「全国のジブリファンが押し寄せた伝説の駅」とまで言ってしまうと、少し話を盛りすぎてしまいます。
でも、もっと面白い事実があります。
駅名と同じ「東狭山ヶ丘」という街に、市民がお金を出し合って未来へ残した本物の“トトロの森”がある。
住宅街の向こうに残る雑木林は、たまたま開発されなかった森ではありません。残したいと願った人がいて、寄付した人がいて、手入れを続けた人がいる。その歴史を知ってから狭山ヶ丘駅に降りると、いつもの西武線の駅が少し違って見えてきます。
参照URL
・トトロの森|公益財団法人トトロのふるさと基金
・2020年3月19日 トトロの森52号地誕生|トトロのふるさと基金
・クロスケの家|トトロのふるさと基金
・散策ガイド|トトロのふるさと基金
・狭山ヶ丘駅|西武鉄道
