武蔵藤沢駅なのに住所は「下藤沢」? 駅名の“武蔵”に隠れた藤沢駅との関係
西武池袋線の「武蔵藤沢駅」。名前だけを見ると“武蔵藤沢”という地名がありそうですが、西武鉄道が案内する駅所在地は埼玉県入間市下藤沢一丁目です。では、なぜ「下藤沢駅」でも「藤沢駅」でもなく、「武蔵藤沢駅」なのでしょうか。
武蔵藤沢駅は「下藤沢」にある駅で、1926年に武蔵野鉄道の駅として開業しました。駅名の「武蔵」は、すでに神奈川県に「藤沢駅」が存在していたことから、同名駅との区別のため旧国名の「武蔵」を冠したものと説明されるのが一般的です。ただし、西武鉄道の現在の公式駅ページでは、この命名理由そのものについての明記は確認できませんでした。現在の正式な駅住所は「入間市下藤沢一丁目15番地4」です。
点数ではなく、この場所の特徴を6方向の感覚で表しています。
交通の便利さ
池袋線の急行など複数種別が停車する
日常の買い物
駅東西に市街地と住宅地が広がる
外食・カフェ
駅名と実際の住所が異なる特徴がある
子育て環境
下藤沢の地名が現在も残る
自然・散歩
藤沢駅との区別を感じさせる旧国名付き駅名
地域のにぎわい
駅名由来の公式説明は現在の駅ページでは確認できない
武蔵藤沢駅の住所は、本当に「下藤沢」なの?
はい。西武鉄道の公式ページに掲載されている武蔵藤沢駅の住所は、〒358-0011 埼玉県入間市下藤沢一丁目15番地4です。駅名は「武蔵藤沢」ですが、「武蔵藤沢」という町名の中に駅があるわけではありません。
この「駅名と住所のズレ」が、武蔵藤沢のおもしろいところ。初めて地図を見ると、「武蔵藤沢という住所がないの?」と少し不思議に感じるかもしれません。
なぜ「藤沢駅」ではなく「武蔵藤沢駅」なの?
武蔵藤沢駅が開業したのは1926年(大正15年)4月1日。西武鉄道の前身にあたる武蔵野鉄道の駅として誕生しました。
一方、「藤沢駅」という駅名はすでに神奈川県藤沢市に存在していました。そのため、埼玉側の藤沢を区別する形で、当地がかつて属していた武蔵国の「武蔵」を頭につけ、「武蔵藤沢」としたものと一般に説明されています。駅名の前に旧国名をつけて同名駅を区別する方法は、全国の鉄道駅でも見られる命名パターンです。
「神奈川県の藤沢駅との重複回避が理由」という説明は鉄道・地域系資料で広く見られますが、現在公開されている西武鉄道の武蔵藤沢駅公式ページには、駅名制定時の理由までは記載されていません。そのため、ekiripでは「公式が現在明記している事実」と「一般に伝えられている駅名由来」を分けて紹介します。
では「下藤沢」という地名は今も残っている?
しっかり残っています。むしろ、武蔵藤沢駅周辺の区画整理後にも「下藤沢」という名前を残したいという地域の意向が強く表れました。
入間市が2019年にまとめた町名変更アンケートでは、新しい町名案として「下藤沢○丁目」が71.3%で最多となりました。その結果を踏まえ、現在の下藤沢一丁目などの町名につながっています。
2021年5月1日には武蔵藤沢駅周辺土地区画整理事業に伴う町名・地番変更が実施されましたが、「下藤沢」の名は消えませんでした。入間市の資料では、区画整理前の区域にも「大字下藤沢」の名が確認できます。
つまりこの街では、鉄道上では「武蔵藤沢」、住所では「下藤沢」という2つの名前が、約100年にわたり役割を分けながら共存しているわけです。
「武蔵藤沢」と「下藤沢」、どちらが街の名前なの?
| 武蔵藤沢 | 主に駅名として定着。現在では店舗名や施設名などにも広く使われ、駅周辺エリアを示す呼び名としても通じます。 |
|---|---|
| 下藤沢 | 実際の行政上の町名。武蔵藤沢駅そのものも下藤沢一丁目にあります。 |
| 藤沢 | この地域の歴史的な地名の核となる名称。一方、鉄道駅名として単独の「藤沢駅」は神奈川県に存在します。 |
日常会話では「武蔵藤沢に住んでいる」「武蔵藤沢でご飯を食べる」のように、駅名がそのままエリア名として使われることも珍しくありません。
住所と駅名が完全一致しなくても、駅名のほうが街の通称として定着していく。そんな鉄道沿線らしい現象を感じられる駅です。
武蔵藤沢駅はどんな駅?
現在の武蔵藤沢駅は西武池袋線の駅で、駅ナンバリングは「SI21」。西武鉄道公式では、エレベーター、エスカレーター、バリアフリートイレ、待合室などの設備が案内されています。
| 駅名 | 武蔵藤沢駅(Musashi-Fujisawa) |
|---|---|
| 路線 | 西武池袋線 |
| 駅番号 | SI21 |
| 所在地 | 埼玉県入間市下藤沢一丁目15番地4 |
| 開業 | 1926年4月1日 |
| 隣駅 | 狭山ヶ丘駅 ― 武蔵藤沢駅 ― 稲荷山公園駅 |
武蔵藤沢駅の名前でよくある疑問
駅名を1文字深掘りすると、街の歴史が見えてくる
「武蔵藤沢」と聞けば、今ではごく普通の駅名に感じます。
けれど住所を見れば「下藤沢」。さらに「なぜ武蔵?」と辿っていけば、神奈川県の藤沢駅との区別、旧国名の武蔵、1926年の鉄道開業、そして100年後も受け継がれる下藤沢という地名へと話がつながっていきます。
たった2文字の「武蔵」ですが、そこには同じ駅名を避ける鉄道の知恵と、土地の歴史が詰まっています。
次に武蔵藤沢駅の駅名標を見たときは、「ここ、住所は下藤沢なんだよな」と思い出してみると、いつもの駅が少し違って見えるかもしれません。

ネット上では「武蔵藤沢」はどんなふうに使われている?
駅名そのものが街の呼び名に
「武蔵藤沢駅前」「武蔵藤沢で営業」といった投稿が確認でき、行政上は下藤沢でも、日常的には「武蔵藤沢」がエリア名として自然に使われています。
店舗名にも「武蔵藤沢」が定着
駅周辺では、飲食店をはじめ店名に「武蔵藤沢」を冠するケースが多数見られます。駅名が地域のランドマークとして定着していることが分かります。
下藤沢の住所でも店名は「武蔵藤沢」
せんべ味億本舗 武蔵藤沢店も、所在地は入間市下藤沢。駅名と住所名の2つが自然に共存しています。