武蔵砂川の玉川上水「伏越」とは?残堀川をくぐる水路の立体交差
西武拝島線・武蔵砂川駅の近くには、地図だけを見ると「川と水路がそのまま十字に重なっている」ように見える場所があります。主役は玉川上水と残堀川。ここでは2つの水が混ざらず、現在は玉川上水が残堀川の下へいったん潜り、反対側で再び上がって流れていく「伏越(ふせこし)」の構造が使われています。道路の立体交差なら見慣れていても、水路同士の立体交差はかなり異質。武蔵砂川で立ち止まって見たくなる、小さな土木スポットです。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
武蔵砂川駅から歩いて立ち寄れる位置にある
日常の買い物
玉川上水と残堀川の歴史を同時にたどれる
外食・カフェ
玉川上水沿いの街歩きと組み合わせやすい
子育て環境
水路同士の立体交差という珍しい構造を観察できる
自然・散歩
現地案内板や公開資料で仕組みを確認できる
地域のにぎわい
観光施設ではないため長時間滞在向けの設備は確認できない
#01 / WHAT IS?玉川上水と残堀川は、どうやって交差している?
普通なら、水路と川がぶつかれば合流させる、橋のような水路橋を架ける、どちらかの流路を曲げる、といった方法が考えられます。しかし武蔵砂川では、片方の水を地下方向へいったん下げることで、上下に分離したまま交差させています。
「サイフォン」と聞くと、ホースで水を吸い上げるような仕組みを想像しがちですが、このタイプは一般に逆サイフォン・伏越と呼ばれる水路構造です。水位差と圧力を利用し、水を低い位置へ通して障害物の下側を横断させます。地域資料では「連通管」の原理として紹介している例もあります。
#02 / BASIC DATA武蔵砂川「伏越」の基本情報
| 見どころ | 玉川上水と残堀川の立体交差・伏越構造 |
|---|---|
| エリア | 東京都立川市上砂町周辺 |
| 最寄駅 | 西武拝島線「武蔵砂川駅」 |
| 上下関係 | 残堀川が上/玉川上水が下 |
| 構造 | 伏越(ふせこし)。現地案内ではサイホン工法として説明 |
| 料金 | 道路・緑道側から見るだけなら施設入場料は不要 |
| 予約 | 不要 |
| 注意 | 河川・水路の管理区域には立ち入らず、安全な場所から観察する |
残堀川は瑞穂町の狭山池を水源とし、武蔵村山市、立川市などを通って多摩川へ流れ込む一級河川です。東京都の河川整備計画では流路延長14.46km、流域面積34.7平方kmとされています。
#03 / WHY?なぜ、わざわざ水路を地下へ潜らせたの?
実は、昔から今と同じ形だったわけではない
この場所の面白さは、「珍しい構造がある」だけではありません。玉川上水と残堀川の関係そのものが、時代によって変わってきたことです。
現地案内板を紹介した資料によると、残堀川はかつて「狭山池(箱ヶ池)助水」として玉川上水へ合流していました。ところが明治時代になると水質の問題から改修され、残堀川を玉川上水の下へ通して多摩川方向へ流す形になったとされています。さらにその後、洪水対策のため再改修され、現在は逆に玉川上水が残堀川の下を潜る構造になりました。
つまりこの一点だけで、「飲料水を守るための水管理」と「河川の洪水対策」という、違う時代の土木課題を重ねて見ることができます。
#04 / ENGINEERING土木好きが見たくなるポイントはどこ?
1.川の手前で玉川上水が「消える」
玉川上水沿いを流れに沿って見ていくと、交差地点で水路がそのまま残堀川へ注ぎ込むわけではありません。地下方向へ導かれ、いったん視界から消えることが最大の見どころです。
2.反対側で再び水路が続いている
残堀川を越えた側を見ると、玉川上水の流れが再び続きます。「あの水はどこを通ったのか?」と考えてから位置関係を見ると、地上の景色から地下構造を想像できるようになります。
3.巨大構造物なのに、街の風景へ溶け込んでいる
高架橋やダムのように巨大なコンクリート構造物が正面に現れるわけではありません。普通の川と緑道に見える景色の下で水路同士が上下に交差している。この「見た目の地味さと構造の派手さ」の差が、伏越のおもしろいところです。
最初に残堀川だけを見るより、玉川上水沿いを少し歩いて「水がどこへ消え、どこから戻るか」を追うと構造を理解しやすくなります。
#05 / HISTORY残堀川はどこから流れてくる?
東京都の河川整備計画によると、残堀川は瑞穂町の狭山池を水源とし、武蔵村山市西部、立川市北西部、昭島市東部、立川市南西部を通過し、日野橋上流で多摩川へ合流します。流域の多くは平坦な台地ですが、流路は地形・地質の影響を受けながら南方向へ延びています。
東京都の資料では、日産自動車村山工場跡地付近より下流に河道付替工事による流路があり、玉川上水との間には旧河道跡も認められると説明されています。単に「昔から自然にこの一本の川が流れていた」と考えるより、人の手による改修を重ねながら現在の姿になった川として見ると、伏越の存在も理解しやすくなります。
#06 / ACCESS武蔵砂川駅からどう行く?
最寄りは西武拝島線の武蔵砂川駅。西武鉄道公式でも武蔵砂川駅は拝島線の駅として案内されています。伏越は駅南側の玉川上水・残堀川が交差する上砂町周辺にあり、公開されている訪問記録では上砂町4丁目付近として紹介されています。
地図で「玉川上水」と「残堀川」が十字に交わる場所を確認してから向かうのが分かりやすい方法です。駅前の大型観光施設ではないため、建物名ではなく2本の水路が交差する位置を目的地として見るのがポイントです。
伏越はアトラクションや見学施設ではなく、現役の河川・水路です。水路内や管理区域へ入らず、道路・緑道など安全に通行できる場所から観察してください。雨天や増水時は水辺へ近づきすぎないようにしましょう。
#07 / TOWN玉川上水そのものも「史跡」
この場所を伏越だけで終わらせるともったいない理由が、玉川上水そのものです。立川市内の玉川上水は国指定史跡に含まれ、立川市も「砂川と玉川上水を歩く」散歩コースを案内しています。
現代の武蔵砂川駅周辺だけを見ると住宅地や道路が中心ですが、玉川上水沿いへ入ると、この土地が水路とともに発展してきたことが急に見えやすくなります。伏越は、その歴史的な水路に近代的な治水技術が重なった場所と考えると、一段おもしろく見えてきます。
#09 / FIELD NOTE現地で「何を見るか」を決めてから行くと面白い
公開写真や散歩記録を見る限り、この場所は派手な観光地ではありません。何も知らずに通れば「川が一本流れている場所」で終わる可能性があります。
逆に、「下に玉川上水が通っている」と知ってから見ると、視線が変わります。残堀川の両岸、玉川上水が途切れる位置、反対側で流れが戻る地点、案内板。地下にある見えない構造を地上の景色から組み立てていくタイプのスポットです。
面白いのは、その下を水が横切っていること。
#10 / FOR YOUこんな人に向いている
#11 / 575この街ネタを575にしてみた
もうひとつ水
流れてる
#12 / EKIRIP武蔵砂川の記事を続けて読む
#13 / Q&A玉川上水と残堀川の伏越でよくある疑問
現在の交差地点では、上下に分離されています。玉川上水が残堀川の下を通過する伏越構造です。
玉川上水が下です。残堀川の川底より下をくぐり、反対側へ流れます。
「ふせこし」と読みます。水路をいったん低い位置へ通し、川や道路などの下側を横断させる構造です。
いいえ。現地案内板を紹介する資料では、かつて残堀川は玉川上水へ助水として合流し、その後の改修を経て現在の上下関係になったと説明されています。
駅から歩いて立ち寄れる位置です。交差地点は立川市上砂町、武蔵砂川駅近くとして複数の公開資料で紹介されています。
「なぜ2つの水が混ざらないの?」という入口にすると理解しやすい題材です。ただし河川施設なので、水路内へ入らず安全な通路から観察してください。
#14 / ONE LINE一言で言うと
地上からすべてが見えないからこそ、構造を知った瞬間に街の景色が変わって見える土木スポットです。
武蔵砂川で、足元の「水の立体交差」を見る
玉川上水は江戸の水インフラ、残堀川は多摩川へ向かう自然河川。その2つが武蔵砂川で出会い、しかも混ざらず上下にすれ違っています。
目の前にあるのは派手な建築物ではありません。それでも、その地下には「水をどこへ流すか」を何世代にもわたって考えてきた痕跡があります。武蔵砂川駅を降りたら、玉川上水の緑だけでなく、その水が一度地面の下へ消える場所にも注目してみてください。

#08 / SOCIAL VOICESSNS・地域メディアではどう見られている?
散歩コースに「玉川上水伏せ越水路」
立川サイエンスひとネットの投稿では、武蔵砂川駅から残堀川の旧水路跡、玉川上水の伏せ越水路などを巡る散歩コースが紹介されています。伏越単体ではなく、砂川地域の地形や歴史を歩いて学ぶポイントとして扱われています。
武蔵砂川駅から近い水辺として訪問
過去の個人投稿にも、玉川上水と残堀川の交差地点を訪れた記録があります。武蔵砂川駅から近い場所として紹介され、玉川上水沿いの桜の様子なども投稿されています。
「川同士が交差したら混ざる?」をクイズ化
立川の地域メディア「いいね!立川」では、この場所を「玉川上水と残堀川が交差しているところ」としてクイズ形式で紹介。見た瞬間に「水は混ざらないの?」という疑問が生まれる場所であることがよく分かります。
2026年にも伏越を確認した記録
2026年2月の訪問記録では、上砂町の交差地点と現地案内板、残堀川の下へ入る玉川上水の構造が写真付きで紹介されています。